風日誌

治療教育講義・浦沢直樹『PLUTO』ほか


2005.5.14.Sat.

 

・シュタイナーの『治療教育講義』の文庫化
・浦沢直樹『PLUTO』2
・談志の鉄腕アトム朗読
・タイガー&ドラゴン
・チャーリーパーカー
 
長らく絶版になっていたらしい
シュタイナーの『治療教育講義』(高橋巌訳)が
文庫化されて復活した(ちくま学芸文庫)。
しかも、その治療教育をめぐるその時代の状況を記した
エルブレヒト・シュトローシャイン『人智学的治療教育の成立』も収録されている。
たんに改訳・文庫化だけだと購入はもったいない感じがするのだけれど、
やはり貴重な、関係者の証言等は読んでおきたいので早速購入。
 
この『治療教育講義』は、
先日訳された『シュタイナー医学入門』にもあるような医学関係の内容や
農業講座関係の内容とも深く関わってくるところでもあり、
シュタイナーの最晩年に奇跡のように残された講義でもあって、
シュタイナー理解のためには、欠かせないものである。
とはいえ、非常に難しい内容を多く含んでいる。
すでにこれまでに何度も読み返しているのだけれど、
そのたび事に、それ以前に自分の理解していたことのお粗末さを思わせられる。
おそらく今度も同様のことになるのだろう。
そしてそれを繰り返していくことで、
ほんの少しでも理解を深めていきたいものだとあらためて思っている。
 
さて、先日、浦沢直樹のが小学館漫画賞を受賞していた。
ちょうどその『PLUTO』の第2巻目も出たところである。
たしか以前にも浦沢直樹の他の作品が受賞していたように記憶しているが、
今回の候補作等を見てみると、顔ぶれがかなり乏しい。
浦沢直樹が突出しているのか、それとも他のレベルがついてこないのか。
他のジャンルでもそうなのだろうけれど、
やはり「本物」はほんの数えるほどしか出てこないようである。
 
ところで、『PLUTO』は言わずと知れた手塚治虫の
鉄腕アトム「地上最大のロボット」の浦沢直樹バージョンなのだけれど、
少し前に出ていた『笑芸人Vol.16』の落語特集の付録に
立川談志がその手塚治虫の「地上最大のロボット」を
朗読しているCDがついていた。
いったい何を朗読するというのだろうと興味半分で聴いてみたが、
これが、なかなか聴かせる朗読で、さすが談志だ!と腑に落ちる。
 
落語がブームということになっているらしいが、
テレビドラマの『タイガー&ドラゴン』も絶好調だ。
こんな不思議な面白さを持ったドラマもめずらしい。
最初はどうかな?という感じで見ていたのが、
毎週これだけは楽しみになっている。
こういうのもテレビでは久しぶりのことだ。
もちろん、ぼくの落語・エポックもずっと続いている。
飽きない。
 
さて、今日の音楽は、Charlie ParkerのBird And Diz (+3)。
ちょうど、「ほぼ日」に連載中の鼎談「はじめてのジャズ」
(山下洋輔+森田一義(タモリ)+糸井重里)で、
チャーリーパーカーの話題がでていたのと、
少し前にCharlie Parkerの伝記映画Birdを見てみたのもあって、
Charlie Parkerをあらためて聞き直してみることにしようと思い、
とりあえず、Bird And Diz (+3)などをば。
 
「ほぼ日」では、「第18回 ワガママは、許されるのか?」で、
チャーリー・パーカーについて、次のように語られている。
要するに、チャーリー・パーカーほどの天才以外では、
かっこつけのようなワガママはただの傲慢であるということ。
 
	山下 むちゃくちゃやってる人がいるとします。
	「あいつは天才だから許されるんだ」
	といわれているとします。
	でも、ぼくは「天才じゃねぇよ」と思う。
	「あのぐらいのやつのくせに、
	 そんなことはできない、傲慢だよ」と。
	いつもそう思っちゃうんです。誰に対しても。
 
	カラヤンが何かすっぽかしたとしても。
	カラヤン程度でそんなことをしていいの?と。
	人の楽器を吹いて、
	そのまま質屋に入れちゃう人もいるんだけど。
	糸井 (笑)たとえば、
	チャーリー・パーカーなら
	オッケーなんですか?
	山下 オッケーですね。
	そのぐらいのスゴイ才能ならば。
 
 

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