《うたかた》 |
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2014.5.1 |
変わらないものはあるのだろうか
その問いは河の流れのうたかたのように
浮かんでは消えながら
天使の悲歌のように
繰り返し繰り返し奏でられる
生きとし生けるもの
ありとしあらゆるもの
その源にあるものは
悲しみなのか
歓びなのか
それとも驚きなのか
答えの用意された問いは
すでに問いでさえないから
私は答えのない問いへと旅をする
問いと答えが刹那に点滅する幻を前に
変わらないものを求めて旅する者が
やがて無常こそが永遠であることを知るように
答えのない問いに向かう私は
みずからが私でない私であることを知る
悲しみは悲しみのままで
歓びは歓びのままで
驚きは驚きのままで
答えそのものでもある問いとなって
たゆたい流れかつ消えかつ結び
私をさまざまに現象させてゆく
ああ変わらないものはあるのだろうか
問いが数々の流れとなり集まって大河となり
やがて海へと流れ込む
その海を永遠と呼ぶとしても
やがては姿を変えて天へと上昇し
またあらたな問いとなって降り注ぐ
うたかたのめぐりの歌を歌おうか
悲しみのしらべ
歓びのしらべ
驚きのしらべを
私という楽器にのせ
永遠を問いそのものにして