「武満徹を語る」レゾナンス

4 冷静さとパッションを思考で指揮する


2007.4.7.

   観世 論理化して突き詰めていくうちに、生命力がなくならないんだ
   よ、武満の場合はね。突き詰めて論理化しちゃったら、そこで干から
   びたものみたいにならないところが、武満のやっぱりすばらしいとこ
   ろじゃないかと思いますけどね。(…)
   だから、話をしていたってそうなんだけど、すごいパッションがある
   ところと、冷静なところというのが思考をない交ぜて出てくるからね。
   そこがやっぱりすごいんじゃないか。普通、どっちかに偏っちゃうん
   だよね。

  (『武満徹を語る15の証言』小学館/2007.4.2.発行
   「第8章 能役者・観世栄夫さんに聞く」より)

1+1が2になるのってつまんないじゃないか
 でもそれがいいんだよ

3になっちゃまずいか
 まずかないけどカオスだね

カオスって好きだな
 ぼくも好きだけど

コスモスも好きだな
 そうだな

1+1が2になるだけだからいやなのかも
 もちろんそれだけじゃないさ

ほかになにがあるの
 設計図はあくまでも計画さ

そうか実際に建物とか建ってないわけだ
 素材とか色とかもこれからだしね

設計図だけで息切れちゃうとそこで終わりなんだね
 考えるってことでもおんなじさ

はじまりを終わりだと勘違いしてたんだね
 だからはじめようよ

そうだねはじめよう
 冷静さとパッションを思考で指揮しながらね