*** 2003年4月27日 牧野植物園でのお茶会 ***

1.牧野植物園 2.牧野植物園 3.温室の花 4.温室の
ブーゲンビリア
5.サツキの大木
6.サツキと蜜蜂 7.サツキと蝶 8.サツキアップ 9.中国美女と
F君
10.中国美女3名
(博士課程)
11.記念撮影 12.茶会01 13.茶会02 14.S&I君 15.記念写真


 4月27日(土)、日本語教育担当のK先生のお世話で、本学の留学生のためにお茶会を催して頂くことになり、世話役
のKさん,Rさんと共に、総勢20数名で会場となる牧野植物園に出かける。今回は、K先生のお知り合いの石州流のN,
T両先生を始め多くの方々のお世話になる。参加したのは、今春入学した博士課程留学生が殆どであるが、短期の修士
課程留学生も一人含まれている。国別では中国出身者が圧倒的に多いが、オーストリア,タイ,ニジェール,ネパール
出身者も夫々一人づつ混じっている。
 茶会の前に一時間程園内を散策する。今はサツキの花盛りで、びっしりと花を付けた幅10m以上も有る見事な大木も
見られる。一方公園内の温室には、名前不詳の熱帯の花やブーゲンビリアも咲いている。温室を抜け別のサツキの大木
の前で休憩する。蜜の匂いに誘われて、熊蜂やアゲハチョウが飛んで来る。蝶の後を300mm望遠で追うが、動きが早く
追いつくのが精一杯である。F4開放1/250でシャッターを切ったが、後で写真を見てみると羽根の先端がぶれているこ
とが確認出来る。羽根の動きは意外と早いようである。後日ダイレクトプリントを依頼したところ、蝶の足に付着した
花粉の粒まで判別できる。このレンズ(CANON EF300mm F4L IS USM)を使いこなすのは難しいが、稀にこのような写真が
撮れると嬉しくなる。常用のズームレンズに交換し、サツキの大木の前で記念撮影をする。
 この後全員で茶席に向かう。今回の流派は、大和小泉藩主片桐石州(1605〜1673)を開祖とする"石州流"である。石州
流は大名達に広がったことから大名茶とも呼ばれ、土佐山之内家でもこの流派が脈々と受け継がれ、現在に至っている。
茶室は比較的広く、床の間には"一期一会"と書かれた簡素な軸が掛けられている。ここで、その語源について会の主催
者であるN先生に解説していただく。この語句は、茶道では井伊直弼の著書「茶湯一会集」に初めて登場し、"一期"とは
一生涯のこと、"一会"とはただ一回の出会を意味するそうである。噛み砕いて言うと、我々は人や出来事に何度も出会
うが、考えてみるとその時の出会いはその時の一度きりで、二度と同じ機会がある訳ではないので、何度出会いを重ね
ても、やはり毎回「一期一会」である。従って、何時何処でも会える相手でも、同じ時は二度と来ないので、もてなす
方ももてなされる方も互いに相手を敬い、万事に心を配らなければならないという意味合いだそうである。実に薀蓄の
ある名言である。
 所で、オーストリアからの短期留生F君とも不思議な出会である。今から11年前に遡るが、I自動車勤務時代にエン
ジン冷却解析ソフト導入のため、オーストリアのSteyr社を訪問することになった。当時のSteyr社の解析責任者は、
Dr.W.Eichlsederであったが、その後も順調に昇進して開発全体の責任者にまでなった。所が、5年前にあっさりと要職
を捨て、F君の母校であるMontan大教授に転出してしまった。当時私はその話を聞いて、彼と二度と会うことは無いと
思っていたが、青天の霹靂で私自身も昨年春から彼と同じ道を歩むことになり、此方から挨拶状を出したことから彼と
の交流が復活した。昔一緒に仕事をした仲間は有り難いもので、彼のお陰で昨年10月にMontan大と高知工科大との交流
協定締結が実現した。F君が学生交流の第一号である。
 少し脱線したので元に戻す。適度な緊張の中で、格調高い石州流のお茶会は約一時間で終了した。留学生も中々堂に
入ったもので、流石に博士課程の学生さんとのお褒めの言葉を頂戴した。また主催者のN先生から一期一会の由来から
御指導頂き、留学生と共に日本文化の奥深さを味わうことができた。ここに改めてお世話になった石州流の方々に謝意
を表すと共に、また機会があれば留学生とともに石州流のお茶会に列席したい。

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