《発見法》 |
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2014.8.13 |
謎のように
世界が現れる
そしてわたしも
謎のようにここにいる
まだ見ぬなにかのまえで
なにをどうすればいいのか
それさえわからない
問うことからはじめてみる
世界はそしてわたしは
問いの数だけ
そこに現れてくれるから
問うことはむずかしい
問われないときは渾沌
分かとうと穴を穿てば
合わせ鏡のまえで
みずからを映すように
問いはどこまでも錯乱していく
愛する人がそこにいるのに
愛を問えないために
出会えないままでいるように
見ているけれど見えていないところで
隠されていないものが隠されてしまう
問いを探すために
はるかな旅にでる必要はないだろう
世界はここにあり
わたしはここにいる
永遠という無限のなかで
問うことそのものが
世界となりわたしとなるのだから
問うことで樹は亭々として聳え
問うことで星は群れとなって流れ
問うことで鳥は飛翔し季節を歌う
謎のように
世界が現れる
そしてわたしも
謎のようにここにいる