*** 2013年11月6日 谷川岳初登頂 ***

1.紅葉1
(水明荘307号室
から)
2.紅葉2
(水明荘307号室
から)
3.利根川上流1 4.利根川上流2 5.大山さん
(水明荘前)
6.ゴンドラ 7.ダケカンバ
の黄葉1
(ゴンドラから)
8.滝
(ゴンドラから)
9.ダケカンバ
の黄葉2
(ゴンドラから)
10.ダケカンバ
の黄葉3
(ゴンドラから)
11.ペアーリフト 12.谷川岳1
(天神峠)
13.白毛門山1
(天神峠)
14.笠ヶ岳の雪
(天神峠)
15.谷川岳2
(天神峠)
16.谷川岳3
(天神峠)
17.霜柱1 18.ナナカマドの実1 19.ナナカマドの実2 20.ナナカマドの実3
21.谷川岳4 22.武尊山1 23.武尊山2 24.木の階段 25.ナナカマドの実1 26.ダケカンバ
の樹皮
27.イワカガミ
の紅葉1
28.吾妻耶山1 29.ミヤマキシミの実 30.最初の鎖場
31.谷川岳5 32.霜柱2 33.パトロールヘリ 34.大山さん
(熊穴沢避難小屋)
35.熊穴沢ノ頭 36.ロープ場1 37.ウスノキの紅葉 38.ロープ場2 39.スノキの紅葉 40.イワカガミの紅葉2
41.ナナカマドの実2 42.ナナカマドの実3 43.ナナカマドの実4 44.ナナカマドの実5 45.天狗のトマリ場
への急登
46.川棚の頭1 47.天狗のトマリ場 48.川棚の頭2 49.天神ザンゲ岩
への急登
(天狗のトマリ場)
50.赤い実
51.武甲山1 52.武甲山2 53.吾妻耶山2 54.川棚の頭3
(西尾根)
55.オジカ沢の頭 56.武尊山3 57.武尊山4 58.武甲山3 59.川棚の頭4
(西尾根)
60.西尾根1
61.西黒尾根1 62.西黒尾根2 63.谷川岳
肩ノ小屋
64.西尾根2 65.酒井
(トマの耳)
66.大山さん
(トマの耳)
67.白毛門山2 68.オキの耳1 69.西黒尾根と
エゾニュー
70.西黒尾根
北面の雪1
71.マチガ沢出会1 72.マチガ沢出会2 73.紅葉
(トマの耳)
74.オキの耳2 75.西尾根3 76.オキの耳3 77.オキの耳4 78.ザンゲ岩 79.川棚の頭5
(西尾根)
80.武尊山5
81.西黒尾根
北面の雪2
82.西黒尾根
北面の雪3
83.西黒尾根
北面の雪4
84.白毛門山の
紅葉1
85.白毛門山の
紅葉2
86.白毛門山の
紅葉3
87.白毛門山の
紅葉4
88.白毛門山の
紅葉5
89.谷川岳5
(天神平駅)
90.白毛門山3
(天神平駅)

 11月6日(水)、谷川岳登山の朝を迎える。少しでも、登山の時間を確保するため、チェックアウトは昨晩済ませ、今朝も朝食前に荷物を車に積み込む。所で、今回初めKKR水明荘を選んだ理由だが、先ず有名な水上温泉より土合口駅に近いこと、次にOB会員用の優待プランが設定されていたためである。なお、KKRとは国家公務員共済組合連合会の略で、年金/医療施設/ホテル等を運営する巨大組織である。ただ、医療施設とホテルに関しては、一般にも開放されており、その場合1割程度高目になる。
 7:50、早々に朝食を取り、水明荘を後にする。本来なら、ここからロープウエイの土合口駅に直行する所だが、途中にオープンしている店が無いため、一度水上温泉付近のコンビニまで戻ることにする。ここに到着すると、出勤時間帯とあってか、工事関係者が入れ代り立ち替わり訪れている。その間に、我々も素早く買い物を済ませ、土合口駅に向かう。到着すると、駐車場はがら空きで、まだ観光客が動き出した気配は無い。このロープウエイは、土合口駅(標高746m)から天神平駅(標高1319m)迄を約7分で結んでおり、高度が上がるにつれ、"ダケカンバ"と思しき大群落が確認できる。昨日の谷川岳山麓では、"ブナ"が大半を占め、"ダケカンバ"は確認できなかったので、やはり高度によって、縄張りが違うのであろう。そうこうするうちに、天神平駅に到着する。天神尾根ルートは、ここからスタートするが、更にペア−リフトを乗り継いで天神峠駅(標高1510m)まで登り、高度を稼ぐことにする。
 9:10、リフトを降りると、眼前に雄大な谷川岳が広がっている。本日も快晴、真青をバックに、谷川岳が惜しげもなく雄姿を見せている。ただ、天神尾根ルートを目で追って行くと、昨日の"西黒尾根"程ではないものの、思いの他急峻であることが分かる。山頂部分には、"トマの耳(標高1963m)"と"オキの耳(標高1977m)"の双耳峰が確認できるが、距離の関係で、手前の"トマの耳"の方が高く見える。ガイドブックによると、"オキノ耳"まで往復6.6km、所要時間は休憩を入れないで4時間10分とある。従って、事が順調に運べば、"オキの耳"登頂も十分可能と考えられる。ここから、霜柱が溶けて少しぬかるんだ尾根道を、用心して下っていく。遥か東南の空には、優美な山容の"武尊山(ほたかやま、標高2158m))"が浮かんで見える。稜線上では、真っ赤な"ナナカマド"の実が彩りを添えている。更に下っていくと、日蔭では泥道になっていたので、ここでスパッツを装着する。行きかう人から、「これは有効ですね!」と声がかかる。暫くすると、天神平駅からの本道と合流する。この辺りが、このルートの最低点で、"ヤマケイ"によると標高1393mとか。従って、"トマの耳"までの標高差は、丁度570mということになる。この先の木製の階段から、緩やかな登りが始まる。見上げると、"ナナカマド"の実や"ダケカンバ"が多く見られるので、我々が福島を訪問した10月中旬は、極彩色の絨毯に覆われていたと考えられる。ふと足元を見ると、濃紫色の葉が目に留まる。これは、道南のオロフレ山(2009年6月28日参照)で見かけた"イワカガミ"であろうか。最初の鎖場を通過していると、土合口駅方向から、ヘリコプターが上昇してくる。暫く眺めていると、我々の上空を通過し、西尾根へと消えていく。ただ、救難信号を発していなかったので、多分定期的なパトロールであろう。
10:21、熊穴沢避難小屋(標高1460m)に到着する。中は意外と広いが、炊事や宿泊施設は無く、最少の機能しか有していない。小屋内のベンチに座って小休止したのち、登山道に戻る。この先の"熊穴沢の頭"から、愈々急登が始まる。最初のロープ場を何とか登り切ると、10分程で第二のロープ場が現れる。この辺りから、極端にスピードが落ち、後から鈴を鳴らしながら近づいてきた"山ガール"(年恰好から言うと"山レディー")に、道を譲ることになる。それでも、岩場に生える"スノキ"や"イワカガミ"の紅葉を撮りつつ、スローペースで一歩一歩登っていく。その先の西尾根の稜線は、南側が大きく切れ落ち、"川棚の頭"へと続いている。実に迫力満点で、急に近場から撮影したくなる衝動に駆られるが、このペースだと、とても西尾根まで回る余裕はなかろう。一方、天神尾根の先には、"天狗のトマリ場(標高1660m)"の岩場が確認できる。
ただ、"天狗"と言うよりは、"モアイ"にそっくりである。
 11:27、やっと"天狗のトマリ場"に到着する。早速、絶景を撮影しようと岩場に足を掛けた途端、腰から転倒し、命の次に大切なカメラを、岩にぶつけてしまう。遂に愛機をオシャカにしてしまったかと、恐る恐るチェックしたところ、どうやらボディーは無傷のようである。また、マウント部の変形もなさそうで、試撮りの結果でも、異常は確認できない。してみると、フードが先に当ったことで、ボディーへの衝撃が和らげられ、本体には深刻なダメッジを与えなかった模様である。正に命拾いした格好だが、今後は岩場を歩く際は、慎重の上にも慎重を期したい。ここから、更に"天神ザンゲ岩(標高1750m)"を目指す。遥か南方には、噴煙を上げているような山が望める。
大山さんによると"浅間山"とのことだが、何度か撮影しているうちに、噴煙ではなく雲と分かる。後日ネット上で調べた所では、どうやら秩父の名峰"武甲山(標高1304m)"のようである。ふと、若かりし頃、大山さんと共に訪れた"秩父夜祭"の記憶が甦る。帰宅後、改めて古いアルバムを捲ってみると、山頂近くの神社が写っており、その山門には"三峯山"とある。従って、当時は"武甲山"には行かなかったことになるが、何れも秩父の霊山であるのは言うまでもない。機会が有れば、共に"武甲山"も訪れてみたいものである。我に返ると、南西の方角に、台形状の山が望める。山頂は、まるで鉋で削ぎ落とされたような形をしているが、これは"吾妻耶山(標高1341m)"のようである。この辺りも、急登が続き、写真を撮りつつ小休止する。別途撮影画像から逆算すると、なんと斜度23°もあることが分かる。
 12:34、"天神ザンゲ岩"に到着する。時間が時間なので、ここで昼食にする。ただ、これまで休憩を取り過ぎたので、食事を早目に切り上げ、最後の急登に取り掛かる。斜度は、やや上がって24°となり、木が埋め込まれた山道を、踏みしめる様に登っていく。"肩ノ小屋"の手前まで来ると、何と先程の"山レディー"が、鈴音を立てながら下山してくる。以外の早さに驚いていたところ、大山さんと何か立話をしている。聞けば、彼女は"トマの耳"で引き返したとか。何とか"肩の小屋"まで登りきると、西尾根が上越国境沿いに延々と続いている。ふと、川端康成(2011年9月10日参照)の"雪国"の冒頭部分が思い浮かぶ。即ち、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。・・・」であるが、ここで、"長いトンネル"は谷川岳の真下を通る"清水トンネル"を、"停留所"とは同トンネルを抜けた最初の駅である"土樽"を指す。また、今朝傍を通ってきた"土合駅"は、同トンネル内の中間駅と言うことになる。私が、後期の授業(機械技術英語演習特論)のオリエンテーションで、"雪国"を取り上げたのも、何かの御縁であろうか。我に返ると、小屋の営業は終了しており、登山客もその横のベンチで食事をしている。ただ、周辺のマンホールから"芳香"が漂ってきたので、早々に撮影を切り上げ、直ぐ先の"トマノ耳"へと急ぐ。
 13:15、遂に双耳峰の一つ"トマの耳"に到達する。正に絶景、ここからは、360°の大パノラマが広がっている。北方には、もう一つの双耳峰"オキの耳"が望めるが、往復30分以上も掛るため、大山さんと相談の結果、撮影後はここから引き返すことにする。南方の"西黒尾根"を辿っていくと、通称"ザンゲ岩"の先が、急激に落ち込んでいるのが確認出来る。改めて、画像から角度を逆算してみると、斜度50°を優に上回る。一方、山頂からは、垂直の壁がマチガ沢まで1000m近くも切れ落ちており、正に目が眩む光景である。ただ、万一転落して、救難ヘリの御厄介になると拙いので、撮影は差し控えることにする。眼下には、昨日訪れた"マチガ沢出合"も確認できる。ここで、撮影に熱中している間に、あっという間に30分が経過する。スケジュール表を作成した大山さんから、下山の催促が有ったので、そろそろ腰を上げることにする。
 今回は、11月5日/6日の両日、大山さんと共に名峰・谷川岳に初挑戦した。2日目も絶好の登山日和に恵まれ、勇んで出発したものの、途中で失速し、大山さんに御迷惑をかける結果となったが、迫力満点の大自然に出会え、谷川岳の秋を十二分に堪能することが出来た。次回は、大山さんの"記念日"に、共に新たな山に挑戦したい。
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総歩数:約15,807歩
登りの厳しさ:▲▲〜▲▲▲(熊穴沢ノ頭からの登り)  

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