*** 2008年9月14日 羊蹄山初登頂 ***

1.羊蹄山1
(京極手前)
2.羊蹄山2
(京極手前)
3.羊蹄山3
(京極)
4.羊蹄山登山口
駐車場
5.羊蹄山
京極登山口
6.京極登山道1 7.京極登山道2 8.ツタウルシ1 9.ツタウルシ2 10.ツタウルシ3
11.ダケカンバ
の大木
12.ヤマハハコ1 13.ヤマハハコ2 14.ツルリンドウ 15.ヤブコウジ?
(またはツルシキミ?)
16.ウラジロ
ナナカマド
の実
17.タカネナナカマド
の紅葉1
18.道南の山々 19.樽前山遠望 20.恵庭岳遠望
21.尻別岳越し
の徳舜瞥山
22.曲がった
ダケカンバ
の登山道
23.ウラジロ
ナナカマド
の紅葉2
24.タカネナナカマド
の紅葉3
25.8合目付近の急坂
26.紅葉1
(ハイオトギリか)
27.紅葉2
(ハイオトギリか)
28.紅葉3 29.コケモモの実1 30.コケモモの実2
31.紅葉4
(ハイオトギリか)
32.紅葉5
(ハイオトギリか)
33.ダケカンバ
の黄葉
34.ガレ場1 35.ガレ場2
36.ガレ場の黄葉1 37.ガレ場の黄葉2 38.ウラジロ
ナナカマド
の実
39.ガレ場の紅葉 40.ハイマツと
ウラジロ
ナナカマド
41.羊蹄山外輪山1 42.羊蹄山
クレーター
43.羊蹄山外輪山2 44.干上がった
羊蹄山火口湖1
45.干上がった
羊蹄山火口湖2
46.京極ピーク1 47.京極ピーク2 48.真狩ピーク1 49.真狩ピーク2 50.道南の山々
の夕暮れ
(5合目付近)

 9月14日(日)、好天に恵まれたため、"紅葉と名水"を求めて、京極(羊蹄山の東側)に向かう。思えば、3年半前に室蘭に赴任以来、何度となく羊蹄山(標高1898m)を写真に収めてきたが、何時も真狩村の麓、或いは遥か遠くから、その雄姿を追うだけであった。謂わば、近寄りがたい美女を、遠くから眺め、写真に収めるだけで、満足していたようなものである。言い換えると、登山のガイドブック情報(最高難度★★★)を鵜呑みにし、最初から自分には無理と、諦めているに等しかった。ただ、8月末の鈴木さん/栗山さん御一家との道南旅行で、甘露な湧水の由来を知るに及び、チャンスがあれば、是非一度山頂の水神様のご尊顔を、拝したくなった。
 目覚めると、我が拙宅の窓にも、太陽が燦燦と降り注いでいる。このチャンスを逃してはなるまいと、早速身支度をして、車に乗り込む。ナビで、目的地を京極にセットすると、最短コースで85kmとでる。一般道を走れば、約2時間というところであろうか。ただ、途中寄り道していては、とても登頂は無理なので、観光地には目もくれず、一路京極を目指す。喜茂別を過ぎ、山道に入ると、羊蹄山の頂に懸かっていた雲が取れ、眼前にその雄姿を現す。ここで、少し道草をしたが、登山口手前の駐車場には、11時半頃到着する。3連休の谷間とあって、狭い駐車場は、10数台の車で満杯状態である。それでも、この一角に何とか場所を確保して、勇んで出発する。畑に乗り捨てられた、FORD製トラクターを横に見て、砂利道を10分程進むと、登山口(標高約400m)の標識が現れる。ここから、林間コースが始まるが、既に12時前であり、登頂は極めて困難な状況である。それでも、絶景を求めて、行ける所まで行くことにする。
 登るにつれ、カラマツに絡まった"ツタウルシ"が、多く見られるようになる。ただ、色付き始めたばかりで、一部は既に枯れかかっている。その後、順調に高度を稼いで行き、約1時間で4合目(標高940m)に到着する。この辺りから、山道の両脇に、"ヤマハハコ"が見られるようになる。一方、山道の谷を隔てた北側斜面には、"ダケカンバ"の大群落が見られる。まるで、烏賊の足の様に曲がりくねっており、しかも、20〜30mもありそうな大木ばかりである。強風と豪雪に、鍛えられたせいであろうか。
 6合目(標高1321m)を過ぎた辺りから、東の彼方に、道南の山々が展開する。300mm望遠に交換すると、尻別岳(標高1107)山頂が真近かに迫る。その奥の鋭利な山は、徳舜瞥であろうか? その左手には、樽前山,恵庭岳と続く。7合目手前まで来て、ふと時計を見ると、14時半を指している。思いのほか、時間がかからなかったので、この分だと、登頂できそうな気がしてくる。そこで、挨拶がてらにI氏に連絡を入れたところ、15時半位までに下山しないと、日没のため、帰還が危うくなるとのこと。流石に、冷静沈着なI氏である。彼の貴重なアドバイスを肝に銘じ、先を急ぐ。ただ、7合目を過ぎた辺りから、傾斜が更にきつくなり、中々ピッチが上がらない。道自体は、軽いジグザグを繰り返しているのだが、私には、まるで直登ルートのように思えてくる。ガイドブックの通り、確かに★★★である。
 8合目(標高1620m)を通過したのが、15時10分。ここですれ違ったカップルに、山頂までの所要時間を伺ったところ、ガレ場まで40〜50分,ガレ場通過に更に30分とのこと。従って、登頂推定時刻は、若者のペースで16時半頃、私の場合は、17時を過ぎる可能性がある。本来なら、I氏の忠告を聞いて、ここで引き返すべきであるが、素人の浅はかさ、中々その気になれない。むしろ、折角ここまで来たのだから、何としても、山頂の水神様に会いたくなる。16時丁度、何とかガレ場に到着する。この急斜面に、へばりつくように、"ウラジロナナカマド"が、大群落を作っている。既に過半数は落葉しているが、点在する"ハイマツ"とのコントラストが、何とも美しい。更に、300mm望遠に切替えて、真っ赤なナナカマドの実を狙おうとしたが、足元が定まらず、ずり落ちて行く。ふと、先程すれ違った女の子から、「ガレ場は滑りやすくて危険なので、気をつけて下さい!」と言われたのを思い出す。やはり命の方が大事なので、愛機とステッキをザックにしまいこみ、ルートに設けられたザイルを伝って、この急斜面を登りきる。
 16時20分、ついに山頂の縁に辿り着く。眼下には、巨大なクレーター(直径約700m×深さ約200m)が口を開けている。ただ、中は空っぽで、水神様も、何処かに引っ越されてしまった様である。湧水の水源池を実際に訪れ、暫し感慨に浸ろうと思っていたのに、少々残念である。だが、眼前の溶岩塊・京極ピークは、実に迫力満点である。フリー百科事典によると、最後の噴火が、約6000年前とのことであるが、俄かに信じ難い。風化もせず、毅然と立って姿に、神々しささえ覚える。早々に、この光景を写真に収め、下山しようとしていたところ、ご一行様が此方に向かってくる。そこで、登頂の証拠写真を撮って頂くため、暫しここで待ち受ける。聞けば、何と愛媛からの男女4人組で、本日9合目の非難小屋に宿泊されるとのこと。私が、これから下山すると言うと、吃驚しておられる。私自身、この意味を深刻に捉えていなかったが、その後、思い知らされることになる。16時半、山頂を後にする。
 今回、9月の3連休の中日に、単独で羊蹄山に挑戦した。予想に違わず、ハードな登山となったが、最後まで登りきり、久しぶりに充実感を味わうことができた。だが、復路は、5合目辺りで日没を向かえる羽目になり、その後は、I氏の予想通りの展開となった。今でも、無事帰還できたのが、不思議でならない。改めて、羊蹄山の水神様とI氏に感謝申し上げると共に、今後は時間に余裕を持って行動することを、お誓いしたい。

総歩数:約25,000歩
登りの厳しさ:▲▲▲(7合目以降)

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