*** 2015年3月10日,11日 谷川岳山麓スノーシューウオーク ***

1.湯檜曽川の
清流1
2.幹の雪1 3.ブナの雪1 4.ブナの雪2 5.ツアーガイドGさん 6.ツアー客1 7.サワグルミの
古木1
8.サワグルミの
古木2
9.サワグルミの林1 10.サワグルミの林2
11.湯檜曽川の
大雪原1
12.湯檜曽川原の
樹木1
13.湯檜曽川原の
樹木2
14.湯檜曽川の
大雪原2
15.ツアー客2 16.幹の雪2 17.幹の雪3 18.樹の雪1 19.凍った
ハンノキの実1
20.凍った
ハンノキの実2
21.凍った
ハンノキの実3
22.ネコヤナギの
新芽1
23.ネコヤナギの
新芽2
24.ネコヤナギの
新芽3
25.ネコヤナギの
新芽4
26.ネコヤナギの
新芽5
27.ネコヤナギの
新芽6
28.ツアー客3 29.沢の氷柱1 30.沢の氷柱2
31.沢の雪景色1 32.沢の雪景色2 33.湯檜曽川の
清流2
34.急斜面のミズナラ 35.マンサクの花1 36.マンサクの花2 37.マンサクの花3 38.グリセード 39.利根川の雪景色1
(410号室)
40.利根川の雪景色2
(410号室)
41.利根川の雪3
(410号室)
42.利根川の雪4
(410号室)
43.樹木の雪1
(410号室)
44.樹木の雪2
(410号室)
45.樹木の雪3
(410号室)
46.上越線下り列車
(410号室)
47.利根川の雪5
(駐車場)
48.利根川の雪6
(駐車場)
49.利根川の雪7
(駐車場)
50.利根川の雪8
(駐車場)
51.旧道土合口駅
ゲート付近
52.雪のバリア1 53.雪のバリア2 54.雪のバリア3 55.上越線土合駅 56.下りホームへの
連絡通路
57.土合踏切 58.清水トンネル1
(土樽方面)
59.清水トンネル2
(土樽方面)
60.上越線上り
土合駅方面
61.湯檜曽ダム 62.大山さん 63.湯檜曽川の
大雪原3
64.谷川連峰1 65.谷川連峰2 66.ネコヤナギの氷1 67.ネコヤナギの氷2 68.ネコヤナギの氷3 69.ネコヤナギの
新芽7
70.ネコヤナギの
新芽8
71.谷川連峰3 72.谷川連峰4 73.谷川連峰5 74.湯檜曽川の清流3 75.湯檜曽川の清流4 76.湯檜曽川の清流5 77.雪のイノシシ1 78.雪のイノシシ2 79.雪のブリッジ 80.凍った
ハンノキの実4
81.凍った
ハンノキの実5
82.凍った
ハンノキの実6
83.土合口駅 84.ニホンカモシカ1 85.ニホンカモシカ2 86.ニホンカモシカ3 87.ニホンカモシカ4 88.ニホンカモシカの
足跡
89.ニホンカモシカ5 90.湯檜曽川ダム下
91.土合駅看板 92.土合駅改札口 93.下りホームへの
連絡通路1
94.下りホームへの
連絡通路2
95.下りホームへの
462段の階段
96.下りホーム1
(湯檜曽駅方面)
97.下りホーム2
(土樽方面)
98.土合駅名標 99.下りホーム3
(土樽方面)
100.改札口への
上り階段

 3月10日(火)/11日(水)の両日、何時もの大山さんと、谷川岳山麓に出かける。当地訪問は、これで三度目だが、早春の積雪期は今回が初めてである。その切っ掛けとなったのが、一昨年の秋に宿泊したホテルからの"雪上を歩くスノーシュープラン"の案内である。私自身にとっても、丹沢や道南の雪山の経験はあるものの、スノーシューで深雪に踏み入れたことはなかったので、この際初日にガイド付半日ツアー参加して慣れ、翌日は我々単独で、旧道(291号線の廃道)をマチガ沢/一ノ倉沢まで歩き、白銀に輝く谷川岳の雄姿を、写真に収める所存である。ただこれが、如何に無謀な計画であったか、後で思い知らされる羽目になる。
 3月10日、7:00起床。日本海側は、発達した低気圧による大荒れの天気で、群馬県側も悪天候が予想されるが、好天を期待して予定通り出発する。今回は、新横浜駅まで車で行き、周辺の有料パーキングに駐車したのち、東海道新幹線で東京駅に向かう。ここで、上越新幹線に乗り換え、上毛高原駅で大山さんと落ち合うことにする。このルートだと、最短の2時間弱で、上毛高原到着とあいなる。
 11:10、"たにがわ405号"は延着することもなく、上毛高原駅の2番ホームに滑り込む。大山さんと改札前で無事合流し、ここから大山さんの車で水上温泉に向かう。新幹線の窓からの天気は上々で、青空も垣間見られたが、遥か彼方の谷川岳方面には暗雲が立ち込め、白銀に輝く谷川岳など、望むべくも無い。それでも、一瞬の晴間を願って、ツアーに参加することにする。途中の蕎麦店で昼食を取ったあと、一旦本日の宿"KKR水明荘"に立ち寄る。ここで、ツアー会社MAXのワゴン車にピックアップして頂き、集合場所に向かう。事務所に案内されると、今回の参加者は、我々以外に若者三人の計五名で、全員スノーシューは未経験である。ツアーガイドのGさんによると、本日は利根川支流の"湯檜曽川(ゆびそがわ)流域の散策とか。ここで、初めて行先が明らかになったが、これはガイドの専権事項で、当日の積雪も考慮して決定されるとか。してみると、参加者には事前に行き先も分からず、且つ選択の余地が無いわけで、これではリピーターは皆無であろう。
 13:10、準備体操をして愈々出発である。だが、先程の予想通り、"湯檜曽ダム(砂防ダム)"周辺は地吹雪が舞う始末で、レンズ交換はおろか、撮影も儘ならない。従って、撮影は諦め、スノーシューによる雪原散策に徹することにする。所で、スノーシューと言えば、嘗て道南の雪山の急斜面で、何度かその必要性を感じたものの、10Kg程度のカメラ機材以外に、更に約3kgのスノーシューを加えると、私の体力では持参するのを諦めざるを得なかったのが実態である。今回緩斜面で初めて使ってみて、深雪ではそれなりに有効であるものの、片足に体重を掛け過ぎると深く潜り込み、バランスを崩して転倒しそうになる場面も多々あり、ガイドの方のように、"エリマキトカゲ"の如く雪面を駆け下るには、それなりの経験が必要ということも体得できたと言える。そうこうするうちに、雪も小降りになってきたので、おもむろにザックからカメラを取り出し、周辺の雪景色を標準ズームで順次撮影する。
 14:40、雪のブリッジを越え、"サワグルミ"の林を抜けると、見晴らしの効く"湯檜曽川大雪原"に出る。だが、残念ながら、その奥の谷川連峰や白髪門は、雲間に隠れたままである。また、広大な河川の両側には、クレバス状の亀裂が見え隠れし、通過する際は注意を要するが、中央部は土砂で埋まっているため、安心して歩くことができる。つまり、"湯檜曽ダム"自体は、両山から流入する大量の土砂で完全に埋まり、"砂防ダム"としての役割を終えてしまったことになる。また、川の一角にも木々が見られ、ガイドのGさんによると、"ハンノキ"と"ヤナギ"とか。中々、植物に造詣の深い方のようである。ふと、植物博士のAさんから、"ヤナギ"は種類が多く、それを特定するのは容易でないと伺ったことを思い出す。そこで帰宅後、改めてネット上で検索したところ、東京大学・指村奈穂子氏他の「湯檜曽川における水辺林のモザイク構造とユビソヤナギ林の成立」がヒットする。本論文によると、"オノエヤナギ,オオバヤナギ,ユビソヤナギ"が、周辺で夫々の群落を形成しているとのことである。なお、詳細を知りたい方は、以下のWEBをご覧いただきたい。ここから元来た道を戻る。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjfs/90/1/90_1_17/_pdf
 3月11日(水)9:10、"KKR水明荘"を後にし、コンビニで昼食を仕入れたのち、土合口駅に向かう。昨日のガイドの方の話では、山麓の旧道は雪崩で寸断され、嘗てそれを強引に乗り越えようとした登山者が、滑落して死亡したとか。従って、"一ノ倉沢"の絶景を望むなら、湯檜曽川沿いのルートを取るべきと仰る。だが、我々も貴重なアドバイスを念頭に置きつつも、更なる絶景が期待できる旧道を、先ず覗いてみることにする。土合口駅を過ぎ、急カーブを曲がると、何時もはあるはずの車用ゲートが取り外されている。これ幸いとそのまま進むと、僅か50m程で、雪のバリアで行き止まりとあいなる。早速車から降りて確認してみると、人の背丈の何倍もありそうな雪の壁が、行く手を遮っている。妖怪ウオッチの"コマさん"なら、「モンゲ―! 雪の妖怪ズラ!!」とでも言い出しそうなくらいの圧倒的迫力である。この最初の壁でさえ、我々の装備では乗り越えられないので、後は推して知るべしである。よって、ここでUターンして、土合駅の駐車場まで戻り、スノーシューに履き替えて、再度湯檜曽川沿いを歩くことにする。
 10:07、土合駅前を出発する。国道291号線の脇を進み、昨日のツアー会社MAX脇の"湯檜曽ダム"から、雪の斜面に分け入る。昨日の足跡は完全に消え伏せ、前日からかなりの積雪が有ったことを窺い知ることが出来る。"湯檜曽川大雪原"に出ると、谷川連峰が霞んで見える。昨日より、やや視界が効くようにはなったものの、相変わらず谷川岳や白髪門の全貌を拝めそうにない。それでも、一瞬の雄姿をカメラに収めるべく、更に湯檜曽川を遡ることにする。昨日の最終到達点を過ぎ、その先の"サワグルミ"林の中で、早目の昼食を取る。それにしても、スノーシューとは何とも扱いにくい代物で、履いたままで一旦座り込むと、立ちあがるのに難儀する。
 12:20、川筋に沿って順調に距離を稼いで行ったが、急に先細りになり、遂に行き止まりとなる。川幅もざっと10m近くもあり、ここを渡渉して対岸に辿り着くには、かなりの危険を伴いそうである。また、"雪のイノシシ"にも似た中州の下手に、雪のブリッジも確認できるが、これを乗り越えるには、更なる危険が待ち構えているような気がする。よって、未だ早い時間帯だが、ここから引き返すことにする。土合口駅下まで戻ってくると、先陣を切る大山さんが急に立ち止まっている。見れば、何と特別天然記念物の"ニホンカモシカ"と鉢合わせである。そう言えば、10数年前の丹沢ユーシン渓谷(2002年1月29日,30日参照)でも、"ニホンカモシカ"に遭遇したが、この時も暫くにらめっこが続いたと記憶している。何れにしても、中々好奇心旺盛な動物のようだが、人を恐れないでこちらを向いてくれるので、実に優秀なモデルと言える。私自身も、シャッターチャンス到来とやや興奮気味であったが、レンズ交換のため下を向いている間に、姿を見失ってしまう。大山さんに確認いた所では、雪の斜面を駆け上がっている最中とか。それでも、途中で立ち止まり、律儀にポーズを取ってくれる。改めて、オリジナル画像を拡大してみたところ、実に愛らしい黒目をしているものの、小さな角も確認できるので、若いオスであろう。何となく名残惜しい気もするが、お互いに住む世界が違うので、これでお別れである。これも、カメラが取り成す一種の"シンクロニシティー"であろうか。ここから土合駅駐車場に戻る。
 13;50、駐車場でスノーシューを外し、やっと自由の身になる。ただ、上越新幹線の出発まで、3時間半もあったので、急遽"日本一のモグラ駅"を探検することにする。土合駅ホームは上下線で異なり、下り線ホームは地上の上り線ホームに対して81m下にあるため、下り電車に乗る際は、486段にも及ぶ階段を降りて行く必要がある。実際に、連絡通路を通って、地底のホームへと下っていくと、果てのないトンネルを潜っていくような錯覚に陥るので、この奇妙な駅名に合点が行く。また、階段右手には、エスカレータを設置できそうなスペースは有るものの、そこを地下水が音を立てて流れ落ちている。Wikipediaによると、一日の乗降客は僅か20名程度で、これではエスカレータを設置してもペイするのに、何千年〜何万年も要するであろう。また、時刻表を見ると、この時間帯の列車は3時間に1本で、13:50分に下り列車が到着した筈であるが、この階段を登ってくる客とはすれ違わなかったので、結局下り線の乗降客はゼロと言うことになる。また、この客数では、無人改札口とならざるを得ないのは、言うまでもい。なお、上下線ホームでこのような高低差が生じてしまった理由については、同WEBに詳述されているので省略する。ここから、スノーシュー返却のため、"ジャグスポーツ"に立ち寄ったあと、上越新幹線上毛高原駅に向かう。
 今回は、3月10日/11日の両日、大山さんと共に谷川岳周辺のスノーシューツアーに初挑戦した。二日共生憎の天気であったが、幸運にも"ニホンカモシカ"にも出会え、谷川岳の自然を十二分に堪能することが出来た。次回は、秋頃に新たな百名山に挑戦したい。

1日目歩数: 5,593歩(但し緩やかな雪面の歩行なので正確さを欠く)
2日目歩数:11,139歩(同上)  

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