*** 2010年6月2日 塔の岳 ***

1.新緑のブナ1 2.新緑のブナ2 3.大倉コース
登山道1
4.新緑のモミジ1 5.新緑のモミジ2 6.新緑のモミジ3
7.新緑のモミジ4 8.新緑のモミジ5 9.ヤマツツジ1 10.ヤマツツジ2 11.新緑のモミジ5 12.新緑の朴の木1
13.新緑の朴の木2 14.新緑のモミジ6 15.新緑のモミジ7 16.ヤマツツジ3 17.ヤマツツジ4 18.ヤマツツジ5
19.ウツギ
(ツクバネウツギ)
20.新緑のアセビ 21.コケリンドウ1 22.コケリンドウ2 23.カタバミ1 24.カタバミ2
25.ミツバツツジ1 26.ミツバツツジ2 27.ミツバツツジ3 28.ミツバツツジ4 29.ミツバツツジ5 30.ミツバツツジ6
31.ミツバツツジ7 32.ミツバツツジ8 33.ミツバツツジ9 34.ミツバツツジ10 35.ミツバツツジ11 36.シカ1
37.シカ2 38.オトギリソウ1
(または
イワキンバイ類)
39.オトギリソウ2
(または
イワキンバイ類)
40.西丹沢の山々 41.ユーシン渓谷 42.蛭ヶ岳遠望1
43.蛭ヶ岳山頂1 44.尊仏山荘 45.塔ノ岳山頂の
ベンチ1
46.シロヤシオ1 47.シロヤシオ2 48.シロヤシオ3
49.蛭ヶ岳遠望2 50.ミツバツツジ12 51.ツツジの群落1 52.ツツジの群落2 53.シロヤシオ4 54.ツツジの群落3
55.蛭ヶ岳遠望3 56.シロヤシオ5 57.ツツジの群落4 58.ツツジの群落5 59.シロヤシオ6 60.蛭ヶ岳山頂2
61.ミツバツツジ13 62.シロヤシオ7 63.シロヤシオ8 64.不動ノ峰 65.シロヤシオ9 66.ミツバツツジ14
67.シロヤシオ10 68.シロヤシオ11 69.シロヤシオ12 70.ミツバツツジ15 71.ミツバツツジ16 72.蛭ヶ岳遠望4
73.ミツバツツジ17 74.ミツバツツジ18 75.ミツバツツジ19 76.ミツバツツジ20 77.ミツバツツジ21 78.塔ノ岳山頂の
ベンチ2
79.シカ3 80.塔ノ岳山頂の
モニュメント

 6月2日(水)、絶好の行楽日和となったので、約10年ぶりに大倉から丹沢・塔ノ岳(標高1491m)を目指す。このきっかけは、先月の箱根・金時山で、清楚なシロヤシオに出会え、更に大規模な群落が見られる塔ノ岳のそれを、撮影したくなったためである。ただ、大倉駐車場から塔ノ岳山頂までは、標高差が1200m以上もあり、しかも後半の登りは中々きつく、現在の私の体力ではいささか不安が残る。ただ、2008年9月の羊蹄山では、標高差1500mを一日で往復した実績もあり、それに比べれば、塔ノ岳はまだまだ楽なルートに思える。いずれにしても、塔ノ岳自体も、決して楽なルートではないので、気を引き締めて大倉に向かう。
 10:00、大倉駐車場に到着する。ここは、広大な収容スペースを有する施設であるが、何と平日は無料開放されている。10:20、早速身支度をして、大倉駐車場を後にする。車道を15分程進むと、杉林の奥に登山口が現れる。標識には、山頂までの距離と共に、"大倉尾根0"と番号がふってあり、ここが出発点であることが分かる。更に標識の下には、「緊急時は、上の番号を通報して下さい。」と記載されており、登山者の緊急事態に配慮した、安全システムと言える。所が、この周辺の一般道には、登山者の物と思しき車が乱雑に駐車している。僅か10数分下った所に、立派な無料駐車場があるにも拘わらずである。周辺の住民に迷惑をかけないためにも、登山者自身のモラル向上が望まれる。
 緩やかな坂道を登って行くと、20分程で分岐点が現れる。どちらのルートも、所要時間は変わらないので、今回は西側の"パノラマ展望台"コースを取る。だがこのコース、大倉高原山の家辺りから、伊勢原方面が一瞥できるだけで、全く実態を表していない。しかしながら、ここで水の補給が、20円で出来るのは何とも有難い。この小屋を過ぎた辺りから、道がフラットになり、モミジの林間コースを進む。昨日の北鎌倉同様、正に目に染み入るような新緑である。愈々、この先から傾斜がきつくなり、ガレ場の斜面を黙々と登って行くと、艶やかな"ヤマツツジ"も現れ、疲れた体を癒してくれる。
 12:00過ぎ、駒止茶屋(標高900m)に到着する。ここで、休憩を兼ねて昼食を取る。木々の切れ間から、表丹沢の三の塔(標高1205m)が望める。更に、薄暗い稜線を登って行くと、"ヤマツツジ"や"ツクバネウツギ"の花が、目を楽しませてくれる。所で、大倉尾根には、"馬鹿尾根"という不名誉な別名があるが、その理由の一つに、展望の利かない単調な尾根道を、延々と登ることにあると言われている。ただ、本日のように紫外線が強い日は、日焼けを嫌う女性方にとっては、格好のコースとなる。また、表尾根のようにアップダウンが激しくなく、家族連れや中高年の登山者に向く登山道でもある。上部の"金冷やし"同様、奇妙な呼称は慎むべきであろう。
 12:45、天神尾根分岐点(標高1100m)に到着する。新緑の"アセビ"が何とも美しい。広場のベンチでは、中高年の女性が弁当を開いている。空席が無いので、ここをそのまま通過する。この先から、愈々花立て山荘(標高1300m)への急登が始まる。それにしても、この登りは何ともきつく、玉の汗が滴り落ちてくる。ふと、足元を見ると、可憐な青色の花が目に留まる。ここで、立ち止まって数枚撮影し、更に登っていくと、次々とこの花が現れる。どうやら、形からして、"コケリンドウ"のようである。更に、黄色の"カタバミ"(Oさん&Aさんから後日御教授)のあとは、次々と"ミツバツツジ"の大群落が現れる。陽光を浴びて、一斉に花開いた感じで、正に壮観である。
 13:40、最後の急階段を登りきり、やっと花立山荘に到着する。遥か東方には霊峰・大山(標高1234m)が望める。ここで小休止後、更に塔ノ岳山頂を目指す。引き続き、"ミツバツツジ"が各所で開花している。行き交った女性の方によると、今年は"ミツバツツジ"の当たり年とか。断崖の雑木林の中にも、新緑の若葉に混じって、ピンクの"ミツバツツジ"が点在している。この光景を、超望遠で狙っていると、下山中の男性の方が、私の傍で立ち止まって見ておられる。立ち話をする中で、丹沢山(標高1567m)から戻ってこられる際に、塔ノ岳裏側で、満開の"シロヤシオ"を見かけられたとか。どうやら、この情報を伝えために、私が撮り終えるまで、待っていて頂いていたようである。何とも心優しい方である。最後の急坂を登りつつ、鍋割への分岐点(金冷やし)までくると、突如野生シカが現れる。角の形からして、昨年生まれた雄鹿であろうか。ふと崖下を眺めると、黄色の花が咲いている。ファインダーから見る限りでは、"オロフレ山"で見かけた、"イワオトギリ”か"ミヤマキンバイ"に似ているが、それとも違うようである。ここは、改めてAさんに伺うしかない。
 14:28、やっと塔の岳山頂に到達する。だが、先を急ぐせいか、不思議と感慨が沸いてこない。そこで、早々に周辺の山々の写真を撮り終え、塔ノ岳北面に向かう。先程の方がおっしゃったとおり、見事な"シロヤシオ"が、北斜面に群生している。花をアップで狙うと、綺麗なラッパ状に開いており、先月の金時山のものより、生き生きとしている。また、この北面には、"ミツバツツジ"も混在しており、"シロヤシオ"とのコントラストが何とも美しい。遥か遠くには、丹沢の最高峰・蛭ヶ岳(標高1673m)が、優美な山容を惜しげもなく見せている。その手前の山は、不動ノ峰(標高1614m)であろうか。嘗て、あえぎながら越えていった、思いで多き山々である。ふと、目を下に転じると、面白い格好をした"シロヤシオ"が目に留まる。風雪に耐え、このような形になったと思われるが、"シロヤシオの盆栽"ともいうべき姿をしている。ここで、30分以上も粘ったであろうか。羊蹄山で味わった恐怖の下山を避けるためにも、そろそろ切り上げ、塔ノ岳へと戻る。15:06塔ノ岳山頂を後にする。
 ややハードであったが、その甲斐あって、清楚な"シロヤシオ"や、艶やかな"ミツバツツジ"に出会え、有意義な一日となった。今後も、無理をしない範囲で、丹沢他の山々を楽しみたい。
《総歩数:27,500歩,登りの厳しさ:大倉〜駒止茶屋(▲〜▲▲),堀山の家〜花立山荘〜塔ノ岳(▲▲▲〜▲▲)》

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