家庭で簡単!お手軽燻製作り

「我が家の釣り魚料理」の中で、「カワハギ、シロギス、アジ、サバ、ヒラソーダなどの燻製」をご紹介しておりますが、釣り魚以外の食材を使ってもお手軽に出来ちゃいますので、改めてご紹介したいと思います。お試しの際はビールをいっぱい冷やしておきましょう!

1.下準備をします

今回は下の写真のようにゆで玉子、ボイルホタテ、イカの一夜干し(先日釣ってきたスルメ)、鶏の胸肉を用意しました。ゆで玉子は殻を剥いておきます。イカは熱を加えると丸まってしまうので、竹串などを刺しておきます。鶏肉は食べ易い大きさに切っておきましょう。



2.下味を付けます

干物を作るときとまったく同じ立て塩(漬け汁)を作ります。水に対して酒10%、塩7%の割合で混合し、塩の粒が溶けるまでよく掻き混ぜます。今回は水450ml、酒50ml、塩35gの割合です。干物作りと同じ要領で塩加減は食材の大きさや脂分の多さによって漬け時間を長くしたり短くしたりで調整しますが、ここは勘が頼りになります。今回はホタテ10分、鶏肉30分、ゆで玉子40分でそれぞれ取り出し、真水ですすいでからよく水分を拭き取っておきます。この状態で乾燥させれば干物になりますが、今回はそのままスタンバイ。イカの一夜干しは、そのままで準備完了ですので、ここでは何もしません。

ちなみに干物を作る場合の漬け時間ですが、スルメ中で4分、大で5分、カワハギやシロギス(白身魚の下ろし身)なら15分、23cm級の脂の乗ったアジ(開き状)なら40分、脂が少なければ30分、40cm級の脂が乗ったサバ(二枚下ろし)で60分が目安になります。イカやタコの場合は浸透圧の関係?で、塩分の吸収が早いため、魚に比べて短い時間でOKです。燻製の場合は、干物より若干薄味でよいかもしれません。ここは一番経験がモノを言うところ、いわゆるキモですので、色々試してみて自分なりのメソッドを確立してください。

食材を生のまま燻煙してしまいますと、余計な水分が出てきて上手く仕上がりません。今回は唯一鶏肉が生ですので、テフロン加工のフライパンで(油を敷かずに)空煎りし、あらかじめ中まで火を通し水分を抜いておきます。一番失敗が少ないのは一旦干物に仕上げておき、それを燻煙する方法です。そういう意味ではスーパーで売っている塩サバやアジの開きをそのまま使っても美味しい燻製ができます。ただ、その場合ひとつ注意して頂きたいのは、かならず解凍してから燻煙すること。冷凍の状態でいきなり燻煙すると失敗の原因になります。(実際に失敗した経験があります。)



3.鍋で燻煙します

写真のような鍋、網、蓋を準備します。特に鍋は終始空焚き状態となり非常に傷みますので、安価なもので構いませんので、専用の鍋を準備されることをお勧めします。網は写真のように底に付かず、食材を並べて蓋に接しない程度の大きさのものを用意してください。燻煙中は煙を密閉したいので、蓋は鍋の口径に合う大きさのもの、できれば写真のように上面がガラスになっていて中の様子が見えるものが良いです。以上がお手軽燻製を作るための設備になりますが、初めてやられる方はここが一番のハードルかもしれませんね。是非、ディスカウントショップなど覗いてみてください。

チップは写真のように袋入りのお徳用サイズを使っていて、これ一袋あれば相当長持ちします。チップの種類は色々ありますので、お好みでどーぞ。東急ハンズはもちろん、最近では100円ショップ(Dソーなど)でも販売されているようです。その他、紅茶の葉なども使用できるそうですが、ご興味があれば試してみてください。



鍋底にアルミホイルを敷いて、その上に一握りのチップを撒きます。続いて、網を置いて食材を並べます。熱が入ると食材が縮みますので、食材同士が多少接しても問題ありませんが、鍋には接しないように配置してください。蓋を被せたらガスコンロは中火のやや強めで加熱します。煙が出てきたら火加減は中火の弱めにセッティング。鍋の中に煙が充満して、次第に食材に色が付いてきます。今回は一度に全部乗りませんでしたので、最初はイカとホタテ、二度目に鶏肉とゆで玉子をやりました。



1回だいたい10〜15分くらいでしょうかね〜。写真のように美味しそうに色が付いて、中まで火が通れば完成。火を止めたら、お箸やトングを使って食材を引き上げてください。続けて二度目をやるときは、鍋が一旦冷めてしまいますが、チップを足してから一度目と同じ要領でやれば大丈夫です。燻煙中は必ず換気扇を回してくださいね。



4.後片付けをします

鍋は空焚き状態で大変高温になっていますので、取り扱いには十分注意してください。まず、蓋を台所のシンクに持って行き冷水で冷やしてください。続いて網を割り箸などで掴んで同様に冷水で冷やしてください。割り箸などでアルミホイルの端から畳んでチップのカスが散乱しないように丸めたらゴミ箱へポイ。熱が心配でしたら冷水を掛けてから廃棄してください。最後に鍋をシンクに移動して水を少しづつ注ぎますが、最初は鍋の熱で水が沸騰しますので注意してください。一通り冷水を注いで触れる程度まで冷えたらもう安全。

5.盛り付けて食べます

出来立ての熱々をつまみ食いするのが最高に美味しいです。荒熱が取れたら、食べ易い大きさに切って、器に盛り付けてもいいですし、そのままバクバクかぶりついてもOK。保存はビニール袋やタッパーに入れて冷蔵するだけ。燻製にするとかなり長期間、日持ちしますので、作り貯めも可能。冷えたままですとあまり美味しくありません。冷蔵庫から取り出したら、しばらく放置して常温に馴染ませるか、若干温めて頂く方がよろしいようです。(玉子は丸ごとレンジで加熱すると爆発するのでご注意!)慣れてきたら漬け汁に香草を加えたり、アイディア次第で色々楽しめそうですね。ご興味のある方は是非!



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