《愚》 |
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2014.2.2 |
どうしようもない私が現れる
私でない私が
私の顔をして歩いている
私という壁に囲まれて
私という仮面の内で
自分はいったい何をしているのだ
したり顔をしている自分を
吐き出そうとする私がいる
私が私である賢さが
耐えようもなくなるとき
どうしようもない私になって
よろよろとぼとぼ歩くのだ
愚かになることでしか
愚かでしかありえない自分に気づくことでしか
たどり着けない場所がある
私の前に道はなく
私の後ろにつくられる道を呪いながら
それでも私という軛を逃れようと
私でない私のほうへと
おろおろびくびく
どうしようもない私を歩くのだ