風日誌


仲正昌樹『歴史と正義』・ウスイロヒョウモンモドキ


2004.08.11

 

風日誌 2004.08.11●仲正昌樹『歴史と正義』・ウスイロヒョウモンモドキ
 
・仲正昌樹『歴史と正義』
・おかやまの希少な生命
 「ウスイロヒョウモンモドキ」
 
仲正昌樹の『歴史と正義/史的構想力の回復に向けて』
(お茶の水書房/2004.1.20発行)を読み始めている。
『歴史と正義』というタイトルはどうもぼく向きのネタではないのだけれど、
あるエポックが自分なりにはじまると
苦手なものもそれなりに見ていく必要がある。
そもそも、この仲正昌樹という人は、最初研究テーマが
「ドイツロマン派の言語哲学」だったのが、
アドルノ経由でさまざまななテーマに手を出すはめになり、
行きがかり上?こういうテーマについても書くようになったそうだ。
で、そういう著者の不思議な研究の幅に
共感のようなものがでてきているらしい。
 
もちろん、ここで論じられているのは
「これが正義だ!」というようなものではない。
むしろ、普遍的な「正義」を正当化できるような
普遍的な「物語」が成立しなくなっている状況についてである。
このテーマは、先日読んだ『「不自由」論』(ちくま新書)でも
とりあげられていて、そうしたなかで、
ようやくハンナ・アーレントにも興味がでてきたところである。
「法」とか「政治」だとかいうのはいちばん苦手なテーマの一つだけれど、
ちょっととっかかりができたというところだろうか。
「大きな物語」だとか「小さな物語」だとかいうときの
「国家幻想」や「共同体幻想」というあたりの
「物語」の問題性ということもようやく少しだけわかりかけてきた。
そういえば、中沢新一と河合隼雄の対談『仏教が好き』とかにも
「物語に逃げちゃいかん」というありのことがでてたような。
 
ところで、これこそ手前味噌になるが、岡山にきて
「大手まんぢゆう」の新聞の新しいシリーズをあれこれ考えていたのが、
やっと先日その第1回目にこぎつけたところ。
テーマは、「おかやまの希少な生命」という
「おかやまレッドデーターブック」的なもの。
で、初回が「ウスイロヒョウモンモドキ」。
 
とくにどうということもない内容なのだけれど、
とくに広告主と直接関係ない内容だし
掲載も終了しているので、ご紹介します。
 
	おかやまの希少な生命-1
	かけがえのない小さな生命
	「ウスイロヒョウモンモドキ」
 
	全国有数のチョウの宝庫が…
 
	全国有数のチョウの宝庫である中国山地や吉備高原のある岡山県。
	でも、ナガサキアゲハなど一部の暖帯性種が増加する一方で、個
	体数が急激に減少している種も増えています。とりわけ開発など
	により生息地が奪われ、山地草原性のチョウの数が減少傾向にあ
	るようです。
 
	絶滅危惧種に指定されているウスイロヒョウモンモドキ
 
	 岡山県上斎原村の恩原高原一帯と新庄村・新見市の一部に生息
	が確認されている、ウスイロヒョウモンモドキもそのひとつ。タ
	テハチョウ科の一種で、写真のように「豹のような紋」をしている
	ことから、この名前がつけられていますが、環境庁や岡山県など
	のレッドデータブックで、いずれも絶滅危惧種に指定され、国内
	では現在、岡山県・島根県・鳥取県・兵庫県にのみわずかに生息
	が確認されています。
 
	草原の消滅と個体数の減少
 
	 羽を広げた大きさが四センチほどのこのチョウは、カノコソウ
	やオミナエシを食べて成長します。従来はあちこちに生息地があ
	りましたが、これらの植物を育む草原の消滅にあわせて数が減っ
	てゆきました。
	 ほんのわずかな開発や環境変化によっても、その極めて脆弱な
	生息基盤が失われてしまうウスイロヒョウモンモドキ。この希少
	なチョウを護ろうと、近年ようやく各地でも保護活動が始まろう
	としています。
 
	保護活動と生息地の復元へ
 
	 数少ない生息地の一つ新見市土橋地区では、岡山昆虫談話会員
	らが同市や土橋地域振興会に保護を呼び掛け、昨秋から官民一体
	となって生息地の草刈り、看板設置などの保護活動を始め、観察
	会・学習会などでの啓蒙活動も行なわれています。
	 数年前から開発や乱獲で個体数が激減した上齋原村でも、採集
	の禁止措置をとる一方で、幼虫の食草オミナエシの増殖など、継
	続的な保護活動と生息地の復元が検討されています。
 
 

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