《十字架》 |
---|
2013.12.25 |
磔られたのはだれか
わたしは自分がなにをしているか知らぬまま
十字の上のひとをあざ笑う
天は裂け地は轟くが
わたしはそれにさえ気づかない
そしてみずからを何度も欺き続ける
罪のないものはこの者に石を投げよという
けれどわたしは石を投げることをためらわない
それほどにみずからの言葉とふるまいを省みないからだ
友なるひとよ
わたしの十字架がふるえるのだ
わたしの天が
わたしの大地が裂けるのだ
友なるひとよ
わたしはこの手でこの爪で大地を掘り
この涙で種に水を注ぎ
そして天に向かいその芽を伸ばそう
天と地が幸せに結ぶように
貧しき心と身体で
十字の上で友を呼ばわろう