*** 2008年12月29日 大山登山 ***

1.大山ケーブル
への道
2.クロガネモチの実 3.ミツマタの花 4.大山寺石段 5.石段脇の童子像
6.阿夫利神社下社1 7.阿夫利神社下社2 8.天狗像
(阿夫利神社下社)
9.鳥居
(阿夫利神社上社
手前)
10.阿夫利神社上社
11.丹沢山系 12.不動ノ峰と
丹沢山
13.塔ノ岳 14.傘富士 15.白い綿毛の木

 12月27日(土)朝、帰省の途に着く。本来なら、26日の午後の便で、羽田に向かう予定であったが、低気圧がもたらした雪嵐のせいで、新千歳発のフライトが全便欠航となったため、一日遅れの帰京となった。その結果、同日僅か1時間以内に、不思議な出会いを、二度も体験することになる。先ず最初は、京急品川駅で下車した際の珍事である。東工大・萩原研究室に向かうため、JRの改札に向け京急のホームを歩いていた所、私に近寄ってくる人が目が留まる。振り向くと、何とメーカ在職時に、よく山に御一緒したWさんである。聞けば、今もAさん等"さんしょの会"の仲間と共に、近郊の山に出かけられているとのことである。お元気で何よりである。それにしても、何たる奇遇であろうか。
 次は山手線内の出来事である。品川駅構内で遅目の昼食をとったあと、山手線に乗車する。席に腰掛け、目黒に向かっていると、室工大のN先生にそっくりの方が、途中駅から乗り込んでくる。まさかと思いつつ、声を掛けると、やはりN先生ご本人である。聞けば、"感性工学会"の忘年会に、急遽室蘭から駆け付けられたとのこと。私同様、豪雪のため、一日足止めを食った上での御来京である。所で、N先生は、私がこれからお邪魔する萩原先生とも、この学会で繋がりがあるとか。以上、本日の"シンクロニシティー"を繋ぎ合わせると、NHKの朝ドラ"だんだん"の主題歌を彷彿させる。即ち、"袖摺りあうも多生の縁と、古くからの伝えどおり、この世で出会う人とは、すべて見えぬ糸でつながっている。・・・・"というフレーズである。余りにも出来過ぎているので、ひょっとして、"雪神様"が仕組まれた、二期一会(?)とも言うべき、出会いであったのかも知れない。
 12月29日(月)、穏やかな冬日に、何時もの相棒I氏と共に、大山に向かう。今回は、待望の新型デジタル一眼レフ(CANON EOS5D MarkU)入手後の最初の登山である。購入に当たっては、以前ヨーロッパ線の機内でお会いしたXさんと情報交換し、その高性能ぶりを確認していたので、迷わず予約を入れたが、人気機種とあってか、入手に1ヶ月以上も要してしまった。それでも、待った甲斐あって、多くの"改善"が盛込まれている。先ず特筆すべきは、CMOSセンサーが2110万画素となり、解像度が格段にアップしたことである。次は、液晶ディスプレイが、明るく鮮明になった点である。更に、CMOSセンサーのセルフクリーニング,レンズの周辺光量補正等、高画質を維持するための機能が、ふんだんに盛込まれている。しかも、旧機種より安価とあっては、正に良いこと尽くめのようであるが、その実態については、以下の登山レポート中で記す。
 9:00小田急伊勢原駅に集合し、ここから神奈中バスにて大山ケーブル駅に向かう。バスの出発時刻になると、何処ともなく登山客が集まってきて、車内は満席状態である。約20分で終点に到着する。ここで、身支度をして歩き始める。最初に、ケーブル駅に向け階段を登っていくI氏の後姿を撮影する。ただ、このシャッター音、何とも頂けない。以前の5Dが重厚な音であったのに対し、MarkUは興ざめするような安っぽい音である。性能に関係ないとは言え、これから何度も聞かされる音なので、この辺り、もう少し細やかな配慮が必要であろう。
 ケーブル駅の脇を過ぎると、男坂と女坂の分岐点が現れる。今回も楽をして、女坂を選択する。ミツマタの花咲く道を、暫く歩むと、"子育て地蔵"が現れる。首の涎掛けは色褪せ、5Dでは白飛びを起こしそうな、被写体である。MarkUで試写してみると、この微妙な色調を、見事に再現している。"改善"の効果、ありありである。
 約30分で大山寺に到着する。石段を登りながら、両側の"童子"を撮影する。PCに取り込み、改めて画質をチェックしてみると、この青銅の質感を、実にリアルに再現している。大山寺を通り抜け、急な坂道を30分程登ると、男坂との合流点に到る。一本道を更に歩むと、壮大な下社が姿を現わす。その石段下の茶屋では、呼込みが金切り声を上げ、少ない客の争奪戦を繰り広げている。これを振り切り、下社の裏手で小休止する。ふと見上げると、"大天狗"が掘り込まれた、巨大な石碑が目に留まる。コントラストが低く、画像チェックには、正にうってつけである。PC上で撮影画像を見ると、この微妙な階調も旨く再現している。前述の"朱色の涎掛け","童子"同様、新映像エンジン"DIGIC4"の威力であろうか。
 13:00過、やっと山頂に到達する。I氏は、既に宴酣であり、私も早速ザックを開いて、一息入れる。その後、大山の裏手に回り、丹沢山系の名峰を、順次撮影する。残念ながら、白い峰は望めないが、西の空には、傘雲を頂いた富士が浮かんでいる。それも、瞬く間に、雲間に隠れてしまう。正に、一瞬の出来事であり、何か得をしたような気分である。撮影した画像も、この微妙な雲の濃淡を、略忠実に再現している。これも、"DIGIC4"の改善効果であろう。従って、今回の殆どの写真は、画像編集ソフトで補正することなく、掲載することが出来た。ソフトの用途が、ダウンサイジングのみとは、嬉しい限りである。
 ここから、ヤビツ峠を経て、蓑毛に向かう。所で、このルート、4年半前に、I氏や東工大・萩原研究室の方々と共に下った、思い出多き道である。記憶力の良いI氏は、当時の休憩場所まで覚えている。私は逆に、ロシア人美女達の、その後の様子が気になる。そんな余計なことを考えつつ、ヤビツ峠手前まで下って来ると、道の外れに、寒桜のような白花が目に留まる。ブッシュを掻き分け、近付いてみると、何と花ではなく、白い綿毛が密生している。私には、この"木"の名前は特定できないが、何とも"気"になる存在である。
 今回、I氏と共に、久々に大山に挑戦した。登山のスピードは、今一つであったが、新調したカメラは、期待に違わず、高性能ぶりを発揮してくれた。年内に、更にカラフルな被写体で、描写性能をチェックし、WEB上で結果を報告したい。

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