《振り子》 |
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2014.8.5 |
揺れている
振り子のように
しかも不規則な仕方で
揺れるならば
いっそふりきってしまえ
狂気のように
けれどその必要のないときだけに
谷から山にかけのぼり
山から谷にかけおりるように
自分のなかの極小と極大を踊れ
振り子の腕をさえ
伸ばしたり縮めたりしながら
いったいなにが揺れているのだろう
揺れながら
揺れ続けながら
自分という世界の
あまりにもちっぽけな振幅のなかで
それを見ているものがある
どんなに振れたところで
ぐるりと一回転するだけのこと
そして見つけるんだ
振り子を支えている点を
たとえそれが動いている点だとしても
揺れながらそれを見ているものを