《船出》 |
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2014.6.21 |
漕ぎだすんだ
ちっぽけなカヌー
ぼくの宇宙船で
星の音楽の祝福するなか
まだ見ぬ彼方めざして
冒険はいつもはじまったばかりだ
彼方にはその彼方があるから
目的地は決めないでいよう
ぼくにはいつも
あたらしいぼくがいるから
声高らかに歌うんだ
ちっぽけなカヌーの歌を
オールの動きにあわせ
風のドラムを鳴らしながら
ぼくのリズムを
流れる水のダンスに乗せて
天の河を泳ぐという
星の魚を知ってるかい
魚のなかで静かに輝いている
光るコトバのことを
夢でみたんだ
星の海に乗りだし
航海を続ける小さな舟のまわりを
踊るように回遊する魚の
七色に光るコトバのこと
そして夢のなかのぼくも
不思議な幾何学模様をした
そのコトバとなって歌っていたことを
漕ぎだすんだ
ちっぽけなカヌーで
風と水
火と地の呪文で織りなされた
魔法のマントを友として
彼方の彼方へ
もうひとりのぼくの歌う
光るコトバを探して