ボリューム満点深場の落ちイシモチ

1月8日(土)、金沢八景の黒川丸からイシモチに行ってきた。
新年「初めてシリーズ」の第二弾はイシモチ。イシモチ釣りは昔、大津や馬堀海岸から手漕ぎボートで狙ったことがあるが、それ以外はシロギスやアジの外道で釣れたくらい。専門に狙うのは今日が初めてである。何で急にイシモチ釣りかと言うと、大した理由はありません。(笑)年が明けてからは何だかカワハギも気分じゃなくなってきたし、この寒い時期、近場でできる熱い釣り物といえば中の瀬のシロギスと、もうひとつ目に付いたのがこのイシモチだった。今のイシモチは食味の点で魅力的だし、釣れ過ぎても薩摩揚げの大量生産で何とか潰しが利きそう。(笑)そして、今日お世話になる金沢八景黒川丸は、以前、根岸丸でシロギス船の舵を握っていた貞末船長が移籍したとの話も聞いていたので、ちょっくら様子を見てこようという思いもあった。私、独りで初めての船宿に行くのってワクワクしてけっこう好きなんです。

今朝は少し遅めの2番目の特急で金沢八景に向かった。6時30分頃、船宿に到着すると、既にそこそこの賑わいで、釣り座を確保したお客さんが車で仮眠している姿も多く見受けられる。それもそのはず、今朝は北風ピューピューと冷え込みが厳しく、本格的な冬の朝となった。外でご主人が明るく迎えてくれ、船の場所を案内してくれた。乗合船はイシモチとタチウオに出船中だが、どちらも新しい船で、特にイシモチ船の第8黒川丸は昨年9月に進水したばかりのピカピカの新造船。掃除も行き届いて清潔な船は非常に気持ちが良い。既に先客が9名ほどいらして四隅は埋まっている。今日は波が高そうなので、ミヨシは避けて左の艫から3番目にやおら荷物を下ろした。船の近くで貞末船長の姿を発見したので、早速ご挨拶を交わし、受付のため再び店に戻る。乗合料金は7,500円だが、HPの印刷で800円割引になるので助かる。氷は別途200円、仕掛けは作成してきたが、船宿仕掛け(1枚2組で300円)も念のため購入した。


左:船宿、只今の釣り物はイシモチとタチウオ。右:イシモチは昨年進水したばかりの新造船、第8黒川丸。

コンビニへ買出しに行くと、シロギスさんにバッタリ。今日は荒川屋からシロギスに乗船とのこと。シロギスさんはサンスポのイシモチ大会にも出ているので、釣り方を少し教えて頂いた。今年は是非とも年間6000尾を目指して頂かなければならないので(笑)、ご健闘を祈りたい。船に戻ると、船長に初めての旨お伝えして、釣り方のコツを教えて頂く。水深が深いので、弛ませないようにオモリを少し底から切って待ち、ゆっくり1mくらい誘い上げる途中でアタリが出るから、そのまま向こうアワセで釣るようにとのこと。誘いは入れた方が良いが、あまり速く動かすのは良くないとアドバイスを頂いた。聞くと簡単そうだが、実際はどうなんだろう、楽しみである。最近の情報によると裾でも2桁、頭で40〜60尾と出船できれば安定した釣果が出ているので、連日の頭の半分で20尾くらいを目標に設定してみよう。お客さんも左舷8名、右舷10名の都合18名と徐々に増えて、イシモチ釣りの人気が伺えるのであった。札と交換に餌を受け取ると、定刻より少し早めの7時45分に出船である。最近購入したハンディGPSも今日が初使用。衛星を4つ捉えて感度はバッチリ、画面上に船の動きを順調に捉えている。


左:スパンカを上げる船長。右:曇り空で寒風吹き付ける朝。

20分程走ると、ここは猿島の南東沖で、走水と猿島が同じくらいの距離に見える場所。すでにイシモチ狙いの僚船が8隻ほど集結しており、ちょっとした船団になっている。本船は船団の後から回りこみ、船首を北に向け停止。8時20分、早速開始のアナウンスだ。北の風やや強く薄曇り。海上はメラメラと波高は1.5m前後あり、コンディションは良くない。潮色は澄み、水深は65mである。船長から簡単な釣り方の説明の他、釣れたら必ず血抜きをするように、分からない人は声を掛けてくださいと丁寧なアナウンスがあった。1投目、マメに底を取りながら、言われた通りオモリを少し浮かせて、そこからゆっくりした誘いを続ける。5分くらいすると周りでポツンポツンと型が出始めた。羨ましいな〜と思っていると、早速、私にもアタリ。ちょっと穂先を小刻みに震わせ、食い上げ気味だったので、イメージと違うアタリに戸惑ったが、ゆっくり聞くと上手いこと胴に重みが乗って巻き上げる。25cm級の初物を抜き上げた。今日は中潮で9時頃が干潮、その後、上げに入り14時過ぎに満潮の予報。今のところ潮は全然効いていない。

仕掛けは前夜に適当に作成してきた。胴付き2本針で幹糸はSVIの3号。間隔は下から10cm、50cm、60cmとし、ハリス接続部はカラマンビーズでハリス交換を可能にした。ハリスはSVIの2号で30cmと40cmの2種類を用意し、それぞれ状況によって付け替えてみたいと思う。ハリはがまかつ「玄人アジ」の9号、オモリは指定の30号である。ちなみに竿はサクラの「夜メバル竿2.4m硬」、リールは「ミリオネアCVZ−100SF」、道糸はPE1.5号である。昨夜は飲み会で帰宅が遅かったが、さっさと一次会で切り上げてきたので、仕掛けを作る余裕が少し残っていて良かった。2投目、3投目と着底後すぐにアタリは出ないが、少し誘い続けているとアタリが出る。ゴゴゴンと来て掛からないアタリがあるが、そのまま誘い続けていれば次のアタリが出る。小型が多いのか、食いが渋いのか、アオイソを途中まで銜えて走るようなアタリは頻繁だ。餌が切られたりしても、どちらかの針に残っていれば、魚の気配が近いので、再投入せずに誘っていると、けっこう次のアタリが出て針掛かりしてくれる。

15分くらいすると、船中誰かしら竿を曲げている状況。3人並んでヒットもあり、早くもゴールデンタイムに入ったようだ。私も開始から空振り無しの11連荘で、あっさりツ抜け。アタリは20回以上あった。型は20cm強から20cm台後半までバラツキがある。水深が深いので、釣り上げた魚は皆、浮き袋が口から飛び出している。9時を回るとトロトロと上げ潮が効き始め、船が猿島の方に向かって北西に流れる。その模様がGPSではっきり確認できる。流しは水深65m程度から始まり、徐々に浅くなっていくが、ある程度まで流すとアタリが遠くなる。GPSによると潮回りの起点はほとんど変らないが、若干筋を変えながらトレースしていくのが見て取れる。毎回、だいたい同じ距離を流すが、上げ潮が効くに従って、一流しの時間は短くなっていく。潮が効き始めると、朝一のような上目のタナではアタリが減り、底付近にアタリが集中し始めた。潮によって傾向が変るのはどんな釣りも同じだ。


左:左のお隣さんが釣られたクロアナゴ、仕掛けメチャクチャ。右:右のお隣さんが釣られたニベ?続けて2尾上がり写真を撮らせて頂きました。

オモリで底をしょっちゅう取りながら、20〜30cm浮かせて待つか、誘い上げてから、ゆっくり落とし込んでいくとアタリが良く出る。1尾釣れる毎に血抜きは確実に行う。船長に教えて頂いた方法をご紹介すると・・・魚を下から見て腹鰭から喉の方に行くと顎の付け根の所が三角に尖っているが、その三角の頂点を2cmくらいはさみで深くカットする。すると鰓が胴体から切り離れるが、心臓も一緒に切れればOK。心臓が切れなければ、探して切り外す。少しバケツに漬けた後、海水氷が入ったクーラーに仕舞えばバッチリだ。徐々にアタリの間隔が空き始めたが、船中ポツンポツン程度は上がっている。お昼の時点で数え直すと28尾。既に目標の20尾を大幅に上回ってしまい、2倍したら大変な数字である。午後に入ると風がだいぶ和らいで、海の状態も急速に回復。午前中とは一変して晴天の下、平らな海でのんびり気分となった。ちなみにこの船、トイレが洋式だから、波が高くてもすこぶる快適に用が足せるのであった。(笑)


後半はだいぶ穏やかになるも食いの方は↓。

船中全般にペースダウンしてしまったので、船長はマメに流し変えて、最深で70m強、最浅で60mくらいまで、範囲を広げて様子を見る。70mの深場で2回アタリが出たが掛けられず、そのまま流して65mくらいまで行くとまたアタリが出るが、この時間、針掛かり率はさらに低下し、なかなか数に結び付かない。当たるのは100%下針である。右隣のお客さんは常連さんのようで、この渋い時間帯に良いペースで上げている。釣り方を拝見すると、底を取りながら、オモリを20cmくらい上げて、あまり動かさずに待っているとアタリが出る。私もあまり動かさずに少し底を切って待つと、朝とは打って変わって、あたかも別の魚のように微かなモタレが出る。そこから気持ち送り気味に聞き合わせると本アタリ。掛かってからの引きは朝と変らないが、魚が変ったかのように渋いアタリだ。午後の2時間は4尾しか追加できず足踏み状態だったが、完全に潮が止まった14時過ぎ、モタレ&聞き合わせが分かってから少しペースを取り戻し、納竿の14時45分までのラスト45分は6尾釣り上げ、結果38尾まで伸ばすことができた。

いや〜面白かった!落ちイシモチ釣り。今日は初めてだったので、魚の活性が高かったのか、低かったのかよく分からないが、掛からないアタリも多数あり、取れたのは半分以下ではないだろうか。釣り的には無条件の入れ食いより、これくらいの方が面白いのかもしれない。竿頭は46尾とのことだから、38尾も釣れてしまい大満足。ボリュームもたっぷりで、クーラーはズッシリと凄い重量感。さあ後の処理が大変だけど、どうやって食べようかな。今夜はとりあえずお刺身と塩焼きで決定だ。船長は相変らずアナウンスも丁寧だし対応も親切、最後に釣果を聞きに来て、「沢山釣れて良かったですね!」と声を掛けてくださった。船宿の雰囲気も暖かくイイ感じ。右隣の釣り人は船宿で写真を見たら、大会でも入賞されている常連さんだと後で分かった。何度もお祭りしてご迷惑をお掛けしたが、協力的だったし、すごく優しい人だった。下船後、船宿で暖かいお味噌汁をご馳走になり、今日は心も体もポッカポカで帰路に着いたのであった。しかし、これだけ釣れると、また近いうちに・・・とは行かないところが厳しいところなのである。(笑)


本日の釣果 イシモチ(シログチ) 21〜30cm 38尾。

【船宿HPコメント】
1月8日(土) 数量 15〜46匹 サイズ 19〜36cm
一日曇り空の肌寒い陽気でした。猿島沖50〜60mを狙い、潮止まりを除いてはポツリポツリ上がり20cmサイズの小ぶりも混じりましたが、30cmオーバもしばしばです。連日好調キープ!水温低下で群れが固まりだし連日釣果安定してきました。脂も乗って、美味いですよ!刺身おすすめ。必ず道糸は100m巻いておいてください。寒さが厳しくなってきましたので、十分着込んでお出かけください。

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