*** 2008年12月31日 大晦日の鎌倉 ***

1.赤い花
(雲頂庵付近)
ウキツリボク?
2.雲頂庵への石段 3.松嶺院裏 4.居士林 5.観音像(居士林付近) 6.スイセン(居士林)
7.黄菊(居士林側) 8.福寿草の霜除け
(龍隠庵)
9.三門と松嶺院
(龍隠庵)
10.選仏場と仏殿 11.龍隠庵の岩壁 12.癒しの空間
(龍隠庵)
13.白梅(龍隠庵) 14.三門 15.大方丈の一角 16.観音像1
(大方丈)
17.観音像2
(大方丈)
18.正続院入口
19.如意庵入口 20.センリョウ
(黄梅院)
21.ミツマタの花
(黄梅院)
22.黄梅院の下り坂 23.露座の石仏1 24.露座の石仏2
25.富士&丹沢遠望1
(茶屋より)
26.富士&丹沢遠望2
(茶屋より)
27.仏殿前 28.ロウバイの花1
(東経寺)
29.ロウバイの花2
(東経寺)
30.ロウバイの花3
(東経寺)
31.境内の風景1
(東経寺)
32.境内の風景2
(東経寺)
33.境内の風景3
(東経寺)
34.境内の風景4
(東経寺)
35.観音像
(東経寺)
36.西田幾多郎の墓
(東経寺)
37.鈴木大拙の墓
(東経寺)
38.冬桜(東経寺) 39.ミツマタの花
(東経寺)
40.白い花(東経寺) 41.ボケの花1
(東経寺)
42.ボケの花2
(東経寺)
43.マンリョウの実1
(東経寺)
44.マンリョウの実2
(東経寺)
45.鶴岡八幡宮
の石段
46.表参道の参拝客 47.鶴岡八幡宮 48.三の鳥居
49.若宮大路 50.二の鳥居 51.サーファー1
(由比ガ浜)
52.サーファー2
(由比ガ浜)
53.親子連れ
(由比ガ浜)
54.江ノ島と富士1
(稲村ガ崎)
55.江ノ島と富士2
(稲村ガ崎)
56.江ノ島と富士3
(稲村ガ崎)
57.波打ち際
(稲村ガ崎)
58.相模湾の日没1
(稲村ガ崎)
59.相模湾の日没2
(稲村ガ崎)
60.相模湾の日没3
(稲村ガ崎)
61.相模湾の夕焼け1
(稲村ガ崎)
62.相模湾の夕焼け2
(稲村ガ崎)
63.七里ガ浜の
夕暮れ1
64.七里ガ浜の
夕暮れ2
65.富士の夕暮れ1 66.富士の夕暮れ2
67.江ノ島の
夕暮れ1
68.江ノ島の
夕暮れ2
69.134号線
(鎌倉高校前)
70.江ノ電鎌倉高校前

 12月31日(日)、EOS5D MarkUの試写のため、鎌倉/江ノ島方面に出かける。この周辺の風景は、何度もHPに掲載しているが、訪れる度に新しい発見がある、中々魅力的な散策コースである。今回は、先日の大山とは異なり、多種多様な被写体にて、愛機の描写力をチェックする予定である。
 12:00、北鎌倉駅で下車し、ここから円覚寺裏手の別院・雲頂庵に向かう。急な階段の脇には、艶やかな山茶花が彩りを添えている。円覚寺境内に入ると、大晦日のせいか、三々五々、清掃に勤しむ僧の姿が見られる。その脇を抜けて、"龍隠庵"に足を向ける。この奥は、鎌倉石の崖で行止まりとなっており、本道から外れた所に位置するせいか、観光客は殆ど見かけない。"龍隠庵"とは、正に言いえて妙である。石段を登りきり、寺院の中庭に一歩足を踏み入れると、図らずも"いらっしゃい"と声がかかる。風貌からすると、どうやら、檀家の方のようであるが、更に、"ポットにお茶が入っているので、ゆっくりして行って下さい"と仰る。お言葉に甘えて、暫し"癒しの空間"で、一息入れる。帰り際、円覚寺境内を撮影しつつ、ふと足元を見ると、藁製の覆いが目に留まる。聞けば、何と福寿草の霜除けとのこと。なるほど、土の中から、1cm程度の新芽が顔を出している。生物に対する細やかな愛情が感じられる、何とも心温まる光景である。
ここから、道々撮影しながら、一番奥の黄梅庵に至る。帰路、露座の石仏を撮影する。前回の大山同様、石仏の微妙な階調は言うに及ばず、艶やかな苔の緑も、見事に再現している。これも、DIGIC4の威力で有ろうが、改めて、10年来愛用している標準ズーム(CANON EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM)の描写力に、惚れ直した感がある。
 円覚寺を後にして、嘗ての尼寺・東慶寺を訪問する。拝観料を払い、境内に一歩踏み入れると、艶やかなボケの花が目に留まる。この花には、直射日光が当たっており、正に白トビを起こしそうな被写体である。だが、実写画像は、白トビは最小限に抑えられ、花の色調も、見事に再現できている。気を良くして、"ロウバイ"の花の写真を撮りつつ、墓苑へと進む。鬱蒼とした林の奥には、日の当たる空間があり、新緑の竹林と紅葉が、風に揺れている。墓所とは言え、正に心が洗われる瞬間である。所で、この墓苑には、著名な哲人が眠っており、最初に西田幾多郎の墓所を訪れる。言わずと知れた、京都学派の開祖であり、同学派の和辻哲郎,谷川徹三の墓も周辺に有り、彼等の親交の深さを、窺い知ることが出来る。ふと、日本初のノーベル賞受賞者・湯川秀樹の随筆"旅人"の一節が、脳裏を掠める。改めて、この本を紐解いて見ると、旧制中学時代に、西田幾多郎の"善の研究"に親しんだとある。"旅人"自体は文章も読み易く、手本とすべき名文であり、文人・湯川秀樹を髣髴させる。この卓越した文章力は、幼少時代からの四書五経の勉学により、培われたものであろうか。
 少々道草したので、ここから早足で、由比ヶ浜に向かう。大晦日とあってか、多くの家族ずれが、波打ち際で戯れている。更に、夕暮れ時の富士を求めて、稲村ガ崎を目指す。約30分で辿り着くと、多くのアマチュアカメラマンが、高台の絶好の場所を確保しつつ、じっと日没を待っている。正に、"カメラの放列"である。仕方がないので、波打ち際まで降り、ここでじっくりと夕日を狙う。30分も、粘ったであろうか。夕日が、伊豆半島上空を真赤に染め、天城山(2003年8月I氏と登頂)辺りに、沈んで行く。日没後は、西の空が茜色に染まり、えもいわれぬ美しさである。この微妙な色調も、愛機は旨く再現している。画像ソフトで補正することなく、そのままWEBに掲載できるとは、何とも有難い。
 ここから、青春ドラマの舞台となった江ノ電・鎌倉高校駅前に向かう。駅の手前まで来ると、既に2人の鉄道マニアが、歩道いっぱいに三脚を立て、電車を狙っている。だか、此方は、彼等にはお構い無に、手持ちオートで撮影する。この暗さにも拘わらず、ノイズも目立たず、自然な夜景を再現できている。改めて撮影データを確認すると、F4.0,1/40,ISO 2000を示している。この自動感度設定機能は、今後も夜景を撮影する際に、中々重宝しそうである。所で、この鎌倉高校が、共同研究相手先のワーカム北海道・Y社長の母校に当たるのも、何かのご縁であろう。夕闇迫る中、江ノ島モノレール駅へと急ぐ。
 今回、愛機の性能チェック第二段のため、鎌倉/江ノ島方面を散策した。真赤なボケの花,夕日,夕焼け等の再現性,夜景撮影の際のノイズの有無等、全て満足の行くものであった。年明け後半のタイ/カンボジア出張時には、亜熱帯のカラフルな被写体を撮影し、一連の試写を終えたい。

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