「武満徹を語る」レゾナンス

3 アウトプット


2007.4.6

   池辺 武満さんが表現されたものは、たまたまアウトプットが音楽だ
   ったけれども、どこかでちょっとそのアウトプットに至るプロセスの
   回路が少し違っていたら、詩になったかもしれないし、どこか回路が
   違ったら、絵だったかもしれないし、文学だったかもしれない。何に
   でも成り得る。何にでも成り得る音楽というのは、ほかには誰も書い
   ていないと思うんです。

  (『武満徹を語る15の証言』小学館/2007.4.2.発行
   「第6章 作曲家・池辺晋一郎さんに聞く」より)

ぼくはたまたまぼくだったけど
どこかでちょっと何かが変わっていたら
ほかのぼくになったんだろうな

それにぼくがぼくであることなんて
きみがちょっと怒っただけで
ずいぶん変わってしまうくらいだ

もちろんきみが笑ってくれただけで
ぼくはまたべつのぼくになって
鳥のようにさえずることだってできそうなくらいだ

でもぼくのなかのなにかは
ぼくでなくちゃならないものもあって
そしてきみがきみじゃなくちゃいけないものを
ちゃんと探し当てようとしているのも確かなことさ