*** 2006年9月3日 鷲別岳(室蘭岳) ***

1.水元沢林道1 2.水元沢 3.水元沢林道2 4.エゾノコンギク1 5.エゾノコンギク2
6.ツリフネソウ1 7.ツリフネソウ2 8.ツリフネソウ3 9.オオハンゴンソウ
とヒョウモンチョウ
10.水元沢と
エゾニュー
11.エゾニューと
ヒョウモンチョウ
12.ノラニンジン 13.だんパラスキー場 14.水神社 15.鷲別岳への登山道
16.ダケカンバの林1 17.ダケカンバの林2 18.ダケカンバの林3 19.カムイヌプリ1 20.カムイヌプリ2
21.エゾアジサイ1 22.エゾアジサイ2 23.キツリフネ1 24.キツリフネ2 25.ヤマハハコ1
26.ヤマハハコ2 27.アキノ
キリンソウ類
28.ヒゴタイ類 29.エゾノコンギク3 30.エゾノコンギク4
31.ヨツバヒヨドリ1 32.ヨツバヒヨドリ2 33.室蘭市方面 34.駒ヶ岳遠望 35.鷲別岳(室蘭岳)
山頂
36.雲海1 37.雲海2 38.雲海3 39.ツタウルシ
の紅葉1
40.ツタウルシ
の紅葉2
41.ヤマハギ1 42.ヤマハギ2 43.ネジバナ1 44.ネジバナ2

 9月3日(日)、晴天に恵まれたので、愛機をぶら下げて、今年3度目の鷲別岳(通称室蘭岳:標高911m)に挑戦する。今回も、水元水源池前(標高約110m)に駐車し、ここから林道を延々と歩き、"だんパラスキー場"脇を抜けて、頂上に至るルートを取る。一般的には、白鳥ヒュッテ下の駐車場(標高約400m)が始点となるが、日頃の運動不足を補うには、水源池ルートの方が格好である。所要時間は、前者が約1時間半,後者が2時間半程度である。
 13時50分、水源池前から歩き始める。林道の両脇には、大振りの"エゾノコンギク"が開花している。更に歩むと、水が湧き出す湿地に、可憐な"ツリフネソウ"が見受けられる。この花を正面から見ると、普通の蘭のようであるが、真横から見ると実に趣のある形をしている。即ち、舟形の花袋の真中から一本の竿が斜め後方に延び、その先端が幹に繋がっている。一方、じっくり座り込んで撮影に熱中していると、大きな熊蜂が飛んできて、すっと袋の中に入っていく。今にもちぎれそうであるが、どうしてどうしてこの細い竿が、十分に撓って折れそうにない。当然のことながら、この重みに耐えかねて、落ちてしまうと子孫を残せないわけである。植物は機械構造物と違って、片持梁の柔構造で設計されているようである。
 湿地帯を抜けると、"オオハンゴンソウ"が随所に見られる。"オオイタドリ"同様、猛烈な繁殖力だが、この花に見かけない蝶がとまっている。蝶については花以上に知識がないが、WEB上で調べた限りでは、豹に似た斑点が見られるので、"ヒョウモンチョウ"の一種であろう。結局、各所で道草を食ったせいで、1時間以上も掛かって、やっと鷲別岳への分岐に出る。一方、水元沢を渡る手前で撮影していると、大振りの"エゾニュー"の上で、多くの"ヒョウモンチョウ"が縄張り争いをしている。どうやら、この地域に多く見られる種類なのであろう。
 ここから、薄暗い林の中を黙々と登り、約30分で"だんパラスキー場"の最上部に到る。近くの水神社前で小休止したあと、雑木林の中を一歩一歩登ってゆく。急坂を登りきり緩やかな山道に入ると、小型の"エゾノコンギク"や黄色の"ツリフネソウ"が現れる。改めて、この"キツリフネ"を観察すると、竿一本で実に旨く重量バランスが取れている。正に人間様には真似の出来ない、自然の妙とも言うべき姿である。この先から、見事な"ダケカンバ"の林が10分ばかり続く。
 山頂直下になると、見慣れない小花が目に留まる。小花の周りには繊毛があり、高山植物の一種と推定できる。ふと、中国青海省・日月山(標高3500m)で見かけた"エーデルワイス"(2003-7-27)を思い出す。この時も、斜面を喘ぎながら登っていた際に、急に視界に入ってきたものである。謂わば、花の方から"自分を撮ってくれ"と、現れたような感じである。WEBで調べた結果、やはり高山性の"ヤマハハコ"の模様である。
 最後の急坂を登りきり山頂に至る。途中で何度も道草をしたせいで、3時間弱を要する。山頂からは、眼下に室蘭市内や白鳥大橋,はるか遠くに雄大な駒ヶ岳(標高1131m)が望める。ただ、残念ながらニセコ方面は雲に覆われ、名峰"蝦夷富士"も姿を見せない。この間、沸き立つ雲や雲海を中心に撮影する。結局、"蝦夷富士"の雄姿を求めて20分程留まったが、好転しないので諦めて下山する。
 今回は、先週に引き続き鷲別岳に挑戦した。撮影に熱中する余り、通常の1.5倍程度の時間を要したが、珍しい高山植物にも出会え、十二分にリフレッシュできた。次回は、紅葉真っ盛りの時期に再チャレンジしたい。

総歩数:約20,800歩
登りの厳しさ:★(一部★★)

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