*** 2011年4月29日 愛鷹山越前岳 ***

1.越前岳登山口 2.最初の急階段 3.オトメスミレ1 4.シロスミレ?
(オトメスミレ2)
5.白いガ 6.マメザクラ1 7.マメザクラ2 8.十里木展望台
9.雲間の富士山1 10.雲間の富士山2 11.緩やかな登山道 12.アセビの花1 13.アセビの花2 14.アセビの花3 15.雲間の富士山3 16.越前岳1
17.標高1300m付近の
急登
18.スギゴケ1 19.スギゴケ2 20.山頂直下の枯木 21.アセビの花4 22.アセビの花5 23.越前岳山頂にて 24.可愛い地蔵
25.駿河湾方面 26.位牌岳&呼子岳 27.呼子岳 28.建設中の第二東名 29.アザミの新芽 30.ミヤマシキミの
雄花
31.ヤブレガサの
新芽1
32.ヤブレガサの
新芽2
33.マメザクラ3 34.マメザクラ4 35.マメザクラ5 36.マメザクラ6 37.雲間の富士山4 38.タチツボスミレ2 39.タチツボスミレ3 40.マメザクラ7
41.マメザクラ8 42.クサボケの花芽 43.キンポウゲ?1
(キジムシロ類)
44.キンポウゲ?2
(キジムシロ類)
45.越前岳2 46.位牌岳と
越前岳(右) 1
47.位牌岳と
越前岳(右) 2
48.越前岳3

 4月29日祭日、好天に恵まれたので、富士山の真南に位置する"愛鷹山"(あしたかやま)を目指す。永年、箱根・金時山に登るたびに、この特異な形をした山が気になっていたが、その急峻さと距離を考えて、これまで登山を控えてきた。所が、今朝思いの外早く目覚めたため、急遽初挑戦を決める。所で、Wikipediaによると、
"愛鷹山"は"越前岳"(標高1504m)を最高に、"位牌岳"(標高1458m),"呼子岳"(同1310m),"鋸岳"(同1296m)他、9座の峰よりなる山群を指し、その火山活動時期は富士山より古く、40〜10万年前とか。また、この山群を東方から眺めると、鋭利な相似峰からなるように見えるが、これは旧火口の浸食が進み、現在の越前岳と位牌岳が残ったためではなかろうか。何れにしても、中々登山意欲を駆り立てる、見事な山容である。一方、ガイドブックには、標高差644m,所要時間2時間35分とあり、
標高差の割に、時間がかかることがわかる。端的に言えば、それだけ急峻だと言うことであろう。
 6:50、自宅をあとにする。大型連休の初日でもあり、相模川に架かる門沢橋手前は大渋滞と思いきや、信号2回待ちで、すんなりと通過できる。厚木ICから東名高速に入ると、流石にのろのろ運転となるが、伊勢原辺りからスムーズに流れ始め、以降快適なドライブが続く。御殿場ICで高速を降り、469号線を西に30分程ひた走ると、正面に優美な愛鷹山の相似峰が現れる。交差点を右に折れ、この山塊を左に巻くように進むと、有名な"富士サファリーパーク"が現れる。ここを素通りし、別荘地・十里木(じゅうりき)の中心部を過ぎると、左手に登山口となる立派な駐車場が現れる。ここまでの所要時間は、何と予想の半分以下の1時間半、正に"早起きは三文の徳"である。
 8:30、気分良く出発する。たが、最初から見上げるような急階段が、延々と続いている。階段の脇には、数輪のスミレが風に揺れているが、普段良く見かける"タチツボスミレ"とは、花の色形共、違っているように見える。ここは、スミレ博士のAさんに相談するしかあるまい。この花々に元気を貰いつつ、何とか登りきると、普通より一回り小さいサクラが目に留まる。花は真っ白で、下を向いており、この清楚な姿に魅せられる。別途WEBで検索したところ、この地域によく見られる"マメザクラ"とか。成程、言い得て妙である。直ぐ近くの展望台からは、富士山が広大な裾を広げているが、残念ながら、その上は雲間に隠れたままである。
ここから暫く緩やかな坂道が続くが、標高1100m手前から、通称"馬ノ背"の急登が始まる。やはり、思った以上にきつい登りである。ここを、"アセビ"の花の写真を撮りつつ、喘ぎながら登る。一方、この"馬ノ背"一帯には、多くの躑躅が芽吹いており、その根が静脈のように地面を這っている。花の季節(5月末〜6月初旬?)は、さぞかし見事であろう。更に黙々と登ると、西山への分岐点が現れる。そこの標識には、山頂まで20分と記されている。
 10:38、越前岳山頂に到達する。所要時間は2時間08分、意外や、標準時間より少々早目の到着である。広さ10畳程の山頂は、平地が少なく、数組の登山者が夫々絶好の場所を確保しつつ、休憩中である。私はその前に、先陣を排した犬連れのカップルに、登頂の証拠写真をお願いする。次に、斜面の一角にて、早目の昼食を取る。一段落したところで、おもむろに腰を上げ、周辺の風景撮影にとりかかる。北側の富士山は、相変わらず姿を見せないが、南側には、雄大な"位牌岳"が屏風のようにそそり立っている。ここから一旦下って、"呼子岳"を経て、尾根伝いに"位牌岳"に行けそうだが、この間のアップダウンが激しく、踏破するには相当の体力が必要であろう。ガイドブックによると、"呼子岳"から"鋸岳"にかけては、崩落地帯もあり、中々の難コースのようである。一方、遥か西方には、建設中の第二東名が霞んで見える。超望遠で覗いた限りでは、道路表面が未舗装で、開通は当分先のようである。
 そうこうしているうちに、付近の山々が雲に覆われてきたので、11:06、山頂を後にする。引き続き、新たな被写体を求めて、ひたすら下る。光の画家・フェルメールではないが、登りと下りで光線の角度が違う関係で、同じ花でも随分様子が異なる。そこで、逆光に透ける"マメザクラ"を、何枚か試し撮りしてみたが、微妙な花の輝きが消えてしまっている。所で、逆光と言えば、4年前にフランクフルトからの帰国する際に、成田行きNH210便の機内でお会いした、Xさん(詳細2007年3月12〜14日参照)を思い出す。当時、お互いの持参カメラが、同一(CANON EOS5D)であるのに、不思議な御縁を感じたが、帰国後改めてKODAK・HP上の写真を拝見したところ、カルフォルニアの燦々たる海辺を、実に情感たっぷりに捉えられていた。4年余り経った今では、私同様CANON EOS5D MarkUに更新され、今も光を捉えた素晴らしい写真を、撮っておられるのであろう。感慨に耽っている間に、あっという間に展望台まで戻ってくる。ここから、左に迂回して草原を下って行くと、台形状の"越前岳"山頂が垣間見られる。これは、やはり"位牌岳"同様、旧火口壁の名残ではなかろうか。12:50、早目に自宅に向けて車を走らせる。
 大型連休の初日、念願の"愛鷹山"に初挑戦した。生憎、富士山の雄姿は、写真に収めることができなかったが、清楚な"マメザクラ"や"アセビ"の花々にも出会え、有意義な休日となった。次回は、躑躅の花の季節に、是非西丹沢を訪問したい。

登りの厳しさ:▲▲〜▲▲▲(一部▲)

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