風日誌

個人情報保護法/ショスタコーヴィチ『交響曲第4番』


2005.1.24.

 

・個人情報保護法
・ショスタコーヴィチ『交響曲第4番』
 
今年の4月1日から個人情報保護法が施行される。
それに関するちょっとしたセミナーを先週末に受けてきた。
情報産業の多くは「プライバシーマーク」を取得しているか、
施行までの取得に向けてすでに動いている。
なにやらものものしい感じがする。
 
勝手にDMが送られてきたりするような、
情報の無差別的な流用がいらだたしいのはもちろんだし、
そのためにも個人情報が勝手に使われないようにする、
というのは大事なことではあるのだが、
要はその裏で進行していることである。
そしておそらくそのほうが、これから私たちに
さまざまな形で影響を与えてくることになるのだろう。
佐野眞一はこの法律は後になってみると
かつての「治安維持法」のようなものだとわかるだろう、
ということを言っていたと思うが、ちょっと怖い感じがする。
 
法律として明文化されるということは
その明文化されたものに基づいて、
その当初の意図を超えた働きをもつようになる。
弁護士にあれほど多くの仕事があるということは、
法律の枠組みに詳しくなるということで、
それを道具にしてさまざまなことが可能になるということだ。
 
法律に基づいた平等ということは、
それだけが暴走すると法律に疎いものほど
法律に苦しめられる可能性が高くなるということでもある。
シュタイナーの社会有機体三文節化の考え方は、
法律における平等だけではなく、経済における友愛、
そして精神における自由を唱っているが、
単なる自由、平等、博愛それぞれだけだと社会はゆがんでしまう。
精神のない法律、友愛のない法律などを考えてみよう。
それは、愚かで恐怖に満ちたものだ。
むやみにプロパガンダされる自由や友愛、平等というのも同様である。
 
さて、今日の音楽は、ショスタコーヴィチの交響曲第4番。
 
ショスタコで有名な交響曲は第5番「革命」だが、
これはソ連で、1936年、オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
に対する批判を受け、作曲家生命が危うくなりそうだったときに作曲され、
結局、1961年まで初演されなかった作品である。
今手元にあるものは、キリル・コンドラーシン指揮、
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団による演奏。
 
大変な状況であれだけの活動を続けたショスタコーヴィチ。
しかし、その後継者とされたりもするシュニトケもそうだが、
ソ連のあの時代には不思議に優れた作曲家が輩出している。
演奏家もそうだ。
どうしてなのだろう。
 

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