木っ端湧き本番近し竹岡沖のカワハギ

9月28日(水)、横浜新山下の渡辺釣船店からカワハギに行ってきた。
9月に入って湾奥出船のカワハギ釣りが続々と開幕。今日お世話になる渡辺釣船店も今週の26日(月)から始まったが、今年はマゴチの調子が良かったので、去年より若干遅めの開幕となった。思い出すのは1年前、第二海堡で大当たり。私もその恩恵を受けた一人で、当たりまくりのバラシまくりで凹みながらも、興奮のカワハギ釣りをさせてもらったのが記憶に鮮明である。情報によると今年はそこまで大規模な固まりは無いようだが、やれば顔は出すそうだ。一方、木更津沖堤の防波堤釣りでカワハギが小型中心ながら例年に無く爆釣との情報もある。毎年、傾向が様変わりするから自然は分からないものである。今日は仕事の方はお休みを頂き、久しぶりに竹岡沖のカワハギに挑戦してみることにした。始発電車に乗り、終点の元町・中華街駅で下車して徒歩5分、5時30分を少し回った頃には船宿に到着した。平日のせいか先客は居らず、私が一番乗りである。釣り座に迷ったが、宮地船長の操船ではミヨシの方が今までの経験から実績が高いので、とりあえず左舷ミヨシに荷物を下ろすことにした。

アサリは前回の残りと、昨夜、追加で1Kg程剥いてきた。やることも無く暇な時間を過ごしていると、ポツポツとお客さんが見えて徐々に釣り座が埋まっていく。横浜サンスイの店員M君とは約束をしていたわけでは無かったが、偶然乗り合わせ、何やってんのよ〜!彼は右舷ミヨシに入り、後から川崎中山丸の若船長も来るらしい。店員M君は船宿のアサリを購入したので、暇だからお手伝いで剥いてあげることにした。仕入れてから間もないせいか、今日の粒は質も大きさも最高級。殻付きが1Kg600円だから、私も船宿で買えば良かったな〜と少し後悔したが、当日外れることもあるので、リスクヘッジの意味からはこれも仕方あるまい。そんなこんなで中山丸の若船長も無事到着し、乗客は左右6名づつの12名と平日とは思えない賑わいとなった。7時23分、宮地船長の操舵で出船である。横浜港から沖に出ると北風が半端に強く、左舷は海水で釣り座が洗われる。キャビンは混んでいそうだったので、私はウインドブレーカーを羽織って波を被らない舳先に非難した。途中、第二海堡で様子を見て行く予定だったが、ちょうど漁師さんが網入れ作業をしているところだったので、竹岡沖に直行するようである。

8時20分、船を旋回させ、ブレーキが掛かると同時に投入の合図である。北北東の風そこそこ強く曇り。海上は波気立ち、船はゴロンゴロンと落ち着かない。潮色は良く、濁り星人もようやく卒業の時を迎えたかもしれない。雨交じりの風で、上にカッパを着込んでも暑くないほど冷え込む海上。先週末、台風17号が通過して以来、北東気流で一気に秋めいてきた感じだ。最初は水深13mからの流しである。1投目で、型出たからね〜と船長がマイクで乗客を煽る。早々に2、3名のお客さんがカワハギを上げたようだが、こちらには生体反応は無し。2流し目、お隣のお客さんが初物を上げ、その直後、私にもアタリが出てやっと1枚目をゲット。16cm級の小型である。竹岡沖もこの型が固まってくれば、そろそろ本番間近といった感じであろう。細かい触りはしょっちゅう感じるのだが、本アタリまで持ち込めず、回収すると餌がきれいに取られている。針に掛からないほどの小さいカワハギが沢山居るように思うが、その触りは小さいながらもカワハギっぽいから熱くさせられる。針を4号に落とし小さめのアサリを選んで着けるが、餌取り名人に見事に取られてしまう。

右舷胴の間で声が上がり、船長が玉網を持って出動。取り込まれたのは32cmの大型。久しぶりにこのサイズを間近で見たが、やっぱりデカイし持つと重量感が違う。小型のアタリに集中していると、突然こんな大型がドカンとヒットするのもこの時期の竹岡沖らしい釣りだと思う。ここ数日で水温が2度近く低下し、現在のところ22度前後。今のところカワハギの活性は全般に低いと言えるだろう。船長の話だと昨日も同じで、アタリが多い割りに針掛かりしないものが多く、あまり数が伸びなかったらしい。私は普段3号の中オモリを着けることが多いが、今日は水深も浅いし、2号に落とす。叩きから弛ませ気味の釣り方を中心に序盤戦を戦うが、如何せん掛けられないアタリばかりで数にならない。中オモリを外したり、ゴム張りオモリの1号を幹糸の上針と中針の間に打ってみたり、一番アタリが良さそうな方法を試行錯誤である。餌を取られるのでもしやと思い、空中戦も試してみるが、アタリが出ないので浮いている訳でも無いようだ。色々試していると、中オモリを外し、叩かずに自然に弛ませた感じが一番アタリが出易いようなので、しばらくはこの釣り方で我慢することにした。


雨混じりの北東風で冷え込む海上。店員M君と中山丸の若船長。

今日は長潮で、実釣時間はずっとダラダラと上げ潮の予報。若干左舷突っ込みを感じるものの、潮は動いているうちに入らない。船長は風で少しずつ船を後ろにずらしているような感じがする。潮回り直後は船上ポツポツ型を見るが、流すうちに筋が外れてしまうのかアタリが遠くなる傾向で、場所をずらしながらマメな潮回りとなる。10時40分、20cmオーバーを1枚交えて5枚としたところで移動のアナウンス。漁礁だよ〜!と船長。水深18mだが、断続的に2m前後の壁が並ぶこの場所は、これまで大型のバラシや魚を掛けてからの根掛かりに幾度となく泣かされた思い出深いポイントである。最初は攻めのパターンが分からないので、上をやったり下をやったりして様子を見ていると、下で小型のアタリが出て17cm級をゲット。そのまま色々やっていると、どうやら1〜1.5m程度浮かして壁の縁を擦るようなタナで怪しいアタリが出ることに気付く。う〜ん、この触りは本物っぽいし、小型じゃ無さそうなんだけど、食い込みが悪く、銜えてモゾモゾしているだけ。下手に下げると壁に引っ掛かりそうだし、アワセの機会が上手く作れないまま餌だけ取られる。

1m強のタナで、これは確実に本命のアタリ。穂先にグーッグーッとモタレが出たので、少し下げ気味にするとズドドドン!と勝手に掛かった。水深が浅い分、引き込みが強烈で、何度も竿で溜めながら上がってきたのは23.5cmとマズマズの型。唇一枚だから引きが強かったわけだ。何回目かの潮回りで、今度も同じようなタナで明確な触りを感じる。食い込まないので少しずつ穂先を下げていくと、ガッ、ガッという明確なアタリとなり、最後、穂先が水面に届きそうになったところで、グッと下に押さえ込まれ、竿に重みが乗った。反射的に竿を起こすとズドドドド〜ン!最初の抵抗は機関銃を連射するかのように激しく、リールを巻けず竿で溜めるのが精一杯。船長や隣のお客さんから声が上がる。もう少し収まったら巻きに入ろうと思った瞬間、スポ〜ン!抜けちゃった〜!今のは良さそうだったね〜と言われたが、上げていれば今日一だったのは間違い無いだろう。あの引き方は唇一枚だったな〜。空で巻き上げた後、余韻だけが腕に残る虚しさである。これで運も落としたか、しばらくの間はさっぱりアタリが出なくなる。同じ流しで店員M君は良型を3連発。やはり同じようなタナで当てたらしい。ヤツもなかなかやるの〜。

結局、漁礁では3枚だけ追加して、午前中の成績は8枚。12時10分、15m前後の平場に移動である。こちらはやはり落とすとすぐに細かいアタリが出て、餌だけやられるの繰り返し。なかなかやる気のあるアタリが出ずに、チョビチョビモゾモゾ食われ放題。たまにトン!と強いアタリが出ても針が口に入っていない。こんな小型でも今日は糸を張りっ放しだと駄目で、少し弛ませないと当たらないから面白い。小さくてもカワハギなんだよね〜。海中で餌がどう見えているのだろう?午後から風が一段と強くなり、少し上っ面が張って二枚潮気味となり釣り難い。ずっと船がゴロゴロ揺れているので、段々腰にストレスが溜まってきて、立ちっ放しもしんどくなってきた。何回目かの潮回りでまた小型を拾って、その後もポツンポツン。小型の群れの中の大きめの魚がヒットするのか、それとも魚の活性に個体差があるのか、はたまた釣り方の問題なのかは分からないが、掛かる魚は最初から掛かりそうなアタリで食ってくるのは気のせいだろうか。14時を回り、なかなか縦糸で結果が出せないので、再び中オモリを着けて10m程前方に投入。糸を斜めに少し叩きを入れてから、張らず緩めず待つ釣り方で2枚連続でヒットしたが、相変わらず小型ばかりである。

このまま調子上がらず、定刻の15時ジャストに納竿。午前8枚、午後7枚の15枚にて本日の釣りは終了となった。隣のお客さんは朝方2枚釣り上げてからベラやサバフグに泣かされていたが、終盤、少し取り返して5枚とのこと。竿頭は右舷ミヨシの店員M君で16枚。漁礁の釣りで、私がバラシたり上手く噛み合わなかった分、差が出たような感じかも。今日は外道の猛攻というほどでは無かったけど、掛けても掛けてもベラばかりの人やしょっちゅうサバフグを掛けている人が居たので、何が違うのかな〜と思ったら、集器を着けていたのが共通点かもしれません。澄み潮だったし、目立つ物を着けると外道が先に反応してしまうのだろうか、真実の程は分かりませんが・・・。7月以来、これまで何回か良型中心のカワハギ釣りをしてきましたが、今日はコッパカワハギにすっかりやられ放題。しかし、細かいアタリに集中していると、突然良型のアタリが出てドキッとする。細かい魚を拾うことを考えて針を小さくし過ぎたり、ハリスを細くしたりすると、一発ドカンとやられて後悔するかもしれません。サイズが揃っていないので難しいところですが、逆に考えると今季の竹岡沖、出足好調な証なのかもしれませんね。今日は海上も海底も季節を感じる一日でありました。またやりますよ〜!


本日の釣果、カワハギ 15枚(14〜17cm、21cm、23.5cm)。

【おまけ】
店員M君が外道でアナゴを釣り上げたとき、お隣の若船長が、捌いてあげよるよ〜!と言ってたのが笑えました。だって若船長はアナゴ船本職ですもんね〜。中山丸でも今週末の10月1日(土)からカワハギ乗合を開始するそうです!

【船宿HPコメント】
本日はカワハギ船に川崎の中○丸のカッちゃんことカツヲ船長をお迎えして出船しました。さすがはカワハギ船船長とあり見事な手さばきでした。全体的に潮流れ悪く、当たりはずっと出ていましたが喰いこみ悪く餌だけ取られている事が多かったです。昨日今日とプチプチするばかりで「くっそー」との声が聞こえてきそうですよ。ちなみに、さすがはカワハギ船船長… カツヲ船長は大健闘で終わってみれば1匹… されど1匹。たまたま掛かった1匹でお見事スソでした。(笑)

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