*** 2012年10月21日 金時山 ***

1.登山道標識 2.金太郎の人形 3.ノコンギク1 4.リンドウ 5.リュウノウギク1 6.キク科の花 7.白い花1
(サラシナショウマ)
8.白い花2
(サラシナショウマ)
9.猪鼻砦への道1 10.リュウノウギク2 11.リンドウ
と熊蜂1
12.リンドウ
と熊蜂2
13.白い花3
(タテヤマギク)
14.トリカブト1 15.トリカブト2 16.トリカブト3
17.猪鼻砦への道2 18.フジアザミ1
(または
オヤマボクチか
ハバヤマボクチ)
19.フジアザミ2
(または
オヤマボクチか
ハバヤマボクチ)
20.フジアザミ3
(または
オヤマボクチか
ハバヤマボクチ)
21.富士山1
(猪鼻砦)
22.富士山2
(猪鼻砦)
23.富士山3
(猪鼻砦)
24.富士山4
(猪鼻砦)
25.金時山への道1 26.色付き始めた紅葉 27.アザミと蝶
(タイアザミと
キチョウ)
28.ノコンギクと蜜蜂 29.ノコンギク2 30.トリカブトと熊蜂 31.金時山への道2 32.リュウノウギク3
33.富士山5 34.金時山への急登1 35.金時山への急登2 36.岩場のトリカブト 37.愛鷹山と富士山 38.愛鷹山位牌岳
と越前岳
39.富士山6
(猪鼻砦)
40.富士山7
(猪鼻砦)

 10月21日(日)、雲一つない青天に恵まれたので、久々に箱根・金時山(標高1213m)に出かける。狙いは、新雪を頂いた名峰富士であるが、登山道脇の花々に出会うのも楽しみである。また、今回は、11月5/6日の両日、大山さんと共に探訪予定の妙義山/谷川岳の前哨戦でもある。 
 9:00自宅を出発し、一路南足柄に向けて車を走らせる。絶好の行楽日和とあって、東名高速では渋滞に会うかと思ったが、以外に順調だったため、2時間弱で登山口となるゲート前に到着する。ただ、人気のコースだけあって、駐車場は既に数十台の車で満杯状態である。それでも、運良く少し離れた所に、一台分のスペースが見つかったので、そこに駐車し、先ず猪鼻砦を目指す。山道周辺の木樹は、未だ緑のままであるが、代わりに"ノコンギク","リンドウ","トリカブト"他の花々が、艶やかな姿を見せてくれる。また、その蜜を狙って、蜜蜂や熊蜂が飛び回わり、正に秋たけなわであることを実感させてくれる。この間、私が花々の撮影に熱中している間にも、何人もの登山客が追い越して行く。この分だと、山頂は人で溢れかえるのではなかろうか。
 11:27、結局40分弱もかかって、やっと猪鼻砦に到着する。展望台の先には、山頂に少し雪を被った富士が、優美な裾穂を広げている。早速、レンズを交換しつつ、この絶景を順次撮影する。420mm超望遠で狙うと、河口湖から山頂に至る登山道が確認できる。この先から、いよいよ金時山への急登が始まる。ただ何分体力がないため、急坂を直登せず、ジグザグに進む。しかしながら、道幅が狭くなるにつれ、これもかなわなくなり、急に動きが鈍くなる。それでも1/3位は登ったであろうか、山道の曲り角では、70歳位と思しき方が立ち止まり、後進に道を譲られている。すれ違いざまに、首から掛っているカメラに目を遣ると、何処かで見たような形をしている。そこで、思い切ってカメラの機種を尋ねると、何と私と同じEOS5DmarkUとか。これも何かの御縁と、ここで暫し立ち話をする。結局2〜3分は喋ったであろうか、私の写真ホームページのURLをお知らせしてお別れする。所が、その後も中々ピッチが上がらず、この方に直ぐに追いつかれてしまったので、以降行動を共にすることになる。中間点の休憩地では、写真談義に花が咲く。お名前はMさん、御歳73歳で、病み上がり後の試登とのことであるが、どうしてどうして、私よりも余程タフである。写真歴を伺うと、何とプロ写真家"白籏史朗"氏から、指導を受けられたとか。所で、"白籏史朗"氏と言えば、著名な山岳写真家であるが、私も10数年前に、NHKBS番組「白籏史朗パキスタン高峰の花園に魅せられて」を録画し、繰り返し見た覚えが有る。要約すると、白籏氏が約10年前に、名峰"ナンガパルバット"(標高8125m)山麓の"ディアミール谷"で会ったお花畑が忘れられず、登山隊を編成して、1999年7月に再訪されたものの、花々は牧牛に食べつくされ、糞だらけの草地に様変わりしていたという内容である。なお、この谷の先には、標高差3000m以上もの"ディアミール壁"が、屏風のようにそそり立っており、ここで超人ラインホルト・メスナーの弟ギュンター他、何人もの有名登山家が滑落死している。私自身も、2年半前にパキスタン北部を訪問した際に、"ナンガパルバット"(2010年3月31日参照)の雄姿を、420mm超望遠で撮影したが、山頂から切れ落ちる"ディアミール壁"の迫力に、圧倒された覚えが有る。私からは、Mさんにこのような話をしたが、これも何とも不思議な巡り合わせである。その後も、Mさんから、富士の絶景ポイント他、色々お教え頂いたが、少々体が冷えてきたので、共に腰を上げ山頂を目指す。この間、Mさんは、下山中のお知り合いの方に2度も会われる等、実に顔の広い方のようである。
 13:05、やっと金時山山頂に到達する。周辺は、予想通り座る場所も無いほどの混雑ぶりで、本日は特に子供連れが多い。よくも小さな足で、この急坂を登って来たものだと感心しつつふと手元を見ると、"リンドウ"や"キク"の花束を持っている。親達も、別にそれを気にするわけでもなく、堂々と持ち歩く姿には、恐れ入るばかりである。前回金時山でお会いした、自然公園指導員のOさんが御覧になれは、さぞかし嘆かれると思うが、最近のニューファミリーは、最低限のマナーさえ守れない者が多い。またOさんが、「注意すると、指導員の身に危険が及ぶ場合があるので、所属団体からは、控えるように言われている。」と仰ったのを思い出す。嫌な世の中になったものだが、他人や自然に危害を加えないで登山を楽しむのが、基本中の基本であるのは言うまでもない。少々頭に血が上ったが、穏やかな顔付のMさんを見ていると、急に気持が和らいでくる。私も打ち解けてきたので、2007年3月14日に、フランクフルトからの帰国便(NH210便)でお会いした、Kさんの話をする。当時も、お互いのカメラが、偶然お同じEOS5Dであったことから、寝る間も惜しんで情報交換をしたが、その時のKさんのアドバイスにより、現在の機種に更新した訳である。所で、某プロカメラマンが、「カメラが、見知らぬ人とのコミュニケーションの手段となる。」と仰っていたが、私の場合、内外ともに当て嵌まる。ふと目を西方に転じると、独特の形をした"愛鷹山"の双耳峰が望める。Mさんは、嘗て冬季にこの山を踏破されたり、富士山も何度か登頂されたとか。ここでも、昼食を挟んで、1時間以上も長居したので、そろそろ一緒に下山することにする。
 今回は、2年半ぶりの金時山であったが、Mさんとの不思議な出会もあり、来た甲斐があったと言える。改めて、金時神社の神様に感謝したい。

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