《扉》 |
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2014.6.23 |
くるくるくねくね行き止まり
袋小路に藪小路
雨に降られて陽にさらされて
歩き疲れて眠って起きて
悪態ついて自分に泣いて
迷路をぐるぐるたどっては
どこにいるのかわからぬままに
往くも帰るもままならず
やがて自分も忘れはて
どこへ往くやら帰るやら
空をながめてふと思う
上から見ればこの自分
いったいどこにいるのだろう
鳥にはなれず飛べないけれど
自分を超える道はある!
気づけば鍵が手のなかに
袋小路を出る鍵か
「扉はおまえのなかにある」
書かれた言葉を見つめては
自分の扉を考える
自分のなかの扉とは?
悩みはじめて時は過ぎ
自分のなかのそのまた自分
さがして迷いその果てに
見えてくるのは胸の奥
胸の扉のその奥に
しまっておいた闇の種
自分を閉ざし誤魔化して
見ないふりした闇の種
迷路のなかに置き去りに
扉をあけて手をのべて
光をあてて水をやり
育ちはじめた闇の種
芽を出し育ち光に満ちて
空へ空へと舞いあがる
やがて迷路が見えてくる
袋小路に藪小路
くるくるくねくね迷路の世界
たどって泣いて笑って泣いて
扉にそっとくちづける