*** 2009年11月24日 初冬の徳舜瞥 ***

1.オロフレ山1 2.オロフレ山2 3.オロフレ峠付近 4.徳舜瞥登山口
(五合目)
5.五合目付近
の沢
6.六合目付近
の樹林帯
7.六合目付近
の山道
8.徳舜瞥1
(7合目)
9.徳舜瞥2
(7合目)
10.徳舜瞥3
(7合目)
11.雪を被った
ダケカンバ1
12.雪を被った
ダケカンバ2
13.雪を被った
ダケカンバ3
14.枝垂れ雪1
(八合目付近)
15.枝垂れ雪2
(八合目付近)
16.八合目付近
の山道
17.雪饅頭
(八合目付近)
18.急斜面
(八合目付近)
19.羊蹄山遠望1
(八合目付近)
20.羊蹄山遠望2
(八合目付近)
21.ハイマツ帯
の積雪1
(九合目付近)
22.ハイマツ帯
の積雪2
(九合目付近)
23.ハイマツ帯
の積雪3
(九合目付近)
24.雪の花
(九合目付近)
25.雪のトンネル1
(九合目付近)
26.徳舜瞥山頂
の断崖
27.尻別岳1
(徳舜瞥山頂)
28.尻別岳2
(徳舜瞥山頂)
29.恵庭岳1
(徳舜瞥山頂)
30.恵庭岳2
(徳舜瞥山頂)
31.支笏湖
(徳舜瞥山頂)
32.ホロホロ山1
(徳舜瞥山頂)
33.ホロホロ山2
(徳舜瞥山頂)
34.ホロホロ山3
(徳舜瞥山頂)
35.ホロホロ山4
(徳舜瞥山頂)
36.ホロホロ山5
(徳舜瞥山頂)
37.ホロホロ山稜線
(徳舜瞥山頂)
38.光る洞爺湖
(徳舜瞥山頂)
39.綿帽子1
(徳舜瞥山頂)
40.綿帽子2
(徳舜瞥山頂)
41.光る粉雪
(徳舜瞥山頂)
42.雪のトンネル1
(八合目付近)
43.雪のトンネル2
(八合目付近)
44.徳舜瞥
のシルエット1
(八合目付近)
45.徳舜瞥
のシルエット2
(八合目付近)
46.夕日に染まる
ダケカンバ1
47.夕日に染まる
ダケカンバ2
48.夕日に染まる
ダケカンバ3
49.徳舜瞥
の夕暮れ1
50.徳舜瞥
の夕暮れ2
51.徳舜瞥
の夕暮れ3
52.徳舜瞥
の夕日1
53.徳舜瞥
の夕日2
54.徳舜瞥
の夕日3

 11月24日(火)、本日はまたとない快晴、雪景色を求めてオロフレ山に向かう。万一の登頂に備えて、一応軽アイゼンとスパッツは持参したが、登山口となるオロフレ展望台に向かう旧道は、積雪のため既に閉鎖されている。仕方がないので、オロフレ峠を下り、大滝区に向かう。40分程走ると、山頂に雲を被った徳舜瞥が姿を現す。ただ、山麓にも積雪があり、5合目の登山口まで行き着けるかどうか不明だが、駄目元で車を走らせると、意外とすんなりと登山口に到着する。この辺りで、10cm程度の積雪であろうか。ただ平日とあって、駐車場には他の車は全く見られない。従って、この先突発事故があっても、他の登山者に助けを求められない。また、深雪に対する備えもしていないので、ラッセル状態ともなれば、自分の体力を考えて、引き返さざるを得ない。いずれにしても、自己責任の完全単独行である。
 12:30、一応軽アイゼンとスパッツを装着し、気を引き締めて出発する。6合目辺りまで来ると、雲間から太陽が顔を出し、雪景色が急に立体感を増す。7合目の鞍部に出ると、雪を被った木々の間から、優美な徳舜瞥の頂が望める。この辺りで、積雪40〜50cm程度であろうか、雪も締まり快調に高度を稼いで行ける。ただ、8合目を過ぎた辺りから、急に雪が深くなり、しきりに左右に足を取られるようになる。更に、山道脇のダケカンバが、雪の重みで垂れ下がり、まるで雪のトンネルを潜る状態となり、足腰への負担も増してくる。それでも、8合目半辺りまでくると雲が切れ、白銀のハイマツ帯越しに、濃紺の空が望める。嘗て、中国・青海湖(標高約3200m)の高地で見た、吸込まれるような青さである。ふと足元を見下ろすと、ハイマツ帯の隙間から、雪を纏った小枝が顔を出している。"雪の花"とでも言うべき、中々可憐な姿である。
 9合目を過ぎると、足跡が途絶え山道を見失う。そこで、新雪に一歩踏み出すと、腰辺りまで潜ってしまう。最早これまでと諦めかけていたところ、消えかかった雪道の先に、辛うじて通り抜けできそうな雪洞を見つける。ここを、這うように潜り抜け、20分程前屈みになって進むと、急に視界が開け、やっと山頂に辿り着く。ただ、時既に15:00前、途中の雪中行軍がたたって、30分程余計にかかったことになる。山頂からは、道南の山々の大パノラマが展開している。正に絶景、だが"蝦夷富士"は、雲間に隠れたままである。早速、山の相棒I氏に無事登頂の一報を入れるが、電波の調子が悪く、直ぐに途切れてしまう。思えば冬山は、I氏との2002年2月の丹沢・蛭ヶ岳以来、単独行は今回が初めてである。それでも、絶景を撮影しつつ、山頂に留まること約20分、体が完全に冷え切ってきたので、急いで山頂を後にする。日は既に西に傾き、徳舜瞥の優美なシルエットを、ホロホロ山腹に映している。また、夕日がダケカンバをピンクに染め、えもいわれぬ雰囲気をかもし出している。夕闇が迫ってきたので、7合目手前で夕日を撮り終え、脱兎のごとく雪道を下る。
 今回は幸運が重なり、何とか雪の徳舜瞥山頂を究めることができた。またこの間、これまで見たこともない雪景色に出会え、苦労して登った甲斐があった。だが、こんな幸運は二度とないので、今後は軽はずみな登山を避け、雪山単独行も、これでお仕舞いとしたい。

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