*** 2008年2月17日, 24日 冬の道南 ***

2月17日 洞爺湖
1.昭和新山1 2.昭和新山2 3.洞爺湖1 4.洞爺湖2 5.中島1
(洞爺湖)
6.洞爺湖3 7.洞爺湖4 8.西山火口1 9.西山火口2 10.西山火口3
11.サイロ展望台1 12.洞爺湖遠望
(サイロ展望台)
13.中島
(サイロ展望台)
14.有珠山遠望
(サイロ展望台)
15.昭和新山遠望
(サイロ展望台)
16.洞爺湖温泉街
遠望
(サイロ展望台)
17.地吹雪1
(サイロ展望台)
18.地吹雪2
(サイロ展望台)
19.地吹雪3
(サイロ展望台)
20.ザ・ウインザー
ホテル
洞爺遠望

2月24日 徳舜瞥&羊蹄山
21.雪原1 22.有珠山&
昭和新山
23.昭和新山 24.有珠山1 25.有珠山2
26.徳舜瞥山1
(大滝区入口)
27.徳舜瞥山2
(大滝区入口)
28.長流川1
(大滝区入口)
29.長流川2
(大滝区入口)
30.長流川3
(大滝区入口)
31.徳舜瞥山3
(登山口)
32.徳舜瞥山4
(登山口)
33.徳舜瞥山5
(登山口)
34.徳舜瞥山6
(登山口)
35.徳舜瞥山7
(登山口)
36.雪原2
(徳舜瞥登山口)
37.雪原3
(徳舜瞥登山口)
38.雪かき
(徳舜瞥登山口)
39.農家1
(徳舜瞥登山口)
40.雪景色
(徳舜瞥登山口)
41.ホロホロ山&
徳舜瞥山1
(三階滝町)
42.ホロホロ山&
徳舜瞥山2
(三階滝町)
43.ホロホロ山&
徳舜瞥山3
(三階滝町)
44.徳舜瞥山8
(三階滝町)
45.ホロホロ山
(三階滝町)
46.地吹雪1
(真狩村)
47.凍結路(真狩村) 48.雪に閉ざされた
ロッジ
(羊蹄山自然公園)
49.昆布岳
(真狩村)
50.羊蹄山
(真狩村)
51.尻別岳
(真狩村)
52.夕暮れ1
(真狩村)
53.夕暮れ2
(真狩村)
54.夕暮れ3
(真狩村)
55.羊蹄山頂の
夕日1
(真狩村)

 2月17日(日)、穏やかな冬日和となったため、雪景色を求めて、洞爺湖/羊蹄山方面に向かう。幹線道路に出ると、積雪は全く見られず、順調に距離を稼いで行く。また、途中、凍結路等の危険な箇所も無く、1時間余で、昭和新山の駐車場に到着する。普段は、係員がせっせと、駐車料金を徴収するのだが、冬季は彼等の給料に見合った収入が得られないせいか、無料開放されている。その証拠に、観光客は僅か一組のみで、その御一行も、記念撮影をするや否や、脱兎の如く去って行く。ただ、このように、閑古鳥が鳴いているにも拘わらず、過半数の土産物店が営業中である。中々商魂逞しいが、多分団体客目当てであろう。ここから、洞爺湖畔に下る。
 此方も、観光客は見当たらず、寒々とした光景が広がっている。車から降り、早々に湖畔の風景を撮影したのち、西山火口に向かう。数分で、駐車場前に到着するが、何と"冬季間閉鎖"の看板が立掛けられており、土産物店も、硬くシャッターを下ろしたままである。仕方がないので、駐車場から望遠ズームで、西山火口から立ち上る噴煙を狙う。
気のせいか、普段より噴出ガスの量が、やや多いように思える。
 次に、洞爺湖全景を収めるため、西端の高台に位置する展望台を目指す。カルデラの急坂を登り切ると、本来なら、雄大な羊蹄山が現れる筈だが、付近一帯、猛烈な地吹雪が荒れ狂い、一寸先も見えない状態である。これでは、とても、羊蹄山まで行き着けないので、取り敢えず、直ぐ先のサイロ展望台まで、様子見に行くことにする。到着すと、展望台全体が深雪に覆われ、絶景ポイントに到る道は、完全に閉ざされている。仕方がないので、サイロ裏側に回り、地吹雪が治まるのを待って、洞爺湖周辺を、写真に収めることにする。先ず最初に、標準ズーム(CANON EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM)で全景を撮影したあと、風に背を向けて、望遠ズーム(CANON EF70-200mm F4L IS USM)に交換しようとした所、この瞬間にも粉雪が胸元に回り込み、レンズやミラーにこびりついてしまう。正に、"カルマン流(渦)"のなせる業である。これでは、撮影続行不可能なので、車に戻って粉雪を掃ったあと、車中から地吹雪を狙う。そうこうするうちに、厚手の防寒着で完全武装した観光客が、ドアを開けて飛び出してくる。何と、こんな悪天候の中でも、
店は営業していたことになる。昭和新山の店以上の商売熱心さに、脱帽するばかりである。帰路、ふと見上げると、2008年サミット会場となる"ザ・ウインザーホテル洞爺"が、天上に浮かんでいるように見える。嘗てのバブルの象徴が、サミットの晴れ舞台として蘇った訳であるが、何ともその行方が気になる存在である。そこで、準備状況を確認すべく、そちらに向かったものの、途中で"目の前が真白"になってしまう。これを、登山用語で"Whiteout"と呼び、方向感覚が失われてしまう、非常に危険な状態である。これ以上は無謀と悟り、Uターンして室蘭に戻る。
 2月24日(日)、連日の大荒れの天気が収まり、午後には晴間も見られるようになったため、急遽羊蹄山に再チャレンジする。また、ひょっとして、新雪に輝く"徳舜瞥山(標高1309m)"も、拝めるかもしれないと考え、洞爺湖の東側を巡って、羊蹄山に向かうことにする。ただ、ここ数日の悪天候のせいで、室蘭市内でさえ、各所で路面が凍結しており、不安を抱えながらの出発である。伊達市内に入ると、くっきりとした有珠山と昭和新山が、垣間見られるようになる。
国道37号線を右折して、昭和新山の東側に向かう。雪原の脇に駐車して、茶褐色のこの山を眺めていると、山自体が、この畑から隆起したことが実感できる。ここから大滝地区に向け、国道453号線を直走る。近づくにつれ、純白の"徳舜瞥山"の頂が、一瞬姿を見せるようになる。雲間に隠れてしまわないことを願いつつ、登山口となる旧大滝村への道を急ぐ。目的地手前まで来ると、白銀に輝く"徳舜瞥山"が、惜しげもなく、その雄姿を見せてくれる。ここで、じっくり腰を据えて、この光景を撮影したあと、登山口へと向かう。所が、直ぐに行止りとなり、この先に鎮座する頂が、名実共に"高嶺の花"に思えてくる。車を下り、新雪に一歩踏み出すと、優に50〜60cmは潜ってしまう。それでも、この"女神"に少しでも近づくべく、ロングスパッツを着けて、深雪に分け入る。ラッセルしながら、望遠レンズ(CANON EF300mm F4L IS USM)の構図が決まる所まで、何とか辿り着く。ここで、3本のレンズを使い分け、この神々しい光景を撮影する。満ち足りた気分で、登山口を後にする。
 その後、国道276号線との合流点に向け、曲がりくねった峠道を走っていた所、突然林の切れ間から、純白のホロホロ山(標高1322m)と、端正な山容の徳舜瞥山が姿を現す。本来なら、駐車すべき場所ではないが、ここで車から降り、この見事な光景を物にする。最後に、"蝦夷富士"の雄姿にも出会えることを願いつつ、真狩村へと急ぐ。
 30分程走ったであろうか。真狩村に近づくにつれ、天候が急変し、地吹雪が荒れ狂うようになる。更に、村唯一の信号機まで来ると、何とニセコに向かう幹線道路が、路面凍結で通行止めになっている。それでも、脇道を探しつつ、何とか羊蹄山自然公園まで辿り着く。此方も地吹雪が舞い、剥き出しとなった路面は、完全に凍結している。公園事務所も雪に覆われ、まるで深い眠りに入っているようである。車外に出ることなく、早々に真狩村に舞い戻り、ここでじっくりと、夕暮れの羊蹄山を狙うことにする。この間、山頂の雲海が晴れることを狙いつつ、車内でじっと待つことにする。結局30分程も粘ったが、山頂は姿を見せず、代わりに、茜色に染まる雲海や、周辺の山々の夕焼を撮影して、真狩村を後にする。
 山間路を、30分も走ったであろうか。薄暗闇の中から、突如キタキツネが顔を出す。そのまま暫く走ると、道端の電光掲示板が、何と−12.2℃を指している。路面もアイスバーン状態で、スタッドレスタイヤで走破するには、中々厳しい環境である。実際、発進/停止時にスリップし、車の方向が定まらない。ここで、改めて気を引き締め、慎重運転で室蘭を目指す。

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