風日誌

台風16号一過/オリンピックとメダル戦争ほか


2004.08.31

 

・台風16号一過
・オリンピックとメダル戦争
・スポーツ
・「スパイゾルゲ」
・「アッシリア・レリーフへの招待」
・シュタイナー関連新刊「こころの不思議」
 
今年は台風が多い。
昨日は台風16号が吹き荒れていった。
 
朝晩は少し涼しくなってきたので
今度の台風で涼しくなるのかと思いきや、
やっぱり日中はまだまだ暑い。
一年を円とするとほとんど180度対極の冬に生まれたぼくには
少しばかりつらいところがある。
 
今度のオリンピックでは
ほんとうに何年ぶりかというか
何十年かぶりでよくテレビを見ることになった。
個人的にいえば「スポーツ」そのものが
そんなに興味をひくものではないけれど
ある種のエンターテインメントとしてみれば
それはそれなりに楽しめるものではある。
しかし若くして現役をすぐに引退することになる類の
スポーツ競技というのはやはりどこかなじめないところがある。
「メダル」をめぐるさまざまについてはそれなりに感動もなくはないが
ぼくのような憂鬱質系にとっては
ちょっとばかり面倒くさいメンタリティといえばいえる。
お国別のメダル合戦というのも疲れる。
国別メダル獲得数というのもやはりシラケルところがある。
 
とまあ、そんなこんなのなかで
沢木耕太郎のようなルポはわりと好きで読んだりはしているし、
村上春樹が「シドニー」で書いていたようなものも面白く読める。
要は、ぼくがあまり闘争的ではないというだけのことかもしれない。
ぼくの思いこみかもしれないイメージでいうと
スポーツというのは春〜夏生まれのO型という感じだけれど、
それはひょっとしたら「ほぼ日」で今連載している
O型の「いつもさみしい問題」と通じるところがあるのかもしれない。
 
このところ日誌を書いてなかったのと
今日で8月の終わりということもあるので、ついでに少しいろいろ。
 
NHKのBSで「スパイゾルゲ」をやっていたので
映画館で見損なったのもあって見てみたらがっかり。
これはやはり役者の問題ではなく、マズイのは台本そのもの。
蛇足がたくさんあるので、1時間ほど短くしたら
もう少し見られるものになるかもしれない。
とくに音楽の「イマジン」はやめてほしい。
見ながら思ったのは、むしろゾルゲを捕まえた検察側の人物からの視点で
描いてみたらどうなのだろうかと思ったりした。
 
岡山市立オリエント美術館で「アッシリア・レリーフへの招待」
という特別展示が8/29までだったので、先週仕事のついでに見てきた。
古代オリエントにおいて圧倒的な軍事力をもっていたアッシリア。
その文化を代表するレリーフ(浮き彫り)の数々。
イラク文化とも関係しているものだったので、
現在のイラクについての展示もあった。
シュタイナーは古代における戦争の重要な意味について述べているが
現代における戦争というのはどうなのだろう。
戦争がなくては変わらない政治体制や文化状況があるのは確かだが、
別の形で可能にならないのだろうか。
少なくとも現代においては、
ただの戦争フリークのような人間ばかりいるわけでもなく、
ただの無邪気な平和主義者だけがいるのでもない。
少なくともかつてよりは多面的な視点をもった
意識的な人たちは確実に増えているのではないかと思うのだ。
その可能性については最大限目を見開いて見ておくようにしたい。
 
さて、シュタイナーの新刊『こころの不思議』(西川隆範訳/風濤社)が出た。
数えてみると、風濤社のシュタイナーのシリーズもこれでちょうど10冊目になる。
相変わらず、いろんな講義のなかから集めたもので
連続講義のような形でしか理解しがたいものとしては残念だが
少なくともシュタイナーの講義が読めるのはうれしい。
しかし「編訳者はしがき」はあまり参考にしないほうがいいかもしれない。
できればシュタイナーの講義そのものを直接読んだ方が
シュタイナー理解のためにはいいのではないかと思う。
その上で自分なりにさまざまな問いを持ったほうがいい。
 
 

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