交通事故ドリル

〜交通事故後立ちはだかる壁に風穴を開けろ!〜


 (練習問題4回答)
 スリップ痕=制動距離として、次の条件下での衝突前の車両の速度を求めよ。
 v=√(254μS)とする。
v=√(254×3×0.7)=18.92458…(km/h)
v=√(254×4×0.7)=26.66833…(km/h)
v=√(254×7×0.7)=35.27888…(km/h)
v=√(254×3.5×0.5)=21.08…(km/h)
v=√(254×4.3×0.5)=23.36…(km/h)
v=√(254×9.1×0.5)=33.99…(km/h)
v=√(254×4.2×0.8)=29.21…(km/h)
v=√(254×12.6×0.15)=21.9…(km/h)



 【ポイント】
 ただし、昨今はABSの普及によって路面にタイヤのスリップ痕が残り難い状況になっています。
 しかも、衝突を伴う事故の場合は、互いの質量によって速度変化も伴い、単純に『スリップ痕=速度』とは言えない様態も少なくありません。
 特に、『自動車×自動車』の事故で衝突を伴う場合には、単純に v=√(254μS) の式に代入して速度を算出する事はできないと思った方が良いでしょう。

 現状を逆手に利用して、「タイヤのスリップ痕が短いので、速度は遅かった。」と言われる恐れがあります。
 『スリップ痕が消えた位置』=『車両が停止した位置』だとは限りません。
(停止位置はタイヤ痕の先になる事も…)
 スリップ痕に惑わされる事無く、『実際はどこで停止したか?』を明らかにしてから、式を用いてください。
 そして、この式が持つ意味を理解して、特に悪用される事を防いでください。

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