《出発》 |
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2014.6.7 |
手荷物はいらない
必要なのは勇気だ
勇気がないなら
ユーモアをもつがいい
自分さえも笑い飛ばせるような
そんな洒落でもひとつ
食べればおさまる空腹のように
手にすれば失われてしまう
欲望という名のわたしのさまざまな影
光を求めれば必ず現れてくる幻
そんな幻さえも導き手として
迷いながらも出かけるんだ
まだ見ぬはるかな場所へと
だれかがわたしを呼んでいるのか
わたしがだれかを求めているのか
幻灯のように予感がぐるぐるとまわる
満たされることを求める欲望よりも
どんなときにも失われることのない
たしかな星の印を胸に刻んで
叫びたいほどの不安や痛みが
襲いかかってくるとしても
それさえわたしがわたしへとむかうための
大切な道しるべになると信じ
歩きはじめるんだ
わたしのなかに秘められているはずの
アルファとオメガが焦点を結ぶ場所へ