《えれじい》
2014.6.5

さかなのように
あめのなかを
およぐときは
なみだなんか
とけてゆくのさ

とりのように
かぜのなかで
うたうときは
かなしいゆびを
まわすのさ

もぐらのように
だいちのなかを
めぐるときは
せつないやみを
おどるのさ

はなのように
ほのおのいのち
さかせるときは
こいするむねが
さけるのさ

 

☆風遊戯《えれじい》ノート

◎このところ、少しばかり「鬱」なのもあって、えれじい/エレジー(悲歌)。生きる悲しみを「四大(地水火風)」のイメージで歌ってみました。

◎おさかなは「水」、とりは「風」、もぐらは「地」、そしてはなは「火」。今回も以前のひらがなヴァージョンと同じく、とくに深い神秘学的なものを表現しようとはしてません。ふとでてきたことばからの遊戯です。

◎なんだか雨っぽい季節になった感があって、「雨が空から降れば」(作詞は別役実、作曲・歌は小室等)という曲を思い出したことをきっかけに、ふとことばがでてきました。

◎「雨が空から降れば おもいでは地面にしみこむ・・・雨の日はしょうがない 公園のベンチでひとり おさかなをつれば おさかなもまた 雨の中」。おさかなが雨のなかを泳いでいるイメージがでてきたので、そこから。

◎雨のなかを涙がとけて、悲しみを指にからめ歌い、闇の中をせつなく踊り、そして花が咲く(裂く)ようにむねが破裂していく・・・悲歌。