《ふれる》
2014.1.17


あなたにふれる
ふれることで
わたしはあなたに近づく

けれど
ふれることで
わたしはあなたとの違いを知る

あなたにふれる
ふれることで
ふれることのできないものを感じ始める
けっして近づくことのできないものさえも

ふれあうことで
わたしはあなたとの境を超えようとする
ときに弾き手となり
ときに楽器となり
互いのいのちの弦を響かせようとする
大きな不協和音さえ生みだしながら

それと知らずにふれているものがある
手は頬は空気にふれている
思いは世界のさまざまにふれ
心はいつのまにかあなたにふれている

そしてわたしの心の奥は
いつも宇宙の衣につつまれている
つつまれながら
まだ見ぬ
けれどほんとうは
いつもいつもそばにいたあなたにふれようと
よちよち歩きをはじめる