*** 2002年1月29日,30日 丹沢蛭ヶ岳,檜洞丸挑戦 ***

1D.トンネル
(熊木沢出合手前)
2.蛭ヶ岳
(熊木沢出会)
3D.凍結路面
(熊木沢出合)
4.蛭ヶ岳
(熊木沢河原)
5.蛭ヶ岳
(熊木沢出会)
6D.I氏
(弁当沢ノ頭付近)
7D.酒井
(弁当沢ノ頭付近)
8D.I氏
(棚沢ノ頭手前)
9D.酒井
(棚沢ノ頭手前)
10D.塔ノ岳
(棚沢ノ頭手前)
11D.尊仏山荘
(棚沢ノ頭手前)
12D.蛭ヶ岳
(棚沢ノ頭手前)
13.蛭ヶ岳
(棚沢ノ頭)
14.蛭ヶ岳山頂
(棚沢ノ頭)
15D.檜洞丸
(棚沢ノ頭)
16D.大室山
(棚沢ノ頭)
17D.氷の結晶
(ユーシンロッジ)
18D.I氏
(ユーシンロッジ)
19D.酒井
(ユーシンロッジ)
20D.大石
(大石山手前)
21D.檜洞丸
(大石山山頂)
22D.富士
(大石山山頂)
23D.酒井
(同角ノ頭)
24D.木製階段
(同角ノ頭登り)
25D.ブナの林
(同角ノ頭下)
26D.蛭ヶ岳
(同角ノ頭下)
27D.I氏
(同角ノ頭山頂)
28.丹沢連峰1
(大石山山頂)
29.丹沢連峰2
(大石山山頂)
30.I氏
(大石山山頂)
31.酒井
(大石山山頂)
32D.不気味な
トンネル
(石崩隧道)
33D.熊or
カモシカ
(石崩隧道)
34D.崩落寸前
のトンネル

 1月29日(火)/30日(水)の両日、I氏と本年2度目の冬の丹沢に出かける。今回は初めてユーシンロッジ(725m)まで車
で入り、ここを基地に初日は最高峰の蛭ヶ岳(1673m),翌日に檜洞丸(1600m)を目指すハードな計画である。
 朝7時に湘南台駅でI氏をピックアップし、今回は途中で海老名のIW氏宅にお邪魔する。予定より早く着き過ぎた為、
IW氏が眠い目を擦りながら飛び起きてこられる。昨年亡くなられたIW氏の義父に当たるS様は、お互いに学部は違うが
我々の大学の大先輩で、帰り際にI氏と共に御冥福をお祈りする。
 大井松田ICを下り、丹沢湖に向かう。丹沢湖畔の玄倉商店でゲートの鍵を受け取り、小川谷出会いを右折し林道に
入る。暫く行くと立派なゲートが現れる。I氏が先程受け取った鍵を差し込むが、実に奇妙な鍵で中々開けられない。
結局10分程悪戦苦闘してやっとゲートを開ける。ここから奥に進むが舗装路は直ぐ途絶え、巨石が転がる林道をのろ
のろ運転で進む。途中で何回か石を除くため停車するが、それでも何度か車の底を擦る。この10キロ程の林道を何と
1時間以上も掛かって、10時半ごろやっとロッジに到着する。
 早速支度をして出発しようとするが、この時間では蛭ヶ岳まで往復は無理とロッジ主人の佐藤さんがおっしゃる。
それでも行ける所まで行くつもりで11時頃出発する。なだらかな林道を40分程行くと、蛭ヶ岳側の熊木沢と塔ノ岳側
の箒杉沢の合流点である熊木沢出会に到着する。箒杉沢に架かる橋は凍結しており、危うく転倒しそうになる。ここ
から熊木沢とは別れて右に折れ、杉林の斜面を急登する。杉林が終わる弁当ノ沢(1288m)辺りから積雪が見られ、ここ
から軽アイゼンを装着して更に棚沢ノ頭(約1600m)に向かう。途中から雲行きが怪しくなり、雪が激しくなる。積雪量
も30cmを越し、蛭ヶ岳まではとても無理と判断し、棚沢ノ頭手前で引き返す。熊木沢に戻った頃は日も暮れかかり、
帰路を急ぐが途中から日もとっぷりと暮れ、新調のヘッドランプ(発光ダイオード製)を点灯する。青白光で車のディス
チャージヘッドランプの様に明るく快適である。結局ロッジには6時半頃到着し、佐藤さん御夫婦に心配をかける。
 ロッジは100人収容可能の大型施設で入浴も可能であり、一泊2食付3800円(冬季は暖房費+300円)と格安である。
本日は平日のせいか宿泊客は我々のみので、これでやっていけるのか心配になる。食事は味ボリューム共値段の割りに
立派であるが、寝具は重く且つかび臭くて頂けない。ただこの値段では贅沢を言うのは無理かとも思う。奥さんは話好
きで愛想が良いが、御歳のせいか耳が一寸遠い。若かりし頃は、檜洞から蛭まで1日で走破されたとの事で、かなりタ
フであった様である。
 翌朝は7時半に檜洞に向け出発する。気温-6℃、愛車のフロントグラスに氷が美しく結晶している。ロッジ裏の橋を
渡り大石山(1220m)へ向かう。ここからいきなり急登が始まる。大石山の由来となった標高1071m地点の巨石が有る辺り
から、積雪が見られるようになる。晴天であれば大石山山頂から360度の大パノラマが得られるとの事で有るが、今回
は富士も雲間に見え隠れするだけである。ここから石小屋ノ頭(1351m)を経て同角ノ頭(1491m)に向かう。急激なアップ
ダウンが続く厳しいルートである。同角ノ頭で休息後、急斜面を下って檜洞に向かう。この辺りから更に雪が深くなり、
極端にスピードが鈍る。目の前に檜洞が望めるが、往復は無理と判断し、中ノ沢乗越手前で引き返す。昨日に続く敗退
であるが、残念な気はしない。同角ノ頭への急坂を喘ぎながら戻る。天候が回復し、ブナの林越に雄大な蛭ヶ岳が望め
る。同角ノ頭で遅い昼食を取る。I氏が器用に葱を刻み、餅入りラーメン(エースコックのワンタンメン)を御馳走して
くれる。北白川の下宿で食べた懐かしい塩味と餅の香ばしさが旨くマッチしている。記念撮影して下りにかかる。
大石山山頂からは姿を露にした雄大な丹沢連峰が望める。檜洞登頂を諦めたため、ロッジには早めの4時頃に到着する。
 佐藤さん御夫婦にお礼を言い帰路に着く。ロッジ先の坂道は一部凍結していたが、チェーンも装着せず登り切る。
途中で停車して不気味な石崩隧道の写真を撮っていた所、I氏が崖上を指差して“熊だ”と叫ぶ。突然のことで、手が
震えて狙いが定まらない。明らかに鹿とは違うが、熊にもカモシカにも見える奇妙な動物である。I氏は目や耳もはっ
きり見たので熊に間違いないと言い張る。暗がりのせいもあり、ファインダ内に手ぶれ警報マークが現れるが、強引に
シャッターを切る。後で写真を確認したが、大ブレで熊かカモシカか判別困難である。ここはI氏の意見を尊重して
“熊”ということにしてロマンを残して置きたい。
 今回は蛭ヶ岳及び檜洞丸共登頂が出来ず何となく消化不良の登山であったが、最後に“熊”と出会うハプニング
も有り、変化に富んだ二日間であった。何時の日にか自然豊かな冬の丹沢に再挑戦したい。

総歩数:1日目:23,500歩
    2日目:18,750歩
登りの厳しさ:★★★

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