*** 2002年4月27日 四国 御在所山 ***

1.御在所山
登山口
2.山里
(大屋敷)
3.平家観音像
石碑
4.ツツジ1
(平家観音像
石碑)
5.紫の花
(キランソウ)
(鳥居前)
6.ツツジ1
(鳥居前)
7.ツツジ2
(鳥居前)
8.石段登山道
(鳥居前)
9.香北町の
山並
(尻見坂)
10.石段
(尻見坂)
11.スミレ
(タチツボスミレ)
(尻見坂)
12.狛犬
(尻見坂)
13.薬師如来
(尻見坂)
14.石仏群
(尻見坂)
15.韮生山祗神社
16.御在所山
山頂
17.四国連山 18.夫婦松1 19.夫婦松2 20.夫婦松3


 4月1日より高知工科大に赴任以来、オフィスから望める豊かな乳房にも似た山が気になっていたが、不明のまま
3週間が経過した。先週、秘書のYさんに思い切って尋ねて見た所、わざわざこの辺りの情報に詳しい先生に聞いて
頂き、結局この山は四国百名山の一つである御在所山(1079m)と判明した。そこで、四国最初の登山として4月27日
(土)にふくよかな御在所山に挑戦する事にする。
 宿舎の土佐山田町を朝10時半頃出発し、国道195号線の梅久保を経て大屋敷(標高400m弱)へと向かう。大屋敷への
山道は完全舗装されており、セダンでも全く問題無く通れるが、カーブが多く慎重な運転が必要である。
11時過に登山口である木馬茶屋に到着するが、店は閉めたままで閑散としている。店の前の無料駐車場に車を停め、
葛篭折の山道を暫く進むと、道端に平家観音像の石碑が現れる。ガイドブックによれば、この辺りは平家落人伝説
の集落で、山頂の韮生山祗神社には安徳天皇と平教盛が合祀されているとの事である。尚、鈴鹿山系の御在所山
(1212m)が、平家落人に由来するか否かは不明である。
 更に歩むと、御二人の老人が農作業に勤しむ姿が目に入る。通り過ぎようとすると、”これから御在所ですか?”
と声をかけられる。答えるついでにルートについて質問すると、途中の石段からはきついが普通の足で約2時間程度
との事である。また”あなたは若いので1時間半位で登れるでしょう”と嬉しい事をおっしゃる。気を良くして、勇
んで歩み始めた途端、長さ1m程のシマヘビの歓迎に会う。これから先、マムシに会わないことを願いつつ、薄暗い
杉林の中を黙々と進む。
 小一時間ほど経ったであろうか、明るい台地に出る。ここは祭事には奉納相撲の土俵に使われるとの事であるが、
今は可憐な紫の花が一面を覆っている。正面の鳥居の先には、急な石段が延々と続いている。先程の御老人の話で、
ある程度覚悟はしていたが、一瞬ひるむ思いがする。最初の石段を喘ぎながら登りきると、風に揺れているスミレ
の群落が目に留まる。スミレ博士のAさんに学名を特定して頂くため、写真に収めようとするが、揺れが止まらず
シャッターが中々切れない。15分程粘ったであろうか、体も冷えてきたので結局撮影を諦めて先に進む。
 最後の水場で喉を潤した後、少し進むと急に展望が開ける。西方には香北町の山々や高知平野が一望できる。
ここから第2の急な石段が続く。名を”尻見坂”と言い、誰が付けたか知らないが言い得て妙である。上部は斜度
45度以上は有ろうか、危険防止のため二本のロープがぶら下っている。ここを、片手にビデオカメラを持ち、もう
一方でストックを突きながら恐る恐る登っていく。途中の石段の脇に、可憐なスミレを見付ける。先程は撮影に失敗
したが、今回は何とか瞬時にシャッターを切る。
 石段を登り切る手前で二匹の狛犬が歓迎してくれる。奥に進むと石仏群に出くわす。この辺りは霊場とも言うべき
場所で、下段には数体の仏様が鎮座しており、村人が彫ったと思われる可愛い薬師如来像も見られる。上段には数十
体程の仏様が雛壇状に並んでいる。中には作者と思しき名前入りの仏様も見られる。
 最後の階段を登り切り、奥に進むと山頂直下に韮生山祗神社が現れる。最近手入れされた様子が無く、少し汚れて
いるのが痛々しい。御在所山山頂は見晴らしが利かないので、更に50m程先に進むと急に視界が開け、雄大な四国山脈
が眼前に広がる。生憎の春霞ではっきりは見えないが、見事な山容の三嶺(標高1893m)や、その奥には半分雲に隠れた
剣山(1955m)が望める。
 四国の山々を見つめつつ遅い昼食を摂った後、下りにかかる。速足で尻見坂まで下り、更に杉林の中を進むと、
奇妙な格好をした松が目に飛び込んでくる。喘ぎながら登った時には気が付かなかったが、余裕が出来ると見える物
も違ってくる様である。この松を坂上から眺めると掌を広げたようでもあり、真下から見上げると空にも向かって人
が背伸びをしている様にも見える。実に存在感の有る松である。ここから元来た道を急いで下る。
 今回は四国に赴任後の手始めとして、歴史豊かな御在所山に挑戦した。最後まで登山客に誰一人として会わず、静
かな登山を楽しむことが出来た。次回は雄大な三嶺や剣山にもトライしたい。

総歩数:12,850歩
登りの厳しさ:★★

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