《奇跡》 |
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2014.5.20 |
花びらが風に舞い
わたしの手のひらに落ちる
偶然がどうしてここに来たのか
わたしはそれを知らない
手のひらにある偶然は
わたしがこうして生きている偶然であり
あなたと出会う偶然でもある
そしてだれもが死を迎えるという必然と
それは何も変わらない
それを何と呼べばいいかわからないけれど
偶然と必然を然るべく流れている河のことを
奇跡とでも呼んでみようか
奇跡を特別なことだと思うのかい
然るべく奇跡は実るのだろう
種を植え芽吹かせ育て花を咲かせ
そうして実りを迎えるように
奇跡の奇は大きな可能性
跡は足で繰り返し歩むこと
偶然と必然の河を静かに泳いでいくように
わたしたちは奇跡を生きている
奇跡のうちに
わたしは生まれ
奇跡のうちに
あなたと出会い
奇跡のうちに
やがて死を迎える
ひとひらの花びらと出会うように
奇跡はわたしとともにあり
苦しみさえも友として
静かに静かに熟していく