コレは使える!魚のあらで絶品黄金出汁
お魚のあらで出汁を採る方法は色々あって、生のまま煮出したり、素焼きにしてから煮出したり、干してから煮出したり・・・とそれぞれに個性的で美味しい出汁が採れるものですが、ここでは最近、我が家でハマっている出汁の採り方をご紹介させて頂きます。と言っても、最初に生のあらを湯通ししてから改めて水から煮出す・・・たったそれだけの話でして、わざわざトピックスとして載せるほどのことがどうかも微妙なトコですが、簡単に一手間掛けるだけで絶品お魚スープが採れちゃいますので、お試しでない方には是非オススメしたいところです。今回は季節モノのイサキのあらでやってみます。
1.お魚のあらを沸騰したお湯に入れてサッと湯通しします。
これで20cm級のイサキ約10尾分。いずれも刺身を取ったあとの中骨と腹の削ぎ身です。
お湯がグツグツと沸きました。今回使用する鍋は口径20cmほどのごく普通の雪平鍋。
沸騰したお湯にあらを全部投入し、一瞬で温度が下がりますが白くなればもう十分。
2.湯通ししたあらをザルにあけて流水で軽く洗い流します。
一気にザルにあけて、最初の濁ったお湯は流してしまいます。
空いた鍋に冷水を注ぎ・・・(動きが速いので写真がボケてます。)
ザルごとザブザブ洗っちゃってます。(けっこうやることテキトーな料理人、笑)
3.空の鍋にあらを戻し、昆布1枚(約5cm四方)を加え、改めで水から沸かします。
写真ボケちゃってますが、昆布を切ってるとこですね。
鍋に水を8分目ほど張ったら強火で沸かします。真ん中に浮いてる黒いのが昆布です。
4.沸騰したら昆布を取り除き、吹かないように弱火で10分くらい、コトコト煮出します。
沸騰したら昆布を取り除き、タイマーを10分にセットして、鳴るまで弱火でコトコト。
その間、他の仕事してていいですが吹きこぼれには注意。南蛮漬け用のマルアジをマシンのように下す料理人。
5.火を切ったら、ザルで漉しながら別の容器に移動して完了。
タイマーが鳴ったら火を切り、ボールの上にザルを置いてダ〜ッと一気に漉しちゃいます。
すぐ料理するならそのまま使えばいいですし、保存するなら粗熱を取ってからタッパーなどに入れて冷蔵。大量に作ったらペットボトルや牛乳パックに入れて冷凍もOK。あとでなんだコレ?ってなることがあるので、マジックや付箋で魚の種類と何月日を記しておくと便利です。
捨ててしまいがちなお魚のあらも一手間掛けてこんな感じに処理すると、臭みも雑味も濁りも無い、旨みの詰まった薄い黄金色の出汁として生まれ変わります。定番潮汁、イサキ茶漬け、味噌汁、すまし素麺はもちろんのこと、ニンニクを効かした洋風スープ、ご飯と煮込んで雑炊、粉チーズを使ってリゾット、夏らしく冷製スープや味付けしてゼラチンで固めたりなどなど・・・アイディア次第でどんなお料理に使っても美味しく頂けることと思います。イサキの他にもアジ、ハナダイ、タチウオなど色々なお魚でできますし、カワハギなんかも甘味のあるまろやかなスープが採れてこれもオススメです。お魚それぞれの出汁の違いを味わうなんてのも釣り人の特権かもしれませんね。
下に利用例を少し載せておきますのでご参考まで・・・。
イサキのヅケ丼&潮汁。潮汁の味付けは薄味の塩だけです。
イサキのすまし素麺。こちらも味付けは塩のみです。
イサキ出汁の野菜スープ。セロリの葉っぱをトッピング。
ハナダイのヅケ丼&潮汁。こちらも味付けは塩だけ。
ハナダイ出汁の野菜スープ。胡椒の風味が絶妙なアクセント。
アジのヅケ丼&潮汁。こちらも塩だけの味付けです。
アマダイ出汁のアマダイ茶漬け。こちらは残ったヅケダレでお味を調整。
ハナダイ出汁のハナダイ茶漬け。こちらも上に同じですね。
ハナダイ出汁のリゾット。こちらも魚の身が入っていない極上魚料理です。