*** 2009年6月28日 オロフレの女神 ***

1.オロフレ山
(オロフレ駐車公園)
2.オロフレ
駐車公園
3.ハクサンチドリ1
(オロフレ駐車公園)
4.オロフレ登山口
(オロフレ展望台)
5.登別方面
(オロフレ展望台)
6.旧道の崩落現場
(オロフレ展望台)
7.ダケカンバの林
(オロフレ展望台)
8.ミヤマキンバイ1
(オロフレ展望台)
9.ミヤマキンバイ2
(オロフレ展望台)
10.ミヤマキンバイ3
(オロフレ展望台)
11.ミヤマオダマキ1 12.ミヤマオダマキ2
13.オオバナ
エンレイソウ1
14.エンレイソウ 15.ミヤマスミレ 16.エゾシモツケソウ 17.ノウゴウイチゴ 18.アカモノ1
19.アカモノ2 20.ヨツバシオガマ1 21.ヨツバシオガマ2 22.ピンクの
イワカガミ1
23.ピンクの
イワカガミ2
24.白色の
イワカガミ1
25.白色の
イワカガミ2
26.ウコンウツギ 27.シラネアオイ1 28.シラネアオイ2 29.ツバメオモト1 30.ツバメオモト2
31.羅漢岩の絶壁 32.チングルマ1
(羅漢岩)
33.チングルマ2
(羅漢岩)
34.チングルマ3
(羅漢岩)
35.チングルマ4
(羅漢岩)
36.ミネヤナギ
37.ベニバナ
イチヤクソウ
38.チシマフウロ1 39.チシマフウロ2 40.チシマフウロ3 41.チシマフウロ4 42.カラマツソウ1
43.カラマツソウ2 44.ハクサンチドリ2 45.ハクサンチドリ3 46.オロフレ山頂
への急登
47.羊蹄山とオロフレ
山頂
48.羊蹄山&尻別岳
(オロフレ山頂)
49.羊蹄山
(オロフレ山頂)
50.徳舜瞥&
ホロホロ山
(オロフレ山頂)
51.昆布岳
(オロフレ山頂)
52.洞爺湖・中島
(オロフレ山頂)
53.オロフレ山稜線 54.オロフレ山
55.羊蹄山方面1 56.羊蹄山方面2 57.羅漢岩の絶壁2 58.羅漢岩の奇岩 59.エゾシマリス1 60.エゾシマリス2

 6月28日(日)、今度は"シラネアオイ"の女神を求めて、オロフレ山(標高1230.8m)に向かう。この山には、何度も出かけているが、その度に新しい発見のある魅力溢れる山である。ただ、本日は朝から気温がぐんぐん上がり、30℃に届くような勢いである。
この炎天下で、登頂を果たせるかどうか不安だが、とにかくオロフレ登山口に向け、車を走らせる。
 室蘭から約1時間で、オロフレ展望台に到着する。絶好の行楽日和とあってか、普段空っぽの駐車場にも、10数台もの車が並んでいる。展望台からの風景を撮り終え、登山口に向かって行くと、猫の額程の草むらに、黄金色の花々が咲き乱れている。
WEB上で調べてみると、どうやら"ミヤマキンバイ"のようである。花を踏まないよう、用心して進むと、今度は面白い格好をした白花が目に留まる。即ち、花弁の裏側が渦巻状になっており、この特徴から、"ミヤマオダマキ"に間違いないと思われる。いずれにしても、人が普段立ち入る場所に、高山植物が繁茂しているのは奇跡に近い。心無い人に踏み荒らされたり、盗掘されたりされないことを、願うばかりである。
 登山道に入り暫く歩むと、今度は"オオバナエンレイソウ"に出くわす。既に花の盛りは過ぎたのであろうか、ガクが萎れて裏側に垂れ下がっている。その隣には、一回り小さい褐色の花が、ひっそりと咲いている。当初、"オオバナエンレイソウ"が枯れ残ったものかと思ったが、改めてWEB上で検索してみると、別種の"エンレイソウ"のようである。木漏れ日が差す場所まで来ると、今度は薄紫色の"タチツボスミレ"の群落が見られる。その近くには、濃い紫色のスミレも見られる。素人目には、別種に思えるが、Aさんに携帯で聞くわけにもいかず、結局不明のままの帰還となった。WEB上で調べた限りでは、"ミヤマスミレ"のようであるが、正解については、"スミレ博士"のAさんに伺う必要がある。潅木地帯を抜けると、山道には"ヨツバシオガマ"が、彩を添えている。またその反対側は、"イワカガミ"が群落を作っている。正に花々のオンパレードである。ただ、この"イワカガミ"を接写するうちに、ピンク以外に白花も混じっていることが分かる。そこで改めて、フリー百科事典を開いてみると、「イワカガミの近種に、コイワカガミ、オオイワカガミ、ヤマイワカガミがあり、・・・・、ヤマイワカガミは、ほかのものと違い、白い花をつける。」とある。従って正しくは、ピンクの花が"コイワカガミ"、白花が"ヤマイワカガミ"というところか。日当たりの悪い潅木地帯に入ると、やっと"シラネアオイ"が姿を現す。ただ、こちらも最盛期を過ぎており、色褪せた数輪が残るのみである。
樹林帯を抜けると景色が一変し、荒々しい"羅漢岩"が眼前に迫る。崩落が進み、登山道を半歩踏み外すと、正に千尋の谷底である。恐る恐る覗き込むと、この崖淵にも、"チングルマ"が、へばりつくように咲いている。何という生命力であろうか。ところが、登山道周辺を見渡しても、チングルマは全く見当たらない。盗掘されてしまったのか、それとも環境が異なるせいなのか、理由は不明だが、前者でないことを祈るばかりである。
 "ハイマツ"帯を抜けると、ここから急登が始まる。ふと足元を眺めると、小型の"ユキノシタ"のような、朱色の花が目に留まる。何とも愛らしい姿である。急斜面には、"チシマフウロ","カラマツソウ"等が、目立つようになる。山頂近くまで来ると、叢の中から紫の花が顔を出す。標高からして、高山植物に間違いないと思われるが、何とも気になる存在である。所が、本日の写真を眺めてみると、何とオロフレ駐車場脇でも撮影している。結局、花の名は"ハクサンチドリ"と判明したが、北海道では、"シラネアオイ"同様、極普通に見かける花なのであろうか。
 汗だくのまま、やっとオロフレ山頂に到着する。心地よい風が吹き抜け、火照った体を冷やしてくれる。北方には、徳舜瞥・ホロホロ連山が、優美な姿を惜しげもなく見せている。一見、稜線伝いに徳舜瞥まで辿れそうであるが、オロフレ山頂から先は、残念ながら道が途絶えている。左に目を転じると、羊蹄山が霞んで見える。望遠に交換すると、鋭利な山容の昆布岳が、雲海に浮かんで見える。更に洞爺湖中島にレンズを向けると、山々の稜線が浮き出し、まるで水墨画のような光景である。満ち足りた気分で、元来た道を下る。
 羅漢岩を過ぎ、"イワカガミ"の群落地点まで戻ってくると、笹薮からガサガサと音がする。すわ"キタキツネ"かと、身構えていると、愛らしい"エゾシマリス"が飛び出してくる。チャンス到来と望遠レンズを向けると、あっという間に叢に隠れてしまう。
この間、僅か数秒程度であったろうか。改めて画像をチェックしてみると、そこそこのピントのものは僅か1枚で、他は全てピンボケである。このカメラ自体、フルHV動画撮影も可能であるが、この機能を生かすためにも、オートフォーカスのレスポンス向上が望まれる。ここから、展望台の駐車場へと急ぐ。
 今回、初夏のような暑さの中、オロフレ山を訪問した。登山開始当初は、若干の不安もあったが、多くの可憐な花や雄大な自然に接し、精気を取り戻した。最後には、"エゾシマリス"が飛び出すハプニングもあり、有意義な休日となった。改めて、"オロフレの女神"に、感謝申し上げたい。

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