《自由》 |
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2014.5.27 |
洪水がきて
箱船に積むものを探す
わたしのいちばん大切なもの
断崖にぶら下がっているとき
少しでも身を軽くしようと
抱えているものを捨て去るように
過去のひとつひとつを諦めながら
残せるものは何だろう
パンドラの箱の底に
最後に残っていた希望
それともまだ見ぬ自由か
岸辺のない海原を漂い
どこへ行こうというのか
放った鳥はどこへ
海と空だけを見つめる
永遠にも似た閉塞
洪水はわが魂に及び
わたしはわたしの向こう側で
はるかに臨むのだ
わたしが芽吹かせ育てなければならない
自由の枝を咥えた魂の鳥が
やがて帰還するのを