風のメモランダム

若冲


2005.7.9.Sat.

 

○若冲、礼賛!
○若冲、礼賛!
○子どもでもわかるような勝ち負けになんの意味がある?
 
 
■若冲、礼賛!
 
島根県立美術館で明日まで開催されている
「若冲と琳派―きらめく日本の美―細見美術館コレクションより」に
今日、ぎりぎりセーフで出かける。
やはり若冲はすさまじくすごい。
あのニワトリのダンスはなんなんだ。
若冲の繰り出す筆のダンスは筆舌に尽くしがたい迫力というか遊戯。
なんだかものすごい体験をした気分である。
久しぶりの遠出だったけれど、十二分に価値はあったと思う。
 
コレクション展のなかの「北斎・広重版画」もなかなかのもの。
北斎の瀧、広重の雨。
なんど見てもどきどきである。
 
松江に出かける途中、以前同様、安来市の
菓子舗「浜重」の「紅梅」を購入もでき、
雨模様ではあったものの、充実の一日になった。
 
■バッハコレギウムジャパン/J.S.バッハ 教会カンタータ全曲シリーズVol.28
 
BCJのバッハ教会カンタータ全曲シリーズの
第28集(〜ライプチッヒ1724-12〜 )が日本上陸(BIS  SACD-1451)。
この巻からSACDにも対応したものとなり、
ジャケットのデザインも変更され、ハードケースの形も変わった。
 
収録曲は、
「来たれ、異邦人の救い主」BWV62
「幸いなるかな、神に身を委ねる者」BWV139
「ああいかにはかなく、ああいかに虚しきものよ」BWV26 
「汝、平和の君イエス・キリスト」BWV116
 
ソリストは、
野々下 由香里(ソプラノ)
ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)
櫻田 亮(テノール)
ペーター・コーイ (バス)
 
ロビン・ブレイズが登場するのは久々。
今は、この4人のメンバーがいちばんだと個人的には思っている。
演奏はあいかわらずの素晴らしさ。
 
今は年に3〜4枚程度の発売なので、
完結まではまだまだ7〜8年はかかるのではないかと思われるが、
こうして少しずつ楽しんでいけるというのはなんとうれしいことか。
 
■だいたい子どもでもわかるような勝ち負けになんの意味がある?
 
上記の言葉は、『池袋ウエストゲートパークIII/骨音』より。
 
しかし、世の中は、そういう勝ち負けで動いているところがある。
おそらくそういう勝ち負けが無効になってしまったら、
というか無効であるということにみんなが気づいてしまったら、
世の中はその時点である種の活力を失ってしまうことになるのだろう。
 
ほんとうはそこからしか何も始まらないのだけれど、
そういう勝ち負け幻想があるからこそ
多くの人は生きていく力を保持できるのだろう。
そしてその力こそが、この地上そのものの存立と関わっている。
 
だから、フーリガンは暴れ、野球の勝ち負けをめぐって暇がつぶされ、
そうすることで、ある種の人は、世界をさまざまな色で染めることができる。
 
つまり、こういうことだ。
人は、「子どもでもわかるような勝ち負け」にこだわる力によって
この地上で生きていくことができるところがある。
そしてそれへの依存度を高めることで空虚さを感じないですむし、
その勝ち負けをめぐるさまざまは格好のエンターテインメントにもなる。
問題は、すでにそれが必要でなくなったときにも、
その幻想を手放すことができないということだ。
むずかしい問題である。
 
 

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