風のトポスノート525

 

アローン


2004.11.10

 

	宇梶 ALONEは、ALL ONEを
	   ひとつにした言葉なんですよ。
	──  くっつけて縮めると?
	宇梶 ひとつがすべてですべてがひとつ。
	   「ひとり」というものが不明確なものは、
	   全体像をつくれないということなんです。
	   ひとりひとりがいるから全体ができていく。
		(ほぼ日刊イトイ新聞 2004.11.9
	 	「宇梶剛士流、父の話」第4回より)
	http://www.1101.com/backdrop_del_mio_papa/index.html
 
アローンはまるでライプニッツのモナドのようだ。
アローンでいることができるということ。
 
アローンは決して他者性を排除しているわけではない。
むしろその逆である。
アローンでいることができないがゆえに
むしろ他者はそこから排除されてしまう。
というか他者が成立しないということ。
 
アローンは孤立してはいない。
アローンは全体であることによってアローンである。
アローンでいることができることによって
別のアローンの可能性が生まれる。
 
シュタイナーの数の計算についての示唆とも通底している。
 
	足し算は、一体から発します。しかし、2は、1を外的に繰り返した
	ものではありません。2は1のなかに存在しています。1を分けると、
	2になります。2は1のなかに存在しています。1を分割すると、3
	になります。3は1のなかにあるのです。2にいたると、1からでる
	のではありません。2にいいたるのは、内的・有機的な経過です。2
	は1のなかに存在しています。3もそうです。1がすべてをふくんで
	います。足し算は、1を有機的に組み立てるものなのです。
	(シュタイナー『子どもの健全な成長』アルテ/P72)
 
アローンは自由とも似ている。
「共にいる」ということができるためには、
人は1人ひとりが自由でなければならない。
 
そして、人は自由であることによって
他者を得ることができる。
 
他者を得ることができるということは
「愛」の可能性でもある。
アローンであることによってはじめて
人は愛することができる。
 


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