《窓》
2013.12.21


好き!
それだけで
世界への窓は開かれる
けれど窓の外への恐れが
しばしばわたしに不安をつれてくる

嫌い
それだけで
世界への窓は閉じられてしまう
けれど閉じている窓は
やがてひらかれる予感にふるえている

窓のむこうの世界に憧れる
けれどそこにはなにがあるのだろう
部屋のなかからだけでは窓のむこうはみえない
窓はその形と大きさで
わたしとあなたのあいだで
開かれそして閉じられる

わたしの心は
好きと嫌いのあいだを
壊れた振り子のように
いつもたよりなく揺れている
そしてときおりみずからを激しく打つ

わたしの体は
快と不快のあいだを
行方を失った鳥のように
いつも不安にさまよっている
そしてときに溺れときに激しく嗚咽する

心の窓がときに少しだけ開かれて
光のなかであなたが見える
体の窓がときに少しだけ開かれて
世界の色と形のまえでときめく
けれど二つの窓は別の場所にあって
ときに互いを激しく嫌悪する

わたしの秘密を守りそして開く窓
窓のむこうに広がる
開かれた世界との矛盾のまえで
わたしは大きく深呼吸する