《迷路》
2014.1.5


迷路の入口に立つ
出口を探さなければならない
はたして出口はあるのだろうか
その保証さえどこにもない
けれど行かなければならない
このまま迷路の前で
立ち往生するわけにはいかないからだ

迷路を上からみれば
自分が歩むべき道が見つかるだろうか
鳥になれればいいのにとふと思うが
鳥ならば地上を歩く必要はないだろうがと思い直す
そして出口を探すことが目的であると同時に
路上でしか見つからないものを見つけていくことも
目的であることを思い出す

出口とはいったいなんだろうか
出口からでたあとのことを自分は考えているのかと自問する
そしてまた迷路の入り口に立つ前のこともふりかえってみる
おそらく迷路の前にも迷路があったのだ
迷路を出たところが今度の迷路の入り口だった
そしてこの迷路の出口もまた
あらたな迷路の入口になるのだろう

いっそこのままここで立ち止まっていようかとも考える
どちらにせよ世界には迷路のなかと
入口と出口以外はないのだから
どこにいても変わりはないじゃないかと
今自分が迷路のどこにいるのか
そしてこの迷路がいったい何なのかさえ
おそらくどこまでいっても知るすべはないのだろうし

それでも路を行かなければならないと思い直す
ときに同じ路をぐるぐると彷徨っているだけだとしても
立ち止まったままでいるわけにはいかない
路を歩くことそのものが自分に他ならないのだろうから
そして迷路とはいったい何なのだろうかと問いかけてみる
すると自分のなかにも迷路があることにふと気づく
外の迷路と内の迷路は照らしあっているのではないかと