風日誌

台風と地震/村上春樹/BCJ


2004.09.08

 

風日誌2004.09.08
 
・台風と地震
・村上春樹『アフターダーク』
・バッハコレギウムジャパン・バッハカンタータ第25集
 
今朝はこちらは比較的さわやかな一日になったが、
すさまじい台風だった。
 
広島のデザイナーに今朝までに頼んでいた仕事が
できてきてなかったので問い合わせてみると
昨日は停電になってパソコンが使えなかったとのこと。
60メートルを超える風速というのも
ちょっと想像がつかないが、
宮島も大きな被害を受けたようである。
 
地震もかなり大きめのものが発生したりもしたし、
ロシアではあの悲惨な事件が起こったばかりだし、
アメリカでは相変わらずのブッシュだし、
そういうことだけを考えていると気が滅入ってくるが、
そういうなかでこそ、静かに何かが
生長しているのかもしれない。
それをききとるために、しっかりと耳を澄ませることにしたい。
 
ところで、昨日は、村上春樹の新刊『アフターダーク』がでた。
うれしい。
まさに「ダーク」の「アフター」で、夜中から朝にかけての話。
これまでの作品とは少し語りのアプローチが変化しているように感じる。
まるで読者に代わってカメラをまわしてリアルタイムで映画を撮影しながら
物語をじっと見ているような、そしてそれを読者に意識させないではいない、
というようなそんな視点がある。
そういう視点を通じて、物語とともに、
静かに静かに、意識の変容を誘っているような、そんな気配を感じる。
・・・そういうことはともかくとして、とても面白い一気読みの物語である。
 
ところで、挟み込まれていたチラシに「作家デビュー25周年」とある。
『風の歌を聴け』は、そうなんだ、もう25年前なんだ。
ぼくが村上春樹を読み始めたのは、2作目の『1973年のピンボール』出たころで、
面白かったので、ちょうど文庫化されていた『風の歌を聴け』を読み、
ほどなくして出た『羊を巡る冒険』でいわばファンになった。
そういえば、『風の歌を聴け』以外はすべて新刊で読んでいることになる。
長いような、あっという間だったような。
時間が変えてくれるものもあれば、
時間にかかわらず変わらないもの、変わりにくいものもある。
ひとつひとつチェックしてみるのもいいかもしれない。
たとえば、村上春樹の主要作品の年表に平行させて
自分の新しい何かを書き込んでみる。
そしてその上で、変化したものと変化してなさそうなものをチェックしてみる・・・。
 
さて、うれしいついでにいえば、
バッハコレギウムジャパンのバッハカンタータ第25集(輸入盤)が
少し前に入荷したので、早速繰り返しきいている。
この巻は第25集ということで、ボックス仕様の「JUBILEE  EDITION」となっていて
記念の?カラー冊子がついていて、価格は変わらない。
この巻でこれまでと少し変わっているのは、
カウンターテナーに新顔のDANIEL TAYLORが参加していること。
なかなか素敵な声をしていて、気持ちよく聴くことができる。
 
 

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