*** 2015年5月1日 春たけなわの鍋割山/富士山 ***

1.表丹沢県民の森
駐車場
2.ツツジ 3.二俣への林道1 4.二俣への林道2 5.新緑の
四十八瀬川1
(勘七橋)
6.新緑の
四十八瀬川2
(勘七橋)
7.ヤエザクラ 8.平成の森コース
入口
9.平成の森コース1 10.平成の森コース2
11.新緑の
四十八瀬川3
12.新緑の
四十八瀬川4
13.小丸への分岐 14.新緑のブナ1 15.新緑のモミジ1 16.薄紫の花
(トキワハゼ)
17.ヤマツツジ1 18.ヤマツツジ2 19.ヤマツツジ3 20.新緑の
西山林道
21.ヒメウツギ1 22.ヒメウツギ2 23.鍋割山稜1 24.鍋割山稜2 25.ヒメウツギ3 26.ヒメウツギ4 27.ヒメウツギ5 28.ヒメウツギ6 29.鍋割山稜3 30.鍋割山稜4
31.新緑のブナ2 32.新緑のブナ3 33.ミズヒ沢1 34.ミズヒ沢2 35.新緑の
ミズヒ沢
36.ミズヒ沢3 37.ミズヒ沢4 38.新緑のブナ4 39.新緑のブナ5 40.新緑のブナ6
41.新緑のブナ7 42.タチツボスミレ1 43.タチツボスミレ2 44.新緑のブナ8
(後沢乗越手前)
45.新緑のブナ9
(後沢乗越手前)
46.露出した
緑色凝灰岩
(グリーンタフ)
47.新緑のブナ10
(後沢乗越手前)
48.新緑のブナ11
(後沢乗越手前)
49.新緑のブナ12
(後沢乗越手前)
50.新緑のブナ13
(後沢乗越手前)
51.新緑のブナ14
(後沢乗越手前)
52.新緑のブナ15
(後沢乗越手前)
53.新緑のブナ16
(後沢乗越手前)
54.新緑のモミジ1
(後沢乗越手前)
55.新緑のモミジ2
(後沢乗越手前)
56.後沢乗越
(標高800m)
57.新緑のブナ17
(後沢乗越)
58.トウゴク
ミツバツツジ1
59.トウゴク
ミツバツツジ2
60.後沢乗越先の急登1
61.後沢乗越先の急登2 62.鍋割山稜3 63.ミツバツチグリ 64.ヤマザクラ1 65.ヤマザクラ2 66.トウゴク
ミツバツツジ3
67.オトメスミレ 68.トウゴク
ミツバツツジ4
69.トウゴク
ミツバツツジ5
70.トウゴク
ミツバツツジ6
71.トウゴク
ミツバツツジ7
72.トウゴク
ミツバツツジ8
73.トウゴク
ミツバツツジ9
74.奇妙な形の松 75.アセビ1 76.アセビ2 77.富士山1
(鍋割山頂直下
展望台)
78.富士山2
(鍋割山頂直下
展望台)
79.富士山3
(鍋割山頂直下
展望台)
80.富士山4
(鍋割山頂直下
展望台)
81.富士山5
(鍋割山頂)
82.富士山6
(鍋割山頂
83.富士山7
(鍋割山頂
84.富士山8
(鍋割山頂
85.箱根連山 86.アセビ3 87.アセビ4 88.ヤマザクラ3 89.ヤマザクラ4 90.ヤマザクラ5
91.ヤマザクラ6 92.ヤマザクラ7 93.ヤマザクラ8 94.ヤマザクラ9 95.ヤマザクラ10 96.ヤマザクラ11 97.ヤマザクラ12 98.ヤマザクラ13 99.コヒガンザクラ1 100.コヒガンザクラ2

 5月1日(金)、前日の天気予報では、本日はまたとない晴天とあり、急に"富士山"の雄姿を撮影したくなる。間近から"富士山"を狙うなら、真南に位置する"愛鷹山"がベストだが、"宝永火口"が目立ってしまい、優美な姿とは言い難い。そこで、約14年振りに、丹沢・"鍋割山(標高1273m)"から、富士の優美な姿を狙うことにする。この際、車で"表丹沢県民の森"まで行き、その先の林道から歩き始めるが、一番の問題は、"後沢乗越(うしろざわのっこし)"から始まる急登である。これに気後れして、これまで鍋割登山を控えてきたが、今回は富士山の女神の誘惑に負けて、久々の挑戦とあいなる。なお、ネット情報によると、最大標高差は813m,累積標高差は896mと、若者にとっても、決して楽な山ではない。
 7:50、自宅横浜戸塚を出発する。何時もの通り、相模川手前が渋滞していたので、NAVIも圏央道への迂回を選択すると思いきや、オーソドックスに直進して厚木ICから東名に入るルートを表示する。秦野中井ICで高速を下り、一般道を20分程北西に向かうと、雲一つない鍋割から大山にかけての山並が現れる。何度も見かけた山里の光景だが、何となく心が和むのは、私だけではなかろう。"みくるべ病院"方面に右折したあと、そのまま薄暗い林道に入る。車1台がやっと通れるくらいの道幅だが、舗装もされており、"表丹沢県民の森"へと通じている。この曲がりくねった道を10分程走ると、駐車場に到着する。連休前日とあってか、既に満杯であったが、その脇に辛うじて1台分のスペースを見つけ、そこに駐車して山支度をしていると、若者の男女三人組が、軽く会釈して通り過ぎて行く。本日は真夏日とあってか、彼等は半パンの軽装姿である。
 9:40、私もゴアテックス製ウエアをザックに押し込み、愈々出発である。この先から非舗装の林道を数10m程進むと、車止めのゲートが現れる。この周辺にも、数台駐車している。ゲート脇を抜けて林道を進むと、艶やかな新緑の若葉が、目に染み入るようである。"四十八瀬川"に掛る"勘七橋"まで来ると、先程の3人組が、新緑の山々をバックに中高年の方に写真を撮ってもらっている。彼等の背後の山々が、何とも見事なモザイク模様であったので、私もこの光景を撮影する。更に"ヤエザクラ"を狙っていたところ、先程の中高年の方から、"丁度見頃ですね"と声を掛けられたので、暫し立ち話をする。どうやら、登山コースの管理者のようだが、この方から、近道の"平成の森"を教えて頂く。成程、橋を渡った左手に、立派な石碑まで立っている。お礼を言って、このルートに分け入ると、先程の3人組が引き返してくる。聞けば、何とこの先は行き止まりとか。私も、そんな筈はないと思って、沢沿いの道を行けば大丈夫と言うと、しぶしぶ私の忠告を受け入れる。所が、暫くして砂防ダムが現れると、踏破不可と勘違いしたのか、Uターンして脱兎の如く引き返していく。だが、冷静に対岸を眺めると、道らしき物が確認できたので、川を渡って"旧登山訓練所"の脇の斜面を登ると、砂防ダムの上に辿り着く。そこから、再度川を渡ると、無事"西山林道"に合流する。やはり、ショートカットの効果抜群で、背後には先程の若者達の姿は確認できない。何か得をしたような気分で、新緑の若葉を撮りつつ、"二俣"に向かう。
 10:04、"二俣"に到着する。ここで、"四十八瀬川"に掛る木道を渡り、緩やかな坂道を登ると、右手に"小丸"への分岐が現れる。ふと、Aさんが、嘗てここで"ランヨウアオイ"を見付けて、大喜びしたのを思い出す。"尾関広氏銅像(丹沢の環境保全に貢献した登山家)"を過ぎると、道端に薄紫色の小花が目に留まる。何処かで見かけたような気もするが、ネット上で検索しても判別できないので、ここはAさんにお願いするしかなかろう。更に林道を進むと、真っ赤な"ヤマツツジ"が咲いている。これを、じっくり撮影していた所、先程の三人組が追い越して行く。道々、新たな被写体を探していると、今度は真っ白な"ヒメウツギ"が目に留まる。これが、進むに従い、樹高5〜6mもありそうな大物も現れる。これくらいになると、正に壮観と言う他ない。林道の先には鍋割山稜が望める。正面のピークは、嘗て辿った"小丸"(標高1341m)であろうか?
 10:45、"ミズヒ沢"に掛る筏状の橋を渡る。長かった林道歩きを終え、ここから愈々山道に入ることになる。沢の周辺には、ブナが多く見られ、谷間が薄暗いせいで、逆光に映える若葉が、何とも艶やかに映る。沢を渡り、杉林の中を登って行くと、間伐された杉の切株が、恰好の休憩用の椅子になっている。坂道を登りきり暫く進むと、目の覚めるような新緑のブナの下に、道標が現れる。ここで立ち止まり、ふと見上げると、"ミズヒ沢"の急斜面に、薄緑色の露岩が確認できる。これは、丹沢で良く見られる"緑色凝灰岩(グリーンタフ)"に間違いなかろう。帰宅後、改めて受験研究社の"SUPER理科辞典(私の写真を提供した際に頂戴したもの)"を捲ってみると、「うすい緑色の凝灰岩が、日本海側,関東北部,静岡市から新潟県糸魚川市にいたる大地溝帯に広く分布している。この凝灰岩は、第三期(2300万年〜260万年前)の海底火山活動によって噴出されたもので、変質して緑色がかった岩石になったとされている。・・・」とある。また、栃木県産の"大谷石"も同類で、同時期に海底で形成されたようである。なお、富士山の活動期は、精々1万年前と言われているので、富士山が噴出した火山灰が堆積し、変質したものではないのは明らかである。
 11:34、"後沢乗越(標高800m)"に到着する。ここから山頂まで、473mもの急登が延々と続くことになる。途中の標識には、5番(後沢乗越)から11番(山頂)まで、番号が振られており、「緊急時は、上の番号を連絡して下さい」と記されている。私自身も、この御厄介にならないよう、スローペースで登って行く。また、急坂左手には、"トウゴクミツバツツジ"が垣間見られるようになったので、これらを撮影しつつ小休止する。第二の急坂を登っていたところ、雑木林の奥に、艶やかな"トウゴクミツバツツジ"が目に留まる。そこで、登山道を外れ、急斜面を恐る恐る横切って、この花の真下に辿り着く。"虎穴に入らずんば虎児を得ず"ではないが、少々の危険を冒さないと、中々満足できるショットは得られないようである。登山道に戻り、急坂を登りきると、今度は奇妙な恰好の松が現れる。真ん中の幹を取り囲むように、湾曲した幹がタコの足のように伸びており、成因は不明だが、何とも気になる存在である。ここで、山ガールが下山してきたので、富士山の眺望を聞いたところ、山頂手前の展望台の方が、絶景が望めるとか。それを知って、急に元気が出てきたので、途中で"アセビ"の花を撮りつつ、急ぎ足で展望台に向かう。この花を見ていると、何度か御一緒したMさんを思い出す。
 13:40、やっと展望台に辿り着く。絶景とは言い難いが、雲がかかった富士山が、眼前に広がっている。ここでなら、落ち着いて撮影できそうなので、先ず腰を下ろすことにする。レンズを交換して順次撮影しているうちに、山頂を覆う雲が、ゆっくりと左に流れて行くのが判明する。ただ、次の巨大な雲塊で、山頂が隠れてしまったので、この間に遅い昼食を取る。それでも、あと10分もすれば、この雲も晴れそうに思えたので、超望遠レンズを装着したまま、山頂へと急ぐ。それにしも、首がどうにかなりそうなくらい、重く感じる。
 14:20、やっと鍋割山頂に到着する。連休前日とあってか、4〜5組の登山者が、恰好の場所を占拠中である。そこで、少し下った草地から、富士山を狙うことにする。予想通り、山頂の雲は晴れたものの、中腹は相変わらず雲に覆われたままである。これ以上を望むなら、もっと早出して、雲が湧く前に山頂に到着すべきであろう。ここから、"ヤマザクラ"や"アセビ"の花々を撮りつつ、元来た道を下る。
 今回は、富士山の雄姿を求めて、14年振りに鍋割山に挑戦した。体力の衰えは如何ともしがたく、途中で何度も引き返したくなったが、我慢した御蔭で、富士山の女神にも出会え、有意義な一日となった。機会があれば、"塔ノ岳"や"三つ峠"からも、富士山を狙ってみたい。

総歩数:17,372歩
登りの厳しさ:△〜▲(表丹沢県民の森〜ミズヒ沢)
       ▲〜▲▲(ミズヒ沢〜後沢乗越)
       ▲▲〜▲▲▲(後沢乗越〜鍋割山頂) 

戻る