*** 2009年8月26日,27日,29日 オーストリア・ウイーン ***

No.1〜5:8月26日, No.6〜42:8月27日, No.42〜96:8月29日

1.カナダ・
オタワ空港1
2.カナダ・
オタワ空港2
3.カナダ・
オタワ空港3
4.カナダ・
オタワ空港4
5.オンタリオ湖
(AC453便)
6.朝焼け
(AC9516便)
7.シュテファン
ドーム1
8.シュテファン
ドーム2
9.シュテファン
ドーム3
10.シュテファン
ドーム4
11.シュテファン
ドーム5
12.シュテファン
ドーム6
13.ケルントナー
ストリート1
14.ケルントナー
ストリート2
15.ケルントナー
ストリート3
16.カフェ・
ゲルストナー
17.K&M君
(ゲルストナー)
18.ベリートルテ
(ゲルストナー)
19.シトラウス公園 20.K&M君
(シトラウス公園)
21.夾竹桃
(シトラウス公園)
22.鴨
(シトラウス公園)
23.テセウス群像1
(カノーヴァ)
24.テセウス群像2
(カノーヴァ)
25.ミーラ&裸体
の若い娘
(クリムト)
26.バベルの塔
(ぺーター・
ブリューゲル)
27.バベルの塔の
模写風景
28.雪中の狩人
(ぺーター・
ブリューゲル)
29.農家の婚礼
(ぺーター・
ブリューゲル)
30.農民の踊り
(ぺーター・
ブリューゲル)
31.子供の遊戯
(ペーター・
ブリューゲル)
32.謝肉祭と
四節句の喧嘩
(ペーター・
ブリューゲル)
33.牛群の帰り
(ペーター・
ブリューゲル)
34.草原の聖母1
(ラファエロ)
35.草原の聖母2
(ラファエロ)
36.草原の聖母3
(ラファエロ)
37.薔薇色の衣裳の
マルガリータ王女
(ベラスケス)
38.青いドレスの
マルガリータ王女
(ベラスケス)
39.夏
(アルチンボルド)
40.冬
(アルチンボルド)
41.火
(アルチンボルド)
42.水
(アルチンボルド)
43.バラ1
(シェーンブルン
宮殿)
44.バラ2
(シェーンブルン
宮殿)
45.バラ3
(シェーンブルン
宮殿)
46.シェーンブルン
宮殿庭園
47.グロリエッテ 48.手入れされた植木1
49.手入れされた植木2 50.迷路庭園1 51.鴨
(迷路庭園)
52.フクシア1 53.フクシア2 54.フクシア3
55.フクシア4 56.日本庭園1 57.日本庭園2 58.日本庭園3 59.茶色のリス1 60.茶色のリス2
61.黒色のリス1 62.黒色のリス2 63.温室 64.入口正面の花壇
(温室)
65.百日紅の花
(温室)
66.赤い花1
(温室)
67.赤い花2
(温室)
68.薄紫の花
(温室)
69.アンスリューム
(温室)
70.白色のラン1
(温室)
71.白色のラン2
(温室)
72.白色のラン3
(温室)
73.ピンクのラン1
(温室)
74.ピンクのラン2
(温室)
75.カトレア1
(温室)
76.カトレア2
(温室)
77.朱色の花
(温室)
78.黄色の花1
(温室)
79.黄色の花2
(温室)
80.珊瑚花
(温室)
81.パボニア1
(温室)
82.パボニア2
(温室)
83.巨大ポトス
(温室)
84.オニバス
(温室)
85.宮殿の並木 86.M&K君
(ネプチューンの泉)
87.シェーンブルン
宮殿
(グロリエッテ)
88.シュテファン
ドーム
(グロリエッテ)
89.K&M君
(グロリエッテ)
90.ザッハトルテ
(グロリエッテ)
91.M&K君1
(カールス教会前)
92.M&K君2
(カールス教会前)
93.虹と新型路面電車
(リンク)
94.虹
(リンク)
95.コンサート1 96.コンサート2

 8月26日(水)、学会最終日であるが、午前中にホテルをチェックアウトし、オタワ空港に向かう。首都の空港にも拘らず、便数も少なく、空港内には長閑な雰囲気が漂っている。そのせいか、旅客機の離発着の合間に、セスナ機が"タッチアンドゴー"を繰り返しており、自家用機の練習場と化している。ここから、トロント空港で乗り継ぎ、翌日27日(木)朝、ウイーン空港で、T.M,A.K両君と合流する手筈である。
だが、大西洋のフライト時間は9時間、しかもエコノミークラスとあって、殆ど眠れないため、中々体力的にきついフライトとなる。 8月27日(木)、それでも1〜2時間は眠れたであろうか。ブラインドを開けると、東の空が茜色に染まっている。愛機も、この微妙な色合いを、旨く再現している。今度は、入国審査場を無事通過し、ベルト前で荷物を待っていると、タイミング良くK君と出くわす。ここで、M君とも程なく再会し、タクシーにてウイーン中心部にある旧K・Eホテルに向かう。今回は、フライトの関係で、アーリーチェックインとなるが、果たしてそれが可能か否か、出たとこ勝負である。ウイーンを訪問するたびに、何度となく宿泊したこのホテル、今は名前もフロントの顔触れも様変わりし、隔世の感がある。到着早速、交渉を開始したが、チェックインは14時とそっけない。仕方がないので、フロントに荷物を預け、周辺を散策して時間を潰す。先ず、シュテファンドームに向かう。ゴシック様式の尖塔は修復中で、その周りを屋根を写し込んだパネルで覆っている。だが、余りの違和感に、ドーム全景を撮影する気が失せる。中に入ると、多くの観光客でごった返している。祭壇前では、観光客のグループが、ガイドの説明に聞き入っている。以前は、ミサの時意外は観光客に開放されていたのだが、世知辛くなったもので、入場料をがっちり徴収している。折角なので、我々もチケットを買って、ガイド無しで巡回する。教会内には、西と北側にパイプオルガンが設置してあり、特に西側のそれが立派である。ここで、パイプオルガンの重低音が唸り出せば、正に背筋が寒くなるような感動を味わえるのだが!! オーディオマニア同士のK君と、そんな話をしつつ、教会をあとにする。次に、ケルントナー大通りを西に向かう。この一角も改装中で、重機の巨大な刃が壁に食い込んでいる。辺り一帯には粉塵が舞い飛び、その先が霞んで見える。埃を避け、皇室御用達のゲルストナーで一息入れる。伝統と格式を誇るこのカフェ、店内のショーケースには、お菓子の芸術品とも言うべき各種ケーキやチョコレートが、整然と並んでいる。この中から、"木いちごトルテ"を選び、オープンテラスの席で、味わうことにする。このケーキ、甘さも控えめで、濃いめのウインナーコーヒーと実に良く合う。愛機も、この微妙な色合いと質感を、見事に再現している。その後、ホテルのチェックインを済ませ、明日以降の列車の特急券購入のため、ウイーン中央駅に向かう。シュトラウス公園を過ぎ、中央駅付近に辿り着くが、肝心の駅舎が見当たらない。2年半前に訪問した際は、ウイーン・ヒルトン前に確かに存在したのだが、ホテルはそのままで、駅だけが消失してしまったことになる。本日のチケット購入係・K君が、度胸英語で聞きまくった結果、チケット売り場は、何と道端のコンテナ内と判明する。やれやれ、これで何とか明日以降のチケットが、確保できることになる。その後、ウイーン文化に直接触れるため、ウイーン美術史美術館を訪問する。ここで、ペーター・ブリューゲルの名画を激写していると、近くのソファーで一休みしていたM君が、船を漕ぎ始める。体力のある若者ですら、この有様なので、早めにホテルに戻って休むことにする。《翌28日は"レオベン"参照
 8月29日(土)、レオベン駅でアイヒルゼーダー教授と別れ、ウイーン南駅に向かう。今回は、海外ホテル予約サイト"Agoda"で検索した結果、駅前のP.Eホテルを予約したが、4ツ星にも関わらず、何と宿泊費は旧K・Eホテルの2/3である。サービスの点でも、最悪であった旧K・Eを、確実に上回ることを願うばかりである。所で、本日は休日でもあり、積極的にウイーンの文化に接することにする。そこで、先ず地下鉄を乗り継いで、シェーンブルン宮殿に向かう。私自身は、十数年前に宮殿内部は調査済みなので、両君と別れて庭園内を散策する。迷宮庭園を過ぎ、日本庭園に向かっていると、リスが飛び出してくる。動きが早く、カメラで追うのは中々大変だが、時々立ち止まって、愛らしい仕草を見せる。小雨が振り出したので、雨宿りを兼ねて、温室内を巡回する。19世紀後半に建設されたこの温室、総ガラス張りの重厚な造りで、周りに異彩を放っている。一番奥まで進むと、色あざかかなカトレアが咲いている。薄暗い中、オートで撮影する。改めて、撮影データを確認すると、何と感度はISO3200である。この高感度で、ノイズ一つないリアルな発色は、正に脅威的である。約束の時間が迫ってきたので、急いで宮殿に戻る。宮殿の庭先には、"グロリエッテ"が威容を誇っている。庭園を過ぎ、葛篭織れの坂道を登って行くと、宮殿の背後に、ウイーンの町並みが姿を現す。ウイーンの街全体を視界に取り込んだ、中々心憎い構成である。グロリエッテ自体は、18世紀後半に、プロイセンとの戦勝を記念して、建築されたそうであるが、今はカフェになっている。少々歩き疲れたので、ここで"ザッハトルテ"を注文して、一休みする。
 その後、地下鉄でウイーン中心部に戻り、国立歌劇場前を歩いていると、二人組みのチケット売りが近寄ってくる。これまで、中世風の衣装をまとった切符売りは、少々胡散臭いので避けてきたが、今回の二人は、政府公認とのことなので、少し冷やかしてみることにする。
ただ、チケットには、シトラウス/モーツアルトの夕べとあり、得体の知れない楽団の名前も記されている。そこで、断るつもりで、第九なら買ってもいいと言うと、何とその曲も入っているとのたまう。しかも、我々にはアカデミックディスカウントを適用して、10%引にしてくれるとのこと。相談の結果、騙されたつもりで購入を決める。夕食後、開演時間が迫ってきたので、コンサート会場に向かうが、行けども行けどもその場所が見当たらない。ひょっとして、騙されたかとも思ったが、30分程も探し回った挙句、方向感覚に秀でたM君が、ついにこの会場を発見する。ただ、舞台は室内楽に向く広さで、どう見ても第九の演奏は不可能である。それでも、演奏が始まると、音色/アンサンブル共中々素晴らしく、それなりに楽しませてくれる。流石に音楽の都ウイーンである。名もない演奏家ですら、客を楽しませる十分な技量を備えている。ふと10数年前の、リンツでのコンサートの光景が蘇る。当時は、ブルックナーハウスで、ヘンデルのメサイア全曲を拝聴したが、リンツ市民オーケストラと同合唱団による、アマチュア集団の演奏であった。だが、終盤のバロックトランペットは正に圧巻で、その艶やかな音色に聞きほれた記憶がある。その後、同名のCDを、オーケストラ違いで何枚も聞いたが、これに勝る演奏に、未だにお目にかかったことがない。我に返ると、終盤を迎え、オペレッタが上演されている。英国の人気ソプラノ歌手、サラ・ブライトマンには及ばないものの、中々張りのある美声である。やや満ち足りた気分で、会場を後にする。

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