*** 2014年9月30日 愛鷹山の秋 ***

1.位牌岳&越前岳 2.愛鷹山越前岳 3.登山口の急階段 4.アザミ 5.アキノ
タムラソウ1
6.ノコギリソウ1
または
シロヨメナ1
7.ゲンノショウコ1 8.ゲンノショウコ2 9.ノイバラの実1
10.ノイバラの実2 11.ノコンギク1 12.ノコンギク2 13.コウゾリナ 14.ミヤマ
アキノキリンソウ1
15.富士山&
十里木方面
16.アブラチャンの実 17.愛鷹山越前岳1 18.ノコギリソウ2
または
シロヨメナ2
19.トリカブト1 20.トリカブト2 21.ノコギリソウ3
または
シロヨメナ3
22.ノコギリソウ4
または
シロヨメナ4
23.愛鷹山越前岳2 24.リョウブの紅葉1 25.リョウブの紅葉2 26.トリカブト3 27.トリカブト4
28.ノコギリソウ5
または
シロヨメナ5
29.ノコギリソウ6
または
シロヨメナ6
30.トリカブト5 31.ヤマボウシの実1 32.ヤマボウシの実2 33.トリカブト6 34.トリカブト7 35.トリカブト8 36.ガマズミの紅葉1
37.ガマズミの紅葉2 38.ヒメシャラ(?)
の紅葉1
39.ヒメシャラ(?)
の紅葉2
40.ミヤマ
アキノキリンソウ2
41.ミヤマ
アキノキリンソウ3
42.馬ノ背の登り 43.ツタウルシ
の紅葉1
44.樹林帯の急登1 45.ミヤマシキミ
の実1
46.ミヤマシキミ
の実2
47.ミヤマシキミ
の実3
48.ミヤマシキミ
の実4
49.アキノ
タムラソウ2
またはヤマハッカ
50.樹林帯の急登2 51.ガマズミの紅葉1 52.ガマズミの紅葉2 53.広葉樹林帯 54.リュウノウギク
55.ガマズミの実1 56.ガマズミの実2 57.ツタウルシ
の紅葉2
58.ツタウルシ
の紅葉3
59.ツタウルシ
の紅葉4
60.ツタウルシ
の紅葉5
61.ヤマアジサイ1 62.ヤマアジサイ2 63.ヤマボウシの実3
64.笹林の急登 65.オオカメノキ
の紅葉
66.ナナカマドの実1 67.ナナカマドの実2 68.ナナカマドの実3 69.コミネカエデ
の紅葉1
70.コミネカエデ
の紅葉2
71.コミネカエデ
の紅葉3
72.コミネカエデ
の紅葉4
73.愛鷹山越前岳山頂 74.濃霧の
勢子辻尾根1
75.濃霧の
勢子辻尾根2
76.濃霧の
勢子辻尾根3
77.アシタカツツジ
(?)の紅葉
78.リンドウ1 79.リンドウ2 80.リンドウ3 81.リンドウ4
82.リンドウ5 83.倒木の新芽1 84.倒木の新芽2 85.朽木の苔1 86.朽木の苔2 87.シダの若芽 88.ブナの大木 89.ガマズミの実1 90.ガマズミの実2

 9月30日(火)、来月14/15日の福島・一切経山(標高1948.8m)/安達太良山(標高1700m)の前哨戦として、富士山の真南に位置する"愛鷹山"(標高1504m)に、略一年ぶりに挑戦する。十里木登山口と最高峰越前岳間の標高差は、先日の大倉尾根の堀山の家までと略同等であり、体力を比較するには恰好の山である。
 10:37、十里木駐車場を後にする。天気予報では本日は快晴であったが、残念ながら、富士の裾野から上は厚い雲に覆われ、姿を見せる気配は全く感じられない。それでも、途中で雲が晴れるのを願って、最初の急階段を黙々と登っていく。途中の日当たりの良い場所には、キク科の花(シロヨメナ?)や紫色の"アキノタムラソウ"が見られる。カヤトに覆われた日蔭では、薄紫の"ノコンギク"がひっそりと咲いている。そうこうするうちに、展望台が現れるが、昼食には少々早いので素通りし、灌木地帯を進むと、足下に独特の形をした"トリカブト"が多く見られるようになる。全体的には薄紫色が殆どだが、中には濃紫色のものも確認できる。ふと、オーストリアの名峰Loser山(2002年7月13日参照)のトリカブトを思い出す。当時、御一緒したDr.G.Krisperによると、中世ヨーロッパに於いても、トリカブトの猛毒が毒矢に用いられていたとか。一方、Wikipediaには、毒矢の文化圏を、(1)東北アジア/シベリア/アラスカ,(2)東南アジア,(3)アフリカ,(4)南アメリカの4地域に分類しているが、先史以来群雄割拠した欧州が欠落しているのは、論理矛盾と言わざるを得ない。我に返ると、頭上に真っ赤な果実が目に留まる。表面の突起からして、先日大倉尾根で見かけた"ヤマボウシ"に間違いなかろう。この光景を写真に収めていたところ、背後から「ヤマボウシですか?」と声をかけられる。振り向くと、下山中の男女4人の中高年グループであるが、その中の一女性が、植物に御詳しそうである。それにしても、近年山ガール(登山女子の方が相応しい?)の進出は、凄まじいものがある。
 11:40、"笹峰"の展望台に到着する。晴天なら、この正面に、雄大な富士が大きく裾野を広げているはずだが、相変わらず厚い雲に姿を隠したままである。それでも、富士と対面する形で座り、ここで早めの昼食を取ることにする。一番山寄りのテーブル上には、数個の"ヤマボウシ"の実が、無造作に置かれている。まさか先程の方々じゃあるまいが、人が齧った様な跡もあり、マナーの悪さに閉口する。ここで、10分間程休憩したであろうか。少々体が冷えてきたので、そろそろ重い腰を上げることにする。この先の"馬ノ背"から、愈々急登が始まる。巨石が露出した急坂を越え、薄暗い尾根道を黙々と登っていると、下山中のグループとすれ違う。その御一人から、「頑張って下さい!山頂で暫く待っていると、富士山が姿を現しますよ。」と励まされる。その声に奮い立ち、気合いを入れ直したものの、中々ピッチが上がらない。どうやら、最初の急階段で焦ったせいで、ペースを乱してしまったようである。
 12:37、"ミヤマシキミ"の群落地帯を通過する。今が正に見頃で、真紅の実が実に艶やかである。ところで、昨年11月初日に訪れた際にも、同様の光景が見られたが、今年は冷夏の影響で、熟する時期が一ヶ月程度も早まったのであろうか。更に登ると、やや荒れた登山道脇には、紅葉し始めた"ツタウルシ"が、朽木にへばり付いている。ただ、何れも道南のそれに比べて小振りで、生樹に絡みつき絞め殺す勢いは無さそうである。山頂に近づくにつれ、赤く色付いた"ナナカマド"の実や、"コミネカエデ"が見られるようになる。また、台風17号の影響か否か不明だが、葉先が縮れて枯れてしまったものも多く、何となく痛々しい。何れにしても、今年の紅葉は、昨年より早まっているのは確かであろう。
 14:05、やっと越前岳山頂に到着する。残念ながら、これまでの最長となってしまったが、今の体力では致し方あるまい。山頂周辺には、可憐な"リンドウ"が開花しており、まるで苦労して辿り着いた登山者を祝福しているかのようである。そうこうする内に、富士見峠側から一人の若者が姿を現す。軽く会釈をしたのち、「こりゃ駄目だな!」と呟いたあと、濃霧の"呼子岳"へと去っていく。視界不良の中、痩せ尾根を走り下るとは、周辺の登山道を知り尽くした、かなりのベテランであろう。一方、勢子辻尾根側からも霧が舞い上がり、山頂付近を覆う勢いになってきたので、私も元来た道を下山することにする。

登りの厳しさ:▲▲〜▲▲▲(一部▲)
総歩数:9,693歩

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