*** 2014年10月30日 谷川岳 ***

1.小野子山の朝焼け
(伊香保)
2.ドウダンツツジ1
(土合口駅)
3.ドウダンツツジ2
(土合口駅)
4.ドウダンツツジ3
(土合口駅)
5.谷川岳ロープウェイ
ゴンドラ
6.旧道1
(マチガ沢方面)
7.旧道2
(マチガ沢方面)
8.雑木林の
紅葉/黄葉1
9.雑木林の
紅葉/黄葉2
10.ミズナラの黄葉1
11.ミズナラの黄葉2 12.ヒナウチワカエデ
の紅葉1
13.ヒナウチワカエデ
の紅葉2
14.水上方面山腹
の紅葉1
15.水上方面山腹
の紅葉2
16.西黒尾根登山口 17.雑木林
の紅葉/黄葉3
18.雑木林
の紅葉/黄葉4
19.白毛門山腹
の紅葉1
20.笠ヶ岳/白毛門
21.旧道3
(マチガ沢方面)
22.雑木林
の紅葉/黄葉5
23.雑木林
の紅葉/黄葉6
24.旧道4
(マチガ沢方面)
25.旧道5
(マチガ沢方面)
26.ヒメシャラの紅葉1 27.ヒメシャラの紅葉2 28.白毛門山腹
の紅葉2
29.白毛門山腹
の紅葉3
30.白毛門山腹
の紅葉4
31.マチガ沢出合1 32.マチガ沢出合2 33.トマノ耳1 34.シンセン岩峰1 35.厳剛新道登山口 36.厳剛新道1 37.タカネ
イブキボウフウ
38.厳剛新道2 39.厳剛新道3 40.落葉の霜
41.西黒尾根
&シンセン岩峰
42.シンセン岩峰2 43.笠ヶ岳/
朝日岳/白毛門
44.ミヤマシキミ 45.ドウダンツツジ
の紅葉1
46.ドウダンツツジ
の紅葉2
47.赤い実1
(ツルアリドオシ)
48.マチガ沢大滝1 49.マチガ沢大滝2 50.シンセン岩峰3
51.コミネカエデ1 52.イワカガミ 53.コミネカエデ2 54.コミネカエデ3 55.コミネカエデ4 56.マチガ沢 57.厳剛新道4 58.登山道脇の雪1 59.シンセン岩峰4 60.マチガ沢大岩壁
61.登山道脇の雪2 62.ドウダンツツジ
の紅葉3
63.厳剛新道鎖場1 64.厳剛新道鎖場2 65.厳剛新道の雪3 66.シンセン岩峰5 67.トマノ耳&
オキノ耳1
(厳剛新道)
68.西黒尾根
(ガレ沢の頭)
69.厳剛新道分岐
(ガレ沢の頭)
70.ミヤマニガイチゴ
の紅葉1
71.ミヤマニガイチゴ
の紅葉2
72.アカモノの実1
(ガレ沢の頭)
73.アカモノの実2
(ガレ沢の頭)
74.トマノ耳&
オキノ耳2
(西黒尾根)*
75.氷食地帯1
(西黒尾根) *
76.氷食地帯2
(西黒尾根) *
77.マチガ沢断崖
(トマノ耳) *
78.トマノ耳
(オキノ耳) *
79.一ノ倉沢断崖
(オキノ耳) *
80.大山さん
(オキノ耳) *
81.トマノ耳&オキノ3
(西黒尾根)
82.西黒尾根下り
(ラクダの背)
83.笠ヶ岳
/朝日岳/白毛門2
84.白毛門山腹
の紅葉5
85.武尊山 86.赤い実2 87.蛇紋岩鎖場1
(西黒尾根)
88.蛇紋岩が露出した
ピーク
89.ジョウシュウ
オニアザミ1
90.ジョウシュウ
オニアザミ2
91.笠ヶ岳/朝日岳 92.白毛門山腹
の紅葉6
93.ヒナウチワ
カエデ1
94.ヒナウチワ
カエデ2
95.巨石が露出した
西黒尾根
96.アブラツツジ
の紅葉1
97.アブラツツジ
の紅葉2
98.夕日に染まる
笠ヶ岳
99.雑木林
の紅葉/黄葉7
100.雑木林
の紅葉/黄葉8

 No74〜80 *印部は大山さん撮影

 10月30日(木)、5:50起床。本日も快晴、宿泊した"412号室の窓からは、茜色に輝く"小野子山(標高1208.3m)が望める。この分だと、再訪する"谷川岳"も、絶好の登山日和になると思われる。今回は、体力がある大山さんは、"マチガ沢"から始まる"厳剛新道"から、日本三大急登の一つである"西黒尾根"を経て、谷川岳の双耳峰(トマノ耳&オキノ耳)登頂を目指す計画である。この間の標高差は約1300m、健脚者でも5時間を要する難コースである。但し、滑り易い"蛇紋岩"の一枚岩が露出するルートを、そのまま下るのは危険なので、登頂後は"天神尾根"を経て、ロープウエイで土合口駅まで戻る予定である。大山さんより大幅に体力が劣る私は、同じく"厳剛新道"を取るものの、途中の"第一見晴"にて、"マチガ沢大滝/シンセン岩壁"撮影後に、下山する計画である。
但し、調子が良ければ、更に上部を目指す所存である。
 7:50、"旅館ふくぜん"を後にする。予想外の早い出発となったのは、我々の朝食を、第一優先にして頂いた結果である。また、この宿泊費(?)で二食とも部屋食とは、リーズナブルというよりむしろ価格破壊に近い。考えてみれば、週日に空室になるよりは、安くても部屋を埋めた方が、幾らかの収入になると言うことであろう。余計なことを考えているうちに、伊香保ICが近づいてくる。ここから関越自動車道に入り、一路水上ICを目指す。高速道路を降り、途中のコンビニで昼食を仕入れたのち、国道292号線を土合口駅駐車場へと向かう。駐車場入口にて、大山さんが、係の方に谷川岳情報を確認した所では、山頂付近には積雪があるとか。それを知って、大山さんは急に弱気になったようだが、改めてこれからのルートについて相談することにする。
 9:10、駐車場を後にする。道路沿いの生垣では、昨年同様"ドウダンツツジ"が真っ赤に色付いている。"マチガ沢"に向けて歩き始めると、大山さん自身、谷川岳登頂を諦めかけている様子であったので、代わりに旧道散策を持ちかけたところ、暫し間をおいてから、やはり谷川岳登頂を狙うことにしたとの発言が有る。そこで、少しでも登山時間を確保するため、ここから別行動を取ることにする。私が周辺の紅葉を撮影している間にも、あっという間に大山さんが視界から消えていく。15分程歩くと、左手に日本三大急登の一つである"西黒尾根登山口"が現れる。ここからは、見上げるような急坂が続いており、私の体力では登りはおろか下りでさえ踏破不可能であろう(図らずも、このルートを下山することになる)。湯檜曽川を挟んだ"白毛門"山腹は正に見頃で、紅葉前線も、標高1000m近辺まで降りてきたようである。
 9:50、黄葉のトンネルを抜けると、"マチガ沢"が眼前に迫る。正に絶景、正面には、"シンセン岩峰"が屏風のように聳えている。その左手奥には、昨年登頂した"トマノ耳"が望める。従って、それに繋がる左手の尾根が、あの"西黒尾根"ということになろう。この静かな"マチガ沢出合"にて、レンズを交換しつつ、じっくりとこの光景をカメラに収めたいところたが、先を急ぐ関係で、標準ズームによる撮影に留めおく。
 9:54、マチガ沢出合左手の"厳剛新道"登山口(標高838m)に入る。暫くは、足場の悪い沢伝いの道が続くが、傾斜は緩やかである。第一見晴までの標高差は約300m、私の体力でも2時間もあれば十分であろう。所で、名前からすると、如何にも難コースのように思えるが、その由来は、戦後この新道を開発した水上営林署の竹花"巌"/川中"剛"両氏の名前によるとか。ただ、水上町山岳ガイド協会ガイドマニュアルには、健脚者向けとあり、私にとっては、踏破は困難なルートのように思える。出発から30分程で視界が開け、マチガ沢の大パノラマが広がる。登山道脇には、"ドウダンツツジ"の若芽と思しき紅葉が見られるようになり、それらを撮影しつつ高度を稼いで行く。
 11:12、第一見晴に到着する。"マチガ沢出合"からは確認できなかった大滝が、音を立てて流れ落ちている。その高さについては想像だに出来ないが、何とも壮観であり、ここまで登ってきた甲斐があったと言える。北側には、"シンセン岩峰"が真っ青な空に尖塔を突き立てている。ここまで1時間22分と、予想外の早さである。気分を良くしたところで、"西黒尾根"が比較的近くに見えたので、更にこの尾根まで登ることにする。所が、この先から傾斜が急に
きつくなり、"コミネカエデ"の紅葉を撮りつつ、一歩一歩登っていく。
 11:58、登山道周辺の日陰に、積雪が見られるようになり、高度が上がるにつれて、それが登山道にまで及んでくる。だが、この湿った雪なら、アイゼンも用をなさないので、スリップしないよう、一歩一歩踏みしめるように登って行く。ふと、某君より、トレッキングシューズが異なっても、ソールは殆どVibram製なので、耐スリップ性については靴の差は無いと聞いたことを思い出す。雪面には、大山さんのものと思しき靴跡も残っており、スリップ痕も確認できないので、無事踏破出来た模様である。
 12:39、最初の鎖場が現れる。ただ、一部が濡れており、中々安全そうな足場も見つからない。そこで、カメラとストックをザックに押し込み、自身の四肢を総動員して登りきる。安心したのもつかぬ間、10数分で第二の鎖場が現れる。この岩場には積雪もあり、先程より更に要注意である。ここも何とかクリアすると、最長の第三の鎖場も現れる。たが、撮影する余裕も無くなり、細心の注意を払って、この鎖場とそれに続く鉄梯子を登りきる。改めて見下ろすと、ぞっとするような恐怖が襲う。童謡"通りゃんせ"ではないが、正に「行きはよいよい、帰りは怖い。」である。だが、下る際はスリップの危険性が更に増すので、「怖いながらも、通りゃんせ 通りゃんせ。」ではなく、このルートを避けた方が賢明であろう。
 13:30、西黒尾根直下で恰好の休憩場所を見つけ、ここで遅い昼食を取る。見上げると、左に"トマノ耳"、その右に"オキノ耳"が確認できる。北側には、迫力満点の"シンセン岩峰"が望める。光線の関係で、先程より立体感を増したようである。10分程経ったところで、本日初めての登山者が後ろに迫ってきたので、そろそろ重い腰を上げることにする。
13:46、雪道を巻くように登ると、急に視界が開け、西黒尾根に躍り出る。ここには、"西黒尾根ガレ沢の頭"(標高1516m)なる立派な道標が立っており、尾根伝いの岩峰の先には、"トマノ耳"と"オキノ耳"が顔を出している。日当たりの良い登山道脇には、"アカモノ"が彩りを添えている。だが、これからが思案の為所で、このピークを越え"トマノ耳"を経て天神尾根を下るとなると、ロープウエイの最終に間に合わなくなる可能性大なので、残念ながら、ここから引き返すことにする。但し、この難コースを踏破し、谷川岳の双耳峰をも制覇した大山さんの写真を、御参考までに掲載する。
 13:50、"ガレ沢の頭"を後にする。前述の通り、"厳剛新道"を下るのは危険なので、積雪の可能性が少ない"西黒尾根"を下ることにする。20分程で最初の鎖場が現れるが、予想通り"蛇紋岩"の表面には積雪や湧水は見られない。ただ油断は禁物なので、用心して下ることにする。更に、第二,第三の鎖場を無事下り終え安心したのもつかぬ間、ここからうんざりするほど長い樹林帯が始まる。登山道には巨石が積層状に並び、頗る歩きにくい。大腿四頭筋が悲鳴を上げる中、スローペースで一歩一歩下っていく。
 14:53、大山さんから電話が入る。何と、谷川岳の双耳峰を制覇したとか。齢??にしてこの体力とは、正に脱帽である。この電話中にも、後続の中年女性が、この急坂を駆け降りていく。何とも強靭な脚力であり、正に山ガールの面目躍如というところか。このあとも、落葉が覆う樹林帯を黙々と下っていくが、西黒尾根登山口は中々現れない。
 16:37、木の間から、茜色に輝く笠ヶ岳山頂が見て取れる。標高1000m辺りまで下ってきて、やっと雑木林の紅葉が見られるようになり、登山口が間近になったことが判かるが、それに伴い、急速に色を失っていく。山道の確認も怪しくなってきたので、カメラをザックに仕舞い込み、用心して急坂を下っていく。ふと、羊蹄山の悪夢(2008年9月14日参照)が甦ったが、結局ヘッドライトを使うことも無く、無事この急斜面を下りきる。
 17:20、やっと"西黒尾根登山口"に辿り着く。この間、3時間半も要しており、私にとって如何に厳しい下りであったか、窺い知ることができる。やはり、緩やかな"天神尾根"を下るのが、一番安全且つ足腰の負担も少ないと言えよう。更に、今回のように、調子によってコース変更するのではなく、用意周到な計画のもと、時間に十分余裕を持って行動すべきであろう。今後は無理をすることなく、登山と写真を楽しむように心掛けたい。

登りの厳しさ:▲(厳剛新道登山口〜第一見晴),▲▲▲(第一見晴〜ガレ沢の頭)
下りの厳しさ:▲▲▲(ガレ沢の頭〜西黒尾根登山口)

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