*** 2002年6月1日 四国 三嶺 (みうね,さんれい) ***

1.白髪山 2.剣山1
(白髪山から)
3.三嶺1
(白髪山から)
4.ツツジ
(白髪山)
(ミツバツツジ類)
5.三嶺2
(白髪山から)
6.三嶺3
(尾根道)
7.三嶺への
尾根道
8.白い花1
(三嶺への尾根道)
(ツマトリソウ)
9.白い花2
(三嶺への尾根道)
(マイヅルソウ)
10.三嶺4
(尾根道)
11.剣山2
(三嶺への尾根道)
12.三嶺5
(尾根道)
13.I氏
(人面岩?)
14.剣山3
(三嶺直下)
15.白い花3
(三嶺直下)
(ミヤマハタザオ)
16.三嶺9
(直下)
17.コガタの
キンポウゲ
(三嶺直下)
18.大型の
スミレ
(三嶺直下)
(タチツボスミレ?)
19.三嶺山頂1 20.西尾根
(三嶺山頂から)
21.剣山4
(三嶺山頂から)
22.三嶺9
(非難小屋)
23.コメツツジ
(三嶺山頂)
24.I氏&酒井
(三嶺山頂)


 6月1日(土)に高知赴任後の2回目の登山として、剣山系の名峰三嶺(1893m)に白髪山ルートより挑戦する。
今回は京都の実家からの帰りに、高知まで足を延ばして頂いたI氏も一緒である。彼とは、3月の丹沢桧洞丸
以来の再会である。
 土佐山田の宿舎を朝7時過ぎに出発し、国道195号線の大栃,影,を経て先ず一般登山口となる光石登山口
へと向かう。ここから更に林道を進み、標高1450m付近の白髪山登山口前に駐車する。我々が車を停めていると、
上から下まで迷彩模様で決めた若者が白髪山に向けて出発しようとしている。
 9時過ぎに先程の若者を追って白髪山へと向かう。南国高知のせいか、緑豊かで丹沢に比べて木々も生き生き
している。ただ、登山路は小さな雲霞や蝿が多く、喘ぎながら登っている際に吸い込みそうで煩わしい。道端の
花崗岩と思しき石に腰掛けようとすると、急に白色の水成岩に変わる。何と、石の上にはびっしりと、小さな蝿
が集っているのである。1時間程で、予定通り白髪山(1770m)に到着する。山頂付近には、未だ深紫色の躑躅が咲
いており、丹沢のトウゴクミツバツツジに比べて、色が濃く更に艶やかである。白髪山頂の北側には雄大な三嶺
が眼前に迫り、東側遠くに、険しい次郎笈(1879m)その奥にはなだらかな剣山(1955m)が望める。
 白髪山頂で小休止後、尾根伝いに剣山方面に向かう。途中、木の間から雄大な三嶺が望める。道端には可憐な
白い花が咲いているが、私には名前が判からないので、A博士に特定していただく為、息を凝らしてシャッターを
切る。一時間程で三嶺と剣山の分岐に出る。ここから尾根道を三嶺に向かって進むが、アップダウンが激しく
スピードが上がらない。三嶺に近づくにつれ、露出した岩肌が現れ山容が一変する。ガイドブックに、日本アル
プスにも劣らぬスケールと有るが、正にその通りである。山頂から西熊山、天狗塚にかけての西尾根はスケール
が大きく、後日改めて踏破してみたい気がする。山頂直下では、可憐な花が風に舞っている。黄色の花がキンポ
ウゲ類と判かるが、二枚舌を上下に広げた様な4弁の白い花があちこちに咲いている。”あっかんベー”をして
いる様でも有り、中々愛嬌がある。
 I氏が山頂直下で、初老の男性と立ち話をしている。近寄って聞けば、山らしい山は三嶺位しか残っていなく、
三嶺のみ年に何回か来られるとの事である。はるか剣山を眺めると、山頂近くまで山腹を抉った車道が続いて
いる。石川達三の小説に"傷だらけの山河"と言う名著が有ったと記憶しているが、昨今四国の山々まで自然破壊
が及ぶとは、石川先生も予想だにされなかった事と思う。
 三嶺山頂を過ぎ避難小屋まで下ると小さな池が有り、ここから眺める三嶺は実に趣がある。写真撮影後、元来
た道を頂上まで戻ろうとすると、I氏が白色のコメツツジの花を見つける。蕾は米粒大で丸く、"コメツツジ”と
は正に言い得て妙である。
 ここで道草をして、躑躅の由来について考察する。躑躅とは難しい字を書くが、物の本に因ると「てきちょく」
とも読み、たたずむ,足踏みする,地団太を踏む,といった意味があるとの事である。古文献に「羊この花を食
えば躑躅して弊る・・・」と有り、由来そのもは恐ろしい話から来ている。また『万葉集』には既に躑躅の名が
見え、まだ恋も知らぬ少女を"つつじ"、"さくら"に例えた歌があるそうである。桜については、"ウバザクラ"の
言葉にも有るとおり、少女に例えるには抵抗が有るが、"コメツツジ"は正に『万葉集』の"つつじ"そのものを意味
しているのではないかと思える。
 道草をしている内に、ガスがかかって視界が効かなくなって来たので、急いで山頂に戻る。山頂では岡山からの
登山隊が丁度休憩中であったので、記念撮影のシャッターを押していただき下山にかかる。
 今回は四国に赴任後の第二段として、I氏と共に自然豊かな三嶺に挑戦した。I氏は先月屋久島の宮之浦岳を踏破
したばかりとあって、そのスピードについていけなかったが、私自身十分山登りの楽しさを堪能する事が出来た。
機会があれば、別のルートからまたI氏と共に挑戦したい。

総歩数:25,000歩
登りの厳しさ:★★

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