《間(あわい)》
2014.1.7


間に潜むものがやってくる
息をひそめて声なきままに
見たこともない
けれどどこか懐かしい
そんなものたちがわきあがる

音と音の間にある
沈黙の音楽のように
生と死の間にある
時間を超えた物語のように
わたしとあなたの間にある
合わせ鏡の世界のように

どこにもない空間が
あらゆる空間を生じさせる
どこにもない時間が
あらゆる時間を紡ぎ出す

はるか無限の彼方から
いまここにある無の間から
存在の裏返った世界の向こう側から
すべての源にある泉から

わたしの心の深い深い闇を抜けて
わたしの身体の深い深い叡智を呼び覚まし
夢幻の世界から姿なきものたちが
福音の使者のように立ち現れる

するとわたしはぐるりと裏返る
わたしでないわたしが
存在の間から浮かびあがる
そしてわたしに告げる
おまえはわたしなのだと