*** 2011年7月11日 観音崎/城ヶ島 ***

1.O先生と
(防衛大O先生
研究室)
2.東京マーチス 3.観音崎の磯1 4.観音崎の磯2 5.権現洞 6.東京湾を行く
コンテナ船
7.アジサイ1
(観音崎灯台登り)
8.アジサイ2
(観音崎灯台登り)
9.観音崎灯台 10.灯台のレンズ 11.浦賀水道
(灯台)
12.東京湾
(灯台)
13.大混雑の東京湾
(灯台)
14.新日鉄
君津製鉄所
(灯台)
15.ツバサ橋前の
コンテナ船
(灯台)
16.自動車運搬船
(灯台)
17.鋸山
(灯台)
18.アジサイ3
(観音崎灯台下り)
19.アジサイ4
(観音崎灯台下り)
20.アジサイ5
(観音崎灯台下り)
21.アジサイ6
(観音崎灯台下り)
22.ネジバナ1
(観音崎灯台下り)
23.ネジバナ2
(観音崎灯台下り)
24.ネジバナ3
(観音崎灯台下り)
25.長津呂の磯1 26.長津呂の磯2 27.長津呂の磯3 28.スカシユリ1 29.スカシユリ2 30.スカシユリ3 31.スカシユリ4 32.スカシユリ5
33.馬の背洞門1 34.馬の背洞門2 35.太平洋
(馬の背洞門)
36.長津呂の磯4 37.馬の背洞門
上部1
38.馬の背洞門の
岩模様1
39.長津呂の磯5 40.馬の背洞門
上部2
41.寒鯛ヶ岬を望む
(馬の背洞門)
42.馬の背洞門の
岩模様2
43.馬の背洞門の
岩模様3
44.馬の背洞門3 45.馬の背洞門の
岩模様4
46.長津呂の磯の
岩模様
47.ミヤコグサ 48.ハマグルマ1
49.ハマグルマ2 50.ハマゴウ1 51.ハマゴウ2 52.ハマダイコン1 53.ハマダイコン2 54.ヒロハクサフジ 55.テリハノイバラ1 56.テリハノイバラ2

 7月11日(月)、共同研究打合せのため、防衛大学校(横須賀市在)のO先生の研究室を訪問する。O先生は、リモートセンシング(衛星を使った探査技術)の権威で、高知工科大時代に、優秀な留学生獲得に向けて、共に中国・ハルビンを訪問(2003年7月3日参照)した間柄である。現在、お互いに同大学を離れた身であるが、以降も、O先生の御厚情に預かっている。今回の研究内容については、敢えて説明は省略するが、O先生にも参画頂き、共同で研究補助金を申請することになる。
 打合せが予定より早く終わったので、先ず近くの観音崎灯台に向かう。若かりし頃、この辺は何度か訪れたことはあるが、カメラに収めるのは今回が初めてである。事前にWEB上で調べた所では、この灯台は、一般公開されているとか。従って、灯台からの絶景も、ちょっとした楽しみである。駐車場から浜辺に向かうと、平日にも拘わらず、家族連れや若者達が、水辺で戯れている。その脇を通り過ぎ、浜辺の道を数百メートルほど進むと、灯台への分岐点が現れる。散り残るアジサイを撮りつつ、ジグザグの坂道を登り始めると、直ぐに玉の汗が滴り落ちてくる。それでも、我慢して登り続けると、数分で灯台に辿り着く。
入口で入場料200円を払い、隣の博物館らしき部屋を廻ったあと、らせん階段を登っていくと、巨大な"フレネルレンズ"が現れる。発明者"フレネル"の名が付いたこのレンズは、中央の鋸状のレンズと、外側の肋骨のようなプリズムから構成されている。
ただ、レンズとは言っても、実際はプリズムの集合体であり、巨大な一枚レンズに比べて、相当軽くなるのは確かであろう。
光源から発せられた光は、各プリズムで方向を変えられ、平行光となるため、灯台用としては最適なのであろう。だが、逆にカメラレンズとして用いた場合、"回折"の影響により、解像度が悪化すると言われている。一方、キャノンから、カメラ用"回折レンズ(Diffractive Optics)"が発売されているが、これは、光の波長程度の細かい溝を、リング状に何本も刻んだもので、光の回折を上手く利用して、色収差を極限まで低減させるのが狙いである。謂わば、19世紀のハイテクが"フレネルレンズ"とすると、21世紀のそれが"回折レンズ"と言うところか。なお、キャノンは、これを"DOレンズ"と称しているが、これは明らかに間違い(蛇足)である。なぜなら、上述の通り、"DO"自体が"回折レンズ"を意味するので、"DOレンズ"とは"回折レンズ・レンズ"と言う意味合いになる。従って、正しくは"Dレンズ"或いは"回折レンズ"とでも言うべきであろう。そんな事を考えつつ、踊り場(灯台外側のベランダ)に出ると、真っ青な大海原が広がっている。超望遠に交換すると、先程のコンテナ船が、東京湾を悠然と進んでいるのが確認できる。その後を追うと、"ツバサ橋"前を通過して行ったので、そのまま横浜港に着岸するのであろう。一方、対岸の房総半島には、急峻な崖が屏風のようにそそり立っている。WEB上で調べた所、鋸山(標高329m)とか。標高自体は大したことないが、中々迫力満点で、登山意欲を駆り立てる山容をしている。何時の日にか、この山に挑戦したいものである。ここから、元来た道を下る。途中、"ネジバナ"が、面白い姿を見せている。
 次に、三浦半島南端の城ヶ島を目指す。この地も、何十年も御無沙汰していたので、新たな撮影機器で写真に収めるのが楽しみである。当初、城ヶ島大橋をバックに、"白秋碑"を狙うつもりであったが、時間の関係で、磯の風景を優先することにする。最西端の駐車場に車を止め、此処から歩き始める。"長津呂の磯"を経て、城ヶ島のシンボルとも言うべき"馬の背洞門"まで、片道20分。写真を撮りながらでは、30分という所か。波打ち際には、様々なゴミが打ち寄せており、岩礁を撮影する際に、写り込んでしまう。そこで、途中から山寄りの道を取ると、艶やかな"スカシユリ"が、草叢に彩りを添えている。嘗て、北海道"尻別岳"(2009年7月20日参照)で見た"エゾカンゾウ"より色が濃く、多くの黒色の斑点があるので、むしろ"オニユリ"に近い姿である。更に足を延ばして、"馬の背洞門"に向かう。ここは、地学では海蝕洞穴に分類できるが、1923年の関東大震災で1.6mも隆起して、現在のように全てが露出する姿になったとか。一方、馬の背上部から洞門壁面を覗くと、灰白色の凝灰岩からできており、いかにも脆ろそうに見える。また、馬の背には、複雑な縞模様が見られ、この中に富士の火山灰層も含まれているようである。ただ、地層/断層等の地殻変動については門外漢なので、これ以上深入りしないことにする。帰路、山寄りの道を歩いていくと、向かう際には見かけなかった花々が、姿を見せている。馴染みのある"ハマダイコン"もあるが、殆どが初対面の花々である。何か得をしたような気分で、家路を急ぐ。

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